Best Worst 2012

アメリカのマスコミが選ぶ2012年のベスト&ワーストTV番組

BEST

•大統領・副大統領選ディベート

•モダーン・ファミリー(Modern Family) ABC

•ホームランド

•ブレイキング・バッド

•ルイ

•ダウントン・アビー (Downton Abbey) PBS

•マッド・メン

•ジャスティファイド

•ザ・ミドル (The Middle) ABC

•ザ・ウォーキング・デッド (The Walking Dead) AMC

•ガールズ

WORST

•ヒア・カムズ・ハニー・ブー・ブー (Here Comes Honey Boo Boo) TLC

•アンガー・マネジメント

•エミリー・オーウェンス M.D. (Emily Owens, M.D.) CW

•ザ・モブ・ドクター (The Mob Doctor) FOX

•マリブ・カントリー (Malibu Country) ABC

•ワーク・イット

•アニマル・プラクティス

•ガイズ・ウィズ・キッズ (Guys with Kids) NBC

•ビューティ・アンド・ザ・ビースト (Beauty and the Beast) CW

•アメリカン・ホラー・ストーリー: アサイラム (American Horror Story: Asylum) FX

•ジ・X・ファクター (The X Factor) FOX

BEST

1.シャーロック (Shirlock) PBS

2.サウスランド (Southland) TNT

3.ルイ (Louie) FX

4.HBOドキュメンタリー

5.ザ・キリング (The Killing) AMC

6.アドヴェンチャー・タイム (Adventure Time) CN

7.デクスター (Dexter) ショウタイム

8.モイヤーズ&カンパニー (Moyers & Company) PBS

9.ホームランド (Homeland) ショウタイム

10.ザ・グッド・ワイフ (The Good Wife) CBS

BEST

1.ホームランド

2.ブレイキング・バッド (Braking Bad) AMC

3.ルイ

4.ガールズ (Girls) HBO

5.マッド・メン (Mad Men) AMC

6.ザ・コルベール・レポート (The Colbert Report) コメディ・セントラル

7.パークス・アンド・レクリエーション (Parks and Recreation) NBC

8.ジャスティファイド (Justified) FX

9.ザ・グッド・ワイフ

10.ナッシュヴィル (Nashville) ABC

WORST

1.ワーク・イット (Work It) ABC

2.アニマル・プラクティス (Animal Practice) NBC

3.アンガー・マネジメント (Anger Management) FX

4.ハウス・オブ・ライズ (House of Lies) ショウタイム
5.アメリカン・アイドル: シーズン・フィナーレ (American Idol: Season Finale) FOX

BEST

1.ホームランド

2.英国製輸入番組

3.ザ・ウォーキング・デッド

4.マッド・メン

5.ルイ

6.アンチ・ヒーローたち

7.ザ・ミドル

8.ザ・グッド・ワイフ

9. ガールズ
10.ザ・ビッグ・バン・セオリー (The Big Bang Theory) CBS

WORST

•「ナッシュヴィル」で歌うコニー・ブリットン

•「セサミ・ストリート (Sesame Street)」スキャンダル

•ヒア・カムズ・ハニー・ブー・ブー

•「ザ・ヴォイス (The Voice)」におけるクリスティーナ・アギレラのファッション

•「ザ・グッド・ワイフ」におけるカリンダと前夫のストーリー展開

•「スマッシュ (Smash)」のサブキャラ

•デュエッツ (Duets) ABC

•「デスパレートな妻たち (Desperate Housewives)」におけるネタバレ裁判

•「ジ・X・ファクター」におけるデミ・ロヴァトの眉毛

•「リヴェンジ (Revenge)」ABC

•カリ・ロウヴ

•「ホームランド」のデイナ

•「コミュニティ (Community)」のごたごた

•「ビューティ・アンド・ザ・ビースト」のビースト
• アンガス・T.・ジョーンズ

全員がベストに選んでいる「ホームランド」が今年も強い。あの第1シーズンのシーズン・フィナーレをどう引っ張るんだと思っていたら、家族ドラマも含め第2シーズンもちゃんと面白いものを作ったのはさすが。今度は娘が転向かと思わせるシーズンの幕引きもうまかった。

ついで4者が選んでいる「マッド・メン」も相変わらず評価が高い。そして今回最大の注目は、同様に4者が選んでいる「ルイ」。いうなれば不良中年を描く、ニュー・ヴァージョンのHBOの「ラリーのミッドライフ★クライシス (Curb Your Enthusiasm)」みたいなもの。

「ザ・ウォーキング・デッド」、「ザ・グッド・ワイフ」、新番組の「ガールズ」も3者が選んでいる。「ガールズ」はNYに住む若い女性たちを描くコメディで、「セックス・アンド・ザ・シティ (Sex and the City)」がもっと庶民寄りになった感じと言えばいいか。とはいえ私はこの種の番組にあまり食指が動かず、プレミア・エピソードだけ見てこんなものかと思っていたら、あれよあれよという間に評価が定着した。

TVガイドの言う「アンチ・ヒーロー」は「デクスター」や「ブレイキング・バッド」の主人公を意味するので、これを入れると「ブレイキング・バッド」も3者から選ばれていることになる。「ダウントン・アビー」は昨年の熱狂も一段落して、今年は少し落ち着いた。とはいえTVガイドが選んでいる「英国製番組」には、「コール・ザ・ミッドワイフ (Call the Midwife)」と、「アビー」も当然含まれる。

ワーストで2者以上から選ばれているのは、「ワーク・イット」、「アニマル・プラクティス」、「アンガー・マネジメント」、「ヒア・カムズ・ハニー・ブー・ブー」、「ビューティ・アンド・ザ・ビースト」、「アメリカン・アイドル」。大筋異議なし。ついに「アイドル」もワーストに選ばれるようになったか。

個人的に最も印象に残っているのはカリ・ロウヴで、これはFOXニューズで大統領選を解説していたがちがちの共和党員であるロウヴが、数字がオバマ当確を雄弁に物語っているのにそれが信じられず、頑なにオバマ当確と発言するのを拒んだものだ。自分の心情を優先して事実を直視せず絶句していたロウヴが、選挙の翌日あらゆるところで嘲笑の対象となった。ニューズ解説が逆にニューズとなって報道されたため私も知ったわけだが、こんなやつが堂々と政局を解説しているFOXニューズというチャンネルが怖ろしい。

「セサミ・ストリート」スキャンダルとは、大統領選で共和党候補のミット・ロムニーが「セサミ」を放送している公共放送のPBSの補助をカットしようとした時に、民主党が「セサミ」のビッグ・バードをシンボル的に用いてロムニーを攻撃したこと、およびその後、長年エルモを担当していたケヴィン・クラッシュが児童虐待で連続して訴えられたもので、後者は特に暗鬱な気分にさせた。

「デスペラートな妻たち」におけるネタバレ裁判とは、不当に演じているキャラクターを殺されて番組を降ろされたとしてニコレット・シェリダンが番組クリエイターのマーク・チェリーを訴えた裁判のこと。被告側が番組でキャラクターが殺されるのはよくあることとして、現にジェイムズ・デントン演じるマイクですらもうすぐ殺されると、まだ放送されていないエピソードの展開を自らばらしてしまった。ファンはそんなの知りたくなかったろう。

以下は私の選ぶベスト&ワースト。「ヒア・カムズ・ハニー・ブー・ブー」をワーストに入れる誘惑に抗ったのは、醜悪なあまり時に非常に楽しませてくれたから。