アメリカン・ソング・コンテスト   American Song Contest 

放送局: NBC 

プレミア放送日: 3/21/2022 (Mon) 20:00-22:00 

製作: アメリカン・ソング・コンテスト・インク、ユニヴァーサルTV 

製作総指揮: ベン・シルヴァーマン、ハワード・オーウェンス 

ホスト: ケリー・クラークソン、スヌープ・ドッグ 

  

内容: ヨーロッパで人気のユーロヴィジョンを模してアメリカで製作するオリジナル・ソング・コンペティション。 


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American Song Contest


アメリカン・ソング・コンテスト

ユーロヴィジョン・ソング・コンテストの話はアメリカでも結構よく聞く。ヨーロッパの国別対抗のオリジナル・ソング・コンテストで、なんでもヨーロッパでは絶大な人気を誇るらしい。アメリカではその人気に目をつけたNBCが、系列のストリーミング・サーヴィスのピーコックで録画を提供している他、Netflixがそれこそ「ユーロビジョン歌合戦 (Eurovision Song Contest)」という、まんまのタイトルのコメディ映画を、ウィル・フェレルとレイチェル・マクアダムス主演で製作している。 

 

そして今回NBCが提供するのが、そのユーロヴィジョンのアメリカ版である、「アメリカン・ソング・コンテスト」だ。ユーロヴィジョンは国別対抗だが、アメリカン・ソング・コンテストはそれを州別対抗という趣向にして製作する。実際にはアメリカ50州だけでなく、それにプエルトリコやアメリカン・サモア等の統治領、およびワシントンDCを含めた56代表によって競われる。 

 

5回ある予選ではだいたい10州前後の代表が登場し、毎回各州代表の審査員の投票によって1州、および視聴者投票による3州、合わせて4州代表が準決勝に進む。準決勝でも同様に投票し、最終回では残った10州代表によって決勝が行われる。 

 

ホストはケリー・クラークソンとスヌープ・ドッグで、クラークソンはNBCのこの手の歌番組には欠かせないパーソナリティになっている。この後すぐ、コーチを務める「ザ・ヴォイス (The Voice)」の新シーズンが始まるんじゃないのと思っていたら、さすがに「ザ・ヴォイス」は降板するそうで、代わりにコーチを務めるのはカミーラ・カベヨだそうだ。いくらなんでも若過ぎるんじゃないかと、これはこれでまた気になる。一方、いつでもマリファナ吸っているような印象があるスヌープ・ドッグも、こういう家族向け番組でホストをするようになったかという感強し。 

 

さて、番組はオリジナル・ソングのコンペティションであり、全員オリジナル・ソングを歌う。つまりすべて初めて聴く曲だ。一方、その歌を歌うシンガーは、ほとんどは初めて見る顔なのだが、ヴェテランもいる。なかでも一番のヴェテランは、これはもう誰が見てもコネティカット代表のマイケル・ボルトンであるのは間違いないだろう。 

 

基本的に活躍したのは1980年代というあまりにも昔の人なので、私の女房なんかは名前を知らず、ボルトンって誰? って最初私に聞いてきたくらいだ。私がYouTubeで探し出して「男が女を愛する時  (When a Man Loves a Woman)」と「ウイズアウト・ユー (How Am I Supposed to Live Without You)」を聴かせると、あ、それ知ってるという。当然だ。こんな大ヒット曲、私と同じ年代で聴いてない奴がいるわけがない。そういうシンガーも出ている。 

 

かと思えば、上にも書いた「ザ・ヴォイス」の2015年の第9シーズンのウィナー、ジョーダン・スミスがケンタッキー代表で出ている。因みにこの時の「ザ・ヴォイス」にはまだクラークソンは出ていなかった。彼女が「ザ・ヴォイス」のコーチを務めるのは、2018年の第14シーズンからだ。 

 

全員オリジナル曲を歌うので、わりとキャッチーな曲作りをすると、耳に残りやすい。また、ステージングも大切で、結構衣装やダンス、大道具に凝るシンガーは多い。かと思うとシンプルに歌だけで勝負、みたいなシンガーもいて、それぞれだ。 

 

てなわけで私たち夫婦は、最初の段階ではテキサス代表のグラント・ノッキの「ミスター・インデペンデント (Mr. Independent)」や、ノース・ダコタのクロイ・フレデリクスの「キャント・メイク・ユー・ラヴ・ミー (Can't Make You Love Me)」なんていいと思っていた。 

 

一方、ワシントン代表のアレン・ストーンの「ア・ビット・オブ・ボッス (A Bit of Both)」なんて、別にフツーだが、やたらと審査員票が入って、あれよあれよという間にファイナル進出になる。いったいなんでこんなに推されるわけと思っていたのだが、3回も聴かされると実際結構いい曲というのがわかってきて、このよさを一度聴いただけでわかるプロってのはやっぱりなかなかどうして大したもんだと思わされた。 

 

ところがストーン、ファイナルでも審査員票発表の段階まではほぼ断トツの強さを発揮していたものの、これに視聴者投票が加味され始めると、どんどん先を越され始める。そして圧倒的に視聴者受けしたのが、オクラホマ代表のアレクサが歌った「ワンダーランド (Wonderland)」だ。韓国系の女の子で、アニメ風の衣装・ダンス、キャッチーな音楽と、ヴィジュアル売れ線系まっしぐらというところがもろ視聴者のツボにはまったようだ。個人的には、ラストで奈落に向かって後ろ向きに落ちて行くという演出をまったく同じで3回も見せられると、今度は飽きてしまったのだが、視聴者票獲りまくりで、圧倒的大差で第1回ウィナーに輝いた。この番組、来年第2シーズンあるのかな。 

 


 









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