ザ・ジェニファー・ハドソン・ショウ   The Jennifer Hudson Show  

放送局: シンジケーション (NY地域ではFOX)  

プレミア放送日: 9/12/2022 (Mon) 11:00-12:00  

製作: テレピクチュアズ・プロダクションズ、ワーナー・ブラザースTV  

製作総指揮: ジェニファー・ハドソン、シャニ・ブラック 

ホスト: ジェニファー・ハドソン  

  

内容: シンガー/女優のジェニファー・ハドソンがホストの日中トーク・ショウ。 


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The Jennifer Hudson Show


ザ・ジェニファー・ハドソン・ショウ

今年、アメリカのシンジケーションTVを代表する2本のトーク・ショウが最終回を迎えた。「ジ・エレン・デジェネレス・ショウ (The Ellen DeGeneres Show)」と、「ザ・ウェンディ・ウィリアムズ・ショウ (The Wendy Williams Show)」だ。「エレン」の方は私も何回か書いているからそちらを参照してもらうとして、一方の「ウェンディ」の方は、日本人にはあまり馴染みはないかと思う。 

 

ウェンディ・ウィリアムズは黒人女性コメディアンだ。トーク・ショウの場合、特にマイノリティがホストだと、その人種の特色が多く前面に出てくる。そのため、「ウェンディ」の場合も、2008年に放送を開始して以来の既にヴェテラン番組なのだが、黒人女性視聴者層の枠を超えてまで話題になることはほとんどなかった。一方で、そのターゲット層である若い黒人女性視聴者層には大きな人気があった。 

 

しかしウィリアムズは甲状腺に持病があり、昨シーズンから基本的に番組はウィリアムズ以外のゲストが代わる代わるホストを担当していた。結局番組を続けられないということで番組終了が発表になり、「ウェンディ」と「エレン」の、2010年代を牽引したと言える2本のトーク・ショウが放送を終えた。 

 

代わって今季編成された2本のトーク・ショウが、ウィリアムズと同じく黒人女性コメディアンのシェリ・シェパードがホストの、「シェリ (Sherri)」と、「ザ・ジェニファー・ハドソン・ショウ」だ。因みにトーク・ショウは、今年キャンセルされたものの、昨年ニック・キャノンがホストの「ニック・キャノン (NIck Cannon)」が編成されており、黒人が'ホストの番組が続けて投入されている。 

 

さて、「ザ・ジェニファー・ハドソン・ショウ」ホストのジェニファー・ハドソンとは、もちろんFOXの「アメリカン・アイドル (American Idol)」出身で、今やシンガーとしても女優としてもヴェテランの、あのハドソンのことだ。因みに初代「アメリカン・アイドル」ウィナーのケリー・クラークソンも、自身がホストのトーク・ショウ「ザ・ケリー・クラークソン・ショウ (The Kelly Clarkson Show)」を持っている。  

 

ハドソン自身は今年ブロードウェイの「ア・ストレンジ・ループ (A Strange Loop)」プロデューサーとしてトニー賞を獲得したことで、 TVのエミー賞 (Emmy)、音楽のグラミー賞 (Grammy)、映画のアカデミー賞 (Oscar)、そしてトニー賞 (Tony) のアメリカのショウビズ界4大タイトルをすべて獲るEGOT (イーゴット) を達成した史上17人目の人物となった。今回、シンガー、アクトレス、プロデューサーにTVホストという肩書きまで加わり、ヴェテランというよりも、業界を仕切る大物的な人物になりつつある。 

 

上述のクラークソンは、デビュー後、どんどん体重と貫禄がついてきたが、一方のハドソンは「アイドル」に出ていた時の方がふくよかで、近年、クラークソンとは逆にちょっと体重が落ちて印象がシャープになり、そしてクラークソンとは逆の感じでこれまた貫禄がついてきた。彼女に専属のトレーナーがついているのはまず間違いないと思う。 

 

さて「ザ・ジェニファー・ハドソン・ショウ」、番組第1回ゲストは、その「アイドル」のジャッジであり、プロデューサーでもあったサイモン・コーウェル。彼がいなくては今のハドソンは存在しないから、彼女なりの感謝の念を表したというところか。ただし、「アイドル」ではハドソンは結構コーウェルから厳しいコメントを貰うこともあった。ハドソンも勝ち気で引かないから、わりと対立していたという印象がある。コーウェルも自分は特に好かれていたとは思ってなかったのだろう、番組第1回のゲストに呼ばれて驚いたと言っていた。 

 

第2回ゲストは元NBAスーパースターのマジック・ジョンソンとシンガーのミッキー・ガイトン。第3回がイヴォンヌ・オージ、第4回ハンナ・ワディンガム、第5回ヴァイオラ・デイヴィスと、女優ゲストが続く。この中ではワディンガムのみ白人で、あとは黒人だ。「アイドル」の黒人ジャッジでもあったランディ・ジャクソンも、第2週目のゲストとして出ている。いずれにしても、ゲストのメンツとしては悪くない。 

 

印象としては、別に特に可もなく不可もない普通のトークという感じで、弾丸みたいにしゃべるクラークソンとは異なる。クラークソンは毎回番組冒頭で歌うが、ハドソンにはそれはなく、特に彼女の歌をフィーチャーする気もないみたいだ。歌だけではないという気持ちの表れなのかもしれない。 

 

とはいえ、さすがにハドソンのしゃべりが一級品だとかジョークが切れるとかゲストに話をさせるのがうまいとか、他に何か芸を持っているとかいうこともない。今の所黒人ゲストが多いが、「ウェンディ」みたいに明らかに黒人視聴者がターゲットという感じもしない。要するに、あまりポイントが絞り切れている感じがしないのだが、もしかしたらそれこそがポイントなのかもしれない。黒人だけでなく白人にもアピールする、全天候型トークを目指しているのかもしれない。 


 


 











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