コナン (Conan)  

放送局: TBS  

プレミア放送日: 11/8/2010 (Mon) 23:00-0:00  

新フォーマット放送日: 1/22/2019 (Tue) 23:00-23:30  

最終回放送日: 6/24/2021 (Thu) 22:00-23:00 

製作: コナコ  

製作総指揮: ジェフ・ロス  

ホスト: コナン・オブライエン  

アナウンサー: アンディ・リクター  

  

内容: コナン・オブライエンがホストの深夜トーク・ショウの最終回。 


_______________________________________________________________

Conan


コナン

コナン・オブライエンは、視点によってアメリカのトーク界において最も成功したホストの一人とも、最も運の悪かった一人とも言える。2000年代のアメリカ深夜トーク界の激震のグラウンド・ゼロにいた中心人物として、最も甘い汁を吸ったとも辛酸を嘗めたとも言えるのが、オブライエンだ。 

 

紆余曲折を経て、2010年にケーブル・チャンネルのTBSで夜11時から毎夜のトーク・ショウ「コナン」のホストの座に着いたオブライエンだったが、成績は、ひいき目に見ても鳴かず飛ばずという印象を超えるものではなかった。10年近く経って1時間番組が30分番組になり、そしてこのほど、番組最終回の放送が発表になった。 

 

2年前の規模縮小に加え、今回の番組最終回が、コロナウイルスの蔓延と大きく関係しているのは間違いないところだろうと思う。ただでさえマイナー・チェンジしてまだ完全に軌道に乗ったとは言えないところに、パンデミックだ。小さくなったステュディオ内に客を入れるどころか、他の深夜トーク同様、自宅収録を余儀なくされた。これでさらに新規視聴者獲得が難しくなったのは想像に難くない。結局、このショート・ヴァージョンも諦めざるを得なくなり、番組継続を断念した。 

 

番組最終回を放送する週のゲストは、月曜がビル・ヘイダー、火曜がセス・ローゲン、水曜がデイナ・カーヴィ、そして最終回の木曜がジャック・ブラックという布陣。とはいえそれだけではなく、馴染みのあるニック・オファーマンが顔を出したり、最終回ではウィル・フェレルがズームで登場した。もちろんフェレルは、オブライエンがNBCで「トゥナイト (Tonight)」を辞めた時の特別ゲストでもあった。この手のけじめの回ではお約束となっていたトム・ハンクスがいないのは残念なところ。 

 

新フォーマットになっていなくなっていたジミー・ヴィヴィノとベイシック・ケーブル・バンドも、最後の8エピソードだけ復活している。狭いステージに強引にバンドを詰め込んだという感じだが、やっぱりバンドが入る方が盛り上がる。 

 

最終回は、本来なら夜11時から30分枠の番組が、この日に限り夜10時から1時間の特別枠で編成された。オープニングはFOXの「ザ・シンプソンズ (The Simpsons)」のホーマーが、TBSの社員としてオブライエンに退社インタヴュウするというアニメーションで幕開け。 

 

最終回の大部分をこれまでの総集編みたいなセグメントが占めており、さすがにこれだけの歴史があると、なかなか印象的なシーンが結構ある。登場の仕方が段々派手になってきたザック・ガリフィアナキスが、最後にはアンディ・リクターの身体の中から姿を現すという演出は、笑えるというより気持ち悪いが、それでも印象的というのは間違いない。 

 

「コナン」にはスピンオフの「コナン・ウィズアウト・ボーダース (Conan Without Borders)」という特番シリーズがあり、オブライエンが世界の至るところまで足を伸ばして番組を収録している。2018年11月に日本に行った時は、「名探偵コナン」に因んで原作者の青山剛昌の出身地であり、「コナン・タウン」として知られる鳥取県北栄町まで足を運んでいる。ただし最終回では、その時のことではなく、日本における偽装家族ネタのセグメントが収録されている。 

 

オブライエンのキャリアは、アメリカの深夜トークのホストとして最も大きな激動を経験したわけだが、幸か不幸かこれで終わりではない。TBSの「コナン」こそ最終回を迎えたが、実は、もう既に今後、TBSと同じワーナーメディア系列のHBO Maxで、ウィークリーのトーク・ヴァラエティ・ショウを持つことが発表になっている。既にオブライエンのキャリアは勝ち組か負け組みか単純に二分できるようなものではなくなっているが、これからもさらに、キャリアの変転を経験することだけは間違いなさそうだ。 

 


 











< previous                                    HOME

 
 
inserted by FC2 system