シャークネード2: ザ・セカンド・ワン   Sharknado 2: The Second One

放送局: SyFy

プレミア放送日: 7/30/2014 (Wed) 21:00-23:00

製作: ジ・アサイラム

製作総指揮: デイヴィッド・マイケル・ラット

監督: アンソニー・C・フェランテ

脚本: サンダー・レヴィン

出演: イアン・ジーリング (フィン・シェパード)、タラ・リード (エイプリル・ウェクスラー)、ヴィヴィカ・A・フォックス (スカイ)、マーク・マグラス (マーティン)、ジャド・ハーシュ (キャブ・ドライヴァー)


物語: フィンとエイプリルは飛行機に乗ってニューヨークに向かっていた。そして二人はまたもやシャークネードに巻き込まれる。パイロットがサメの餌食となり、エイプリルも右腕を食いちぎられるが、フィンはなんとか機体を空港に無事着陸させる。エイプリルは入院し、フィンは義兄で旧友のマーティンらとメッツの試合を見物する。そこにはかつてやんごとない仲だったスカイもいた。そしてそこもシャークネードが襲撃し、自由の女神を見物していたフィンの姉たちもシャークネードに巻き込まれる。今やLAを襲った以上の巨大なシャークネードがニューヨークをパニックに陥れようとしていた‥‥


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Sharknado 2: The Second One


シャークネード2: ザ・セカンド・ワン  ★1/2

SF専門チャンネルのSyFyには、もろB級、いやC級のチープな香りが横溢したTV映画枠がある。特に得意としているのが、サメとワニだとかピラニアとパイソンだとか獰猛肉食の生物を合体巨大化させて人間を襲わせるという設定のパニック系の番組で、こんなCG、今時センスのある子なら小学生でも作れるんじゃないかというチープさが充満している。


3年前に私はこの手の番組で頂点を極めたかと思える「メガ・パイソン vs ゲイタロイド (Mega Python vs Gatoroid)」について書いたが、この傾向は現在でもまったく変わっていない。それどころか昨年、「シャークネード (Sharknado)」によってさらに新たな高みに上ってしまった。


「シャークネード」は、竜巻、トルネードによって空高く巻き上げられたサメが空中から降ってきてついでに人間を襲うという、奇想天外なSyFy番組の中でも群を抜いて奇抜な設定で注目を浴びた。ここまで来ると完全に確信犯的なチープ・ホラーであり、最初から逆受けを狙っている。一方、さすがにここまで唖然とする設定だと人が興味を惹かれるのも事実だ。


最初にプレミア放送された時はまだ一部のファンが注目しただけだったが、その直後からあまりものバカらしさにツイッター経由で評判を呼び始め、プレミア放送の時より再放送が、さらには再々放送がさらに高い視聴率を獲得、瞬く間に合計の総視聴者数でSyFyの新記録を樹立してしまった。SyFyがこの機を逃すはずもなく、即座に番組第2弾の製作が決定、そしてこの度放送されたのが、この「シャークネード2: ザ・セカンド・ワン」だ。


今度は舞台は前回のLAからニューヨークに移動してきて、奇想天外というか子供騙しの世界が展開する。冒頭、フィンとエイプリルの二人は、JFK空港に着陸前にまたシャークネードに巻き込まれる。その時機内で客室乗務員に扮しているのはケリー・オズボーンで、もちろん彼女は窓ガラスを突き破って侵入してきたサメにやられてしまう。初っ端からなかなか笑わせてくれる。


エイプリルは機内に飛び込んできたサメに片腕を食い千切られる。しかしもちろんそれで怯むエイプリルではなく、エンパイア・ステイト・ビルで繰り広げられるクライマックスでは、エイプリルは千切られた腕のあとにチェインソウをくっつけて、空から降ってくるサメどもをなぎ倒す。「悪魔のいけにえ (The Texas Chainsaw Massacre)」か「死霊のはらわたII (Evil Dead 2)」か、クエンティン・タランティーノ-ロバート・ロドリゲス作品でもチェインソウをくっつけたキャラクターがいなかったっけ?


今回フィンの旧友役として出てくるのがマーク・マグラスで、最近はシュガー・レイとしての音楽活動はもうしていないのか。キャブ・ドライヴァーとして登場するのは、かつての人気シットコム「タクシー (Taxi)」のジャド・ハーシュ。「タクシー」はそもそもニューヨークのタクシー会社を舞台とする番組で、もちろんそのことを踏まえたキャスティングだ。


その他にもNBCの「トゥデイ (Today)」のマット・ラウアーとアル・ローカー、ABCの「ライヴ!・ウィズ・ケリー・アンド・マイケル (Live! with Kelly and Michael)」のケリー・リパとマイケル・ストレイハンといったネットワークの朝の番組のお馴染みの面々がカメオ出演して番組を持ち上げる。ローカーなんて本職が気象予報士であるからにして、その彼がNYを異常気象が襲うなんてことを、たとえ半分は冗談としても口にする。


とにかくここまで来るとほとんど笑うしかないという展開で、これ、まだTVだから許せるけど、もし映画館で金払って見てたりしたら暴動もんのできだよなと、むしろある意味感心するのもまた事実なのだった。


「2」は既に二番煎じの謗りを免れるものではなく、成績的にはまあ他のTV映画よりはいいかなくらいのものでしかなかったが、しかしSyFyは柳の下の3匹目のドジョウを捕らえるのに余念なく、このほど「シャークネード3」製作を発表した。今度の舞台はワシントンDCになるそうで、ホワイトハウスを「シャークネード」が襲う。大統領がサメに食われる確率は五分五分と見た。










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