101 Ways to Leave a Game Show   101ウェイズ・トゥ・リーヴ・ア・ゲーム・ショウ

放送局: ABC

プレミア放送日: 6/21/2011 (Tue) 21:00-22:00

製作: エンデモル・ノース・アメリカ

製作総指揮: マット・クニツ

ホスト: ジェフ・サトペン


Family BrainSurge   ファミリー・ブレインサージ

放送局: ニコロデオン

「BrainSurge」プレミア放送日: 9/28/2009 (Mon)

プレミア放送日: 7/18/2011 (Mon) 20:00-20:30

製作: ニコロデオン

製作総指揮: デイヴィッド・ハーウィッツ

ホスト: ジェフ・サトペン


内容: 勝ち抜きクイズ・ゲームだが、誤答して追放される回答者が物理的に派手に追い出されるのが見もののリアリティ・ショウ「101ウェイズ・トゥ・リーヴ・ア・ゲーム・ショウ」と、家族向けの健全な記憶力勝負のゲーム・ショウ「ファミリー・ブレインサージ」。


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ニコロデオンの子供向けゲーム・ショウ「ブレインサージ」は、一昨年から始まっている。記憶力を試すゲームをいくつか集め、何人かで競わせるものだ。元々は子供たち一人一人で競っていたが、第3シーズンとなる今年、父か母と一緒にゲームに挑む特別編「ファミリー・ブレインサージ」を放送した。


ゲームはほとんどが記憶力を試すもので、要するにトランプの神経衰弱のヴァリエーションみたいなゲームがずらりと並ぶ。そしてもちろん、この種の単純な遊びって、結構熱中する。とはいえ、やはり子供向け番組だし、2年前に一度見たきり、特に気にしていたわけではなかった。


それが今回、わざわざ番組について書いているのは、今回、家族構成の「ファミリー・ブレインサージ」を放送するということで、久しぶりに番組をチェックして情報を収集している時に、これが東京放送の「ブレインサバイバー」のリメイクであることを知ったからだ。これまたジャパニーズ・ゲーム・ショウのリメイクだったか。


「ブレインサバイバー」は東京放送が2002年に3度特番編成で放送したゲーム・ショウで、石橋貴明がホストを務めた。こちらの方は特に子供向けというわけではなく、大人でも楽しめるゲーム・ショウとして製作されたようだ。


「ファミリー・ブレインサージ」の場合、二人一組で5組の親子が登場して記憶力を競う。ステージ毎に、最も点数の低いチーム、あるいは途中で答えを間違えたチームが追放される。最初のレヴェル1は「ブレイン・ティーズ」と題され、ヴィデオを見せられ、その後にその内容に関して記憶力を競う。最終的に最も誤答したチームがここで篩いにかけられる。


次のレヴェル2は「ブレイン・ファート」つまり頭のおならで、これまたヴィデオを見せられて記憶を試されるが、単純に正答数の多さで得点を競った「ブレイン・ティーズ」と異なり、今回は一度間違えると巨大なおならの音がして、親子で便器に座ったまま即座に追放される。ここで二組が追放され、残った二組で最後の勝者を決める「ノックアウト・ラウンド」に入る。


ほとんどトランプの神経衰弱みたいなノックアウト・ラウンドに勝ってこの回で優勝すると、賞品をもらえるとともに、最後の「ブレイン・トリップ」と題されたボーナス・ステージで、さらにいくつかの景品賞品がもらえる。参加チームは途中、「ブレイン・トラスト」と題して観客席の家族から助言を受けることも可。追放されるチームは、「ブレイン・ドレイン」と題された泡泡にまみれた滑り台を滑り降りて退場する。番組の最後は、ニコロデオン番組の定番である緑色のスライムがありとあらゆるところに振りまかれて、参加者全員スライムまみれで終わる。


一方、ABCの「101ウェイズ・トゥ・リーヴ・ア・ゲーム・ショウ」は、ゲーム・ショウといえどもネットワーク放送の、ゲーム・ショウというよりは勝ち抜きサヴァイヴァルという体裁に近く、どちらかというと、害のない「ブレインサージ」とはあまり共通点は見当たらない。なのになぜわざわざ今回この2本の番組を同じ項で一緒に書いているかというと、実はこの2本、両方とも同じ人物が番組ホストを担当しているのだ。


その人物、ジェフ・サトペンを「ブレインサージ」で目にした時は、「100ウェイズ」で見たばかりだったので、思わず、あっ、こいつ、こんなとこにも出ている、と印象に残った。「100ウェイズ」は、「ブレインサージ」同様のゲーム・ショウで、簡単なクイズに答えて勝ち抜きで毎回勝者を決める。しかし「100ウェイズ」の場合、途中で負けて脱落していく者を追放する方法に、番組のポイントがある。


参加者は毎回8名で、それが2チームに分かれ、交互にラウンドを進める。最初簡単な数字当て問題を出し、正答に近い者から正式な設問に答える優先順位を得る。例えば最初の数字当て設問は、2006年にウィリアム・シャトナーは自分の腎臓結石を売ったが、それはいくらで売れたかというもの。答えは75,000ドルだが、はっきり言ってそんなの誰もわかるはずがない。100万ドルと書いたのもいたし、1,500ドルと書いたのもいた。


