Domino Masters   ドミノ・マスターズ 

放送局: FOX 

プレミア放送日: 3/9/2022 (Wed) 21:00-22:00 

製作: ザ・ジャッカル・グループ、FOXオールターナティヴ・エンタテインメント 

製作総指揮: ゲイル・バーマン、デニー・シュレイダー 

ホスト エリック・ストーンストリート 

ジャッジ: ダニカ・マッケラー、ヴァーノン・デイヴィス、スティーヴ・プライス 

ナレーター: ジョー・バック 

 

内容:  

勝ち抜きドミノ製作コンペティション。 


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Domino Masters


ドミノ・マスターズ

FOXが放送するコンペティション系リアリティ・ショウとしては、ドミノ製作を競う「ドミノ・マスターズ」以前に、LEGO製作を競う「レゴ・マスターズ (LEGO Masters)」があった。レゴでこんなに複雑なものが作れるのかという、驚き満載の番組だ。 

 

「ドミノ・マスターズ」は、わりと人気のあった「レゴ・マスターズ」路線を継承していることは言うまでもない。そして「ドミノ・マスターズ」が「レゴ・マスターズ」よりTVに向いていると思えるのは、もちろんドミノというゲームの体裁上、最後にはドミノ倒しがクライマックスになるからだ。 

 

番組では、たぶん二日間、計16時間をかけて、テーマに沿って3人組の4ティームがドミノを製作する。ジャッジ判断で毎回2ティーム、もしくは1ティームが脱落していく。優勝ティームの賞金は10万ドル。 

 

かつてNBCの勝ち抜きタレント発掘リアリティの「アメリカズ・ガット・タレント (America's Got Talent)」で、ドミノで出場してきた参加者がいた。わりと面白かったが、何時間もかかる製作自体を見せるわけには行かず、見せる時はドミノ倒しの瞬間だけだった。 

 

実際ドミノなんて、製作そのものはまったく地味で絵にならない。全員下向いてなにかちまちましたものを並べているだけだ。ところがどっこい、それがある瞬間、ずだだだーっという効果音が響き、全員がはっとする。ちょっとしたミスで、誰かがこれまで並べてきたドミノを倒してしまったのだ。 

 

いったん倒れ始めたドミノを食い止めるには、先の方のどこかでドミノを外すしかないが、どこで外すかを一瞬で判断しなければならない。判断を間違えれば、その場で一巻の終わりだ。もしそれが制限時間ぎりぎりで起こってしまうと、かなりの部分を端折って製仕上げざるを得ない。 

 

あるエピソードでは、ドミノを並べている途中で、中年のおっさんがいきなり泣き出してしまった。あまりものストレスとプレッシャーで耐えられなくなったのだ。見ているこちらも段々緊張して手に汗握るようになる。確かに作業自体は地味なのだが、そのプレッシャーたるやいかなるものか。例えばよくあるクッキング・コンペティションだと、実際のコンペティション、つまり調理時間はせいぜい1時間、多くても2時間くらいだろうが、ドミノ製作はそれが間隙なく丸々二日間続く。 

 

そしてクライマックスは、もちろんこれまで根を詰めて並べてきたドミノを倒すドミノ倒しだ。16時間の作業の集積を、1分でちゃらにしてしまう。いやが上にもエキサイトメントが増す。2日間の労苦が一瞬で瓦解する様を一言で表すと、カタルシスだ。ホストのエリック・ストーンストリートが「トップル・タイム」と宣言し、ドミノが倒れ始める。 

 

見ていると、よくこんなのがドミノでできるよなと思える、創意工夫に富んだドミノ倒しが展開する。なかなかどうして、ドミノ倒しがこんなに興奮させてくれるもんだとは思わなかった。失敗して途中でドミノが止まったりすると、製作ティームだけでなく、その場の全員の落胆する空気が伝わってくる。もちろんTVで見ている視聴者だってそうだ。しかしこの番組、地震の多い日本でリメイクされる可能性は皆無だろう。 


 


 








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