トレッドストーン   (Treadstone)   

放送局: USA 

プレミア放送日: 10/15/2020 (Tue) 22:00-23:00 

製作:  テイルウィンド・プロダクションズ、キャプティヴィト・エンタテインメント  

製作総指揮: ティム・キング、ラミン・バーラニ 

出演: ジェレミー・アーヴァイン (ジョン・ランドルフ・ベントリー)、トレイシー・イフェアチョア (タラ・コールマン)、オマー・メトウォリー (マット・エドワーズ)、ハン・ヒョジュ (ソヤン・パク)、ブライアン・J.・スミス (ダグ・マッケナ)、ゲイブリエル・シャーニツキー (ペトラ・アンドロポフ)、エミリア・シュール (ペトラ)、ミシェル・フォーブス (エレン・ベッカー) 

 

物語: 1973年ベルリン。CIAエージェントのベントリーはソヴィエト側に拿捕され、時が来ると覚醒するスリーパーを養成する「セミ」計画の治験を受けていたが、隙を見て脱出する。時は変わって現在、北朝鮮のトップが、元ジャーナリストで現在ではロンドンでキャブ・ドライヴァーをしているコールマンとの会談を要求してくる。コールマンはかつてのソヴィエト軍の核攻撃について執拗に追い続けた結果、ジャーナリストとして干されていた。時を同じくしてアラスカや北朝鮮で、セミ計画のスリーパーが覚醒する。そしてロシアでは、かつてベルリンでベントリーに逃げられたエージェントのペトラが、いまだに核の見張り番として生きていた‥‥ 


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Treadstone


トレッドストーン  ★★★

マット・デイモンが主人公に扮したロバート・ラドラム原作の「ボーン」シリーズは、いったんは終わったかに見えたが、人気を受けてジェレミー・レナー主演のスピンオフ「ボーン・レガシー (The Bourne Legacy)」や、再度デイモンが復帰しての続編「ジェイソン・ボーン (Jason Bourne)」が作られたりした。 

 

どれもそれはそれで楽しませるアクションではあったが、さすがに一度は完結したという印象の作品をまた新たに人気シリーズに仕立て上げるのは難しかったようで、それきりになった。 

 

一方、それでもこれだけ確立した金のなる木をむざむざ捨てるつもりもさらさらなかったようで、今回、新たなスピンオフが、TVシリーズとして製作放送された。それが「トレッドストーン」だ。 

 

考えたらジェイソン・ボーンが暗殺マシーンとなったトレッドストーン計画は、色々と応用できる。実際それで「ボーン・レガシー」も作られたわけだし、何もスーパーヒューマン化したのはボーン一人に限る必要はない。今回はさらに、それに冷戦時代にソヴィエトが計画していた核ミサイルと、世界にスリーパーを送り込んだセミ計画を盛り込んで、シリーズが企画された。 

 

近年のアメリカのTVアクション・ドラマは、わりと結構金をかけている。これは映画並みの金をかけるNetflix番組の影響もあるんじゃないかと思うが、近年、TVは以前ほど視聴率はとれなくなっているのに、製作費や撮影規模は高騰の一途をたどっている。たぶん、アメリカで放送の後、世界に売ることを考えているから、逆に金をかけて舞台を世界中に設定しているのだろう。 

 

「トレッドストーン」もその例に漏れず、ケーブルのベイシック・チャンネルの番組だというのに、かなり金がかかっているという印象を受ける。世界各地のスリーパーを描くため、舞台は世界、70年代ベルリンなんて昔の時代も出てきて、セット美術も大変だろうに。 

 

現代の舞台は、プレミア・エピソードだけでもロンドン、アラスカ、ロシア、北朝鮮が出てくる。北朝鮮での撮影はさすがに無理と思うので韓国あたりで代用しているのだろうが、基本的にちゃんと現地撮影を心がけているようだ。よくこれだけ金がかけられるよなと思うが、おかげで画面がいかにも本当らしくなって、説得力が増す。 

 

USAって、そんなに遠くない昔、チープなTV映画と、ネットワークのお下がり番組の再放送ばかりという印象だったものが、時代は変わる。やはり転機は、「モンク (Monk)」や「バーン・ノーティス (Burn Notice)」等の、ちゃんと作ったドラマが結局は人も見てくれるという認識にあったと思う。今後もこの路線で手綱を緩めず行ってもらいたい。 

 


 











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