それで次の問題に答える順番を決めた後、正式な設問は、iTunesのアプリケーション・ストアで買えるものを次の4択から選べというもので、1、元彼がどこにいるかを探すロケーター・ソフト、2、赤ん坊の泣き声翻訳ソフト、3、指用のトレッドミル、4、蚊よけソフト、で、うーん、どれも本当にありそうに見えるが、しかしこのうちの一つはまったくの捏造だ。さすがに4の蚊よけ用アプリというのはないかもとも思うが、しかし本当にあるひっかけかもしれん。うーん、わからん。


まず、2と3は実在すると種明かしして、どちらかが間違っている1と4を選んだ二人が、複葉機の機体の上に立ったまま固定される。おっ、これ、もしかして飛行機の上に立たせたまま飛ばすわけ? という期待通り、さて、答えは‥‥とやって、実在しない元彼ロケーターと答えた女性が立たされているプロペラ機が離陸して、彼女は機体ごとどこかへ連れ去られていった。助けてーと叫ぶその口が、風のためにほっぺたが膨らみ、歯茎がむき出しになって、可愛い子ちゃんが台無しになってしまうところがまたおかしい。彼女はそれきり番組から消え、二度と登場しなかった。失格者には情け無用なのだ。


その後も「101ウェイズ」という番組のタイトル通り、脱落者を追放する者に焦点を絞り、走っているトラックの車上にくくりけられたまま向こう側に落としたり、踏み切り台からジャンプして半回転して大破炎上するクルマの中に固定されたり、頭上高くロケット発射で吊り上げられたりと、なかなか楽しませてくれる。やはり敗者にはお仕置きしないと。


参加者を4人まで篩い落とした後、最後は高さ30mのプールの上で設問に答えさせ、間違えた者から下に落とす。ワイヤーで吊っているから完全な自然落下ではないだろうが、それでも高所恐怖症の気がある私にはまったく向かないゲームだ。一度代々木のオリンピック・プールで、10mプラットフォームの上に立ったことがあるが、こりゃダメだと思って飛び込まずに梯子を伝って下りたことがある。それが30mか。下見ただけで目が眩みそうだ。


その後のエピソードでも、沈むボートに乗せられたり大砲の中に入って打ち上げられたり、クルマの中でトラックにクラッシュされたり、ヘリコプタで天高く吊り上げられたりして失格者は消えていく。個人的には、何かに吊り下げられたまま空を飛んでいなくなるというシチュエイションが、最も笑えた。参加者がびびればびびるほど、こちらは笑える。


こうやって最後まで勝ち抜いたそのエピソードの勝者が獲得する賞金は5万ドルで、これは同じABCの「ワイプアウト (Wipeout)」の勝者が獲得する賞金と一緒だ。「101ウェイズ」は英BBC製番組のリメイクで、これの勝者の獲得賞金は1万ポンド、約120万円だから、約400万円のアメリカ版の方が賞金が高い。乱暴な計算だが、CBSの「サバイバー (Survivor)」で、14話放送して勝者が100万ドルを獲得するとして、1話当たりの賞金は7万ドル強だ。


あるいは、NBCの「アメリカズ・ガット・タレント (America’s Got Talent)」の場合、やはり優勝者の賞金は100万ドルだが、エピソード数がシーズンによって激しく異なる。第1シーズンなんかはたった16エピソードしかないのに、現在はその倍の32エピソードある。32エピソードを100万ドルで割ると、1エピソードあたりの賞金は3万ドル強にしかならない。1エピソード当たりの製作費は思ったより安くついている。まあ、こんな計算しているのは私だけか。


実は「ブレインサージ」も、脱落していく参加者に対しては、それなりのペナルティ、というかお仕置きみたいなものがある。泡まみれになるブレイン・ドレインや、大きなおなら音と共に場内から姿を消すブレイン・ファートは、ちょっと敗者をおちょくっている。むろんブレイン・ドレインなんかは、逆にそれが遊戯的で楽しいとも言えるが。


それが「100ウェイズ」ではもっと積極的に敗者をいたぶってやろうみたいなノリになるわけだが、それとて、スリル好きやジョット・ローラー・コースター大好きというような人間には、むしろ私もやりたいと思えるかもしれない。飛行機の上に立って空を飛ぶなんていう経験は、誰にでもできるものではないのだ。


ホストのサトペンは、当然だが明らかに「ブレインサージ」より「100ウェイズ」の方でもっとねちねちと参加者をいたぶって喜んでいる。それでも、相手をいたぶりながらも陰気にならないキャラクターによって、両番組に起用されたのだろうということがよくわかる。








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101 Ways to Leave a Game Show

101ウェイズ・トゥ・リーヴ・ア・ゲーム・ショウ   ★★1/2

Family BrainSurge

ファミリー・ブレインサージ   ★★1/2

 
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