2004年7月15日に発表のあった第56回プライムタイム・エミー賞 (56th Annual Emmy Awards) のノミネート番組から、受賞番組を予測。受賞発表は9月19日。
今回のエミー賞ノミネーションで真っ先に気づくのは、先頃派手な盛り上がり方をして最終回を迎えたわりには、コメディ部門で落選してしまった「フレンズ」の不在。同じく最終回を迎えた一方の「Sex and the City」がちゃんとノミネートされているのに、やはり「フレンズ」は人気のわりにはありがたがられていなかったというのは、一般視聴者、関係者を問わずあったようだ。結局「フレンズ」からは、主演男優と女優部門で、マット・ルブランクとジェニファー・アニストンがノミネートされるに留まった。
ドラマ部門では「ソプラノズ」強し。「ホワイトハウス」の後光が薄れてきた現在、やはり中核になるのはこの番組しかあるまい。それにしてもTV映画/ミニシリーズでの、HBOの「エンジェルス・イン・アメリカ」の、この圧倒的な強さは何だ。ただでさえこの種のロング・フォーム番組の製作数が年々少なくなってきた現在では、昨年これが出てきた時に、ああ、来年のエミーはこいつが独占するだろうなあとは思ってはいたが、いざノミニーが発表されてみると、まったく他を寄せつけない。おかげで予想するのは簡単だが、意外性という点で盛り上がりには欠けるとも言える。
こういう、毎年毎年同じ番組がノミネートされることが多く、変化に乏しいと言われるエミー賞を改善しようと、今年からエミー会員の初期投票では、例年の5本ではなく10本の推薦番組を記入するという方法がとられた。これによって、ノミネートされにくい新番組にも可能性が広がるという触れ込みになっていたんだが、蓋を開けてみると、実際にノミネートされた新番組は、ドラマでは「ジョーン・オブ・アーケイディア」と、コメディでは「アレステッド・デヴェロップメント」の2本のみとなった。しかし、しょうがないよねえ。いったんはできがよいと認められた番組がすぐ来年には落選するなんてのは、逆にTV界にとってもよくないことだと思うし。
さて、今回の私の予想は:
コメディ・シリーズ助演男優 (Supporting Actor in a Comedy Series)
ピーター・ボイル (「Hey! レイモンド (Everybody Loves Raymond)」CBS)
ブラッド・ガレット (「Hey! レイモンド」CBS)
ショーン・ヘイズ (「ウィル&グレイス (Will & Grace)」NBC)
デイヴィッド・ハイド・ピアース (「フレイジャー (Frasier)」NBC)
ジェフリー・タンバー (「アレステッド・デヴェロップメント (Arrested Development)」FOX)
昨年とほとんど同じ面々だが、昨年6人ノミネートされた中の「マルコム」のブライアン・クランストンと「フレイジャー」のジョン・マホニーが去り、代わって「アレステッド・デヴェロップメント」のタンバーがノミニー入り。文句ないし、受賞するのもタンバーだと思う。
コメディ・シリーズ助演女優 (Supporting Actress in a Comedy Series)
キム・キャトラル (「Sex and the City」HBO)
クリスティン・デイヴィス (「Sex and the City」HBO)
メーガン・ムラリー (「ウィル&グレイス」NBC)
シンシア・ニクソン (「Sex and the City」HBO)
ドリス・ロバーツ (「Hey! レイモンド」CBS)
「Sex and the City」の面々が交互にノミネートされるこのジャンル、今回はついに最終回を迎えたこともあって、サラ・ジェシカ・パーカーが主演に、その他の3人も揃って助演女優でノミネートされた。ただし、私自身はあまりこの番組を買ってなく、受賞はまたしてもロバーツだと思う。もし「Sex」から誰か選ばれるとしたらキャトラルか。
ドラマ・シリーズ助演男優 (Supporting Actor in a Drama Series)
スティーヴ・ブシェミ (「ザ・ソプラノズ (The Sopranos)」HBO)
ブラッド・ドーリフ (「デッドウッド (Deadwood)」HBO)
ヴィクター・ガーバー (「エイリアス (Alias)」ABC)
マイケル・インペリオリ (「ザ・ソプラノズ」HBO)
ジョン・スペンサー (「ザ・ホワイトハウス (The West Wing)」NBC)
昨年、番組で派手な殺され方をして受賞したパントリアーノの代わりに新しくノミネートされた「ソプラノズ」のブシェミであるが、彼の受賞はあるまい。今回の彼の殺され方は、あまりにも (番組としては) 普通すぎた。ここはまたガーバーを推したいところなんだが、これだけ経ってもとれないとこをみると、今年もあまりチャンスはなさそうだ。というわけで、ここは穴狙いでドーリフ。実はこちらの方も、西部劇「デッドウッド」から助演でノミネートされてくるのはドーリフではなく、イアン・マクシェインの方だとばかり思っていたんだが。
ドラマ・シリーズ助演女優 (Supporting Actress in a Drama Series)
ストッカード・チャニング (「ザ・ホワイトハウス」NBC)
タイン・デイリー (「ジャッジング・エイミー (Judging Amy)」CBS)
ドレア・デ・マテオ (「ザ・ソプラノズ」HBO)
ジャネル・モロニー (「ザ・ホワイトハウス」NBC)
ロビン・ワイガート (「デッドウッド (Deadwood)」HBO)
わりと動きのあったこのカテゴリーであるが、ここはもう、「ソプラノズ」のたった一人の良心と言われながら、ついに殺されてしまったマテオしかいないでしょう。とはいえ、彼女は本当に殺されてしまったのか? 早く最終シーズンが見たい。
ミニシリーズ/TV映画助演男優 (Supporting Actor in a Miniseries or Movie)
ジャスティン・カーク (「エンジェルス・イン・アメリカ (Angels in America)」HBO)
ウィリアム・H・メイシー (「スティーリング・シナトラ (Stealing Sinatra)」ショウタイム)
ベン・シェンクマン (「エンジェルス・イン・アメリカ」HBO)
パトリック・ウィルソン (「エンジェルス・イン・アメリカ」HBO)
ジェフリー・ライト (「エンジェルス・イン・アメリカ」HBO)
5人のノミニー中4人を「エンジェルス・イン・アメリカ」勢が占めた。逆にこうなってしまうと予想がしにくい。このうちの誰かが特によかったとも悪かったとも言えないからだ。ここはやはり貫禄でアル・パチーノかなと思っていたが、彼は主演の方でノミネート。彼が主演で他の俳優が助演という区別はどこで? とも思うが、まあ、この辺がネイム・ヴァリュウというものだろう。いずれにしてもここでは、唯一オリジナルの舞台にも出ていたライトというのが筋だろう。
ミニシリーズ/TV映画助演女優 (Supporting Actress in a Miniseries or Movie)
ジュリー・アンドリュース (「エロイーズ・アット・クリスマスタイム (Eloise at Christmastime)」ABC)
アン・ヘイシュ (「グレイシーズ・チョイス (Gracie's Choice)」ライフタイム)
アンジェリカ・ヒューストン (「アイアン・ジョウド・エンジェルス (Iron Jawed Angels)」HBO)
アンジェラ・ランズベリー (「ザ・ブラックウォーター・ライトシップ (The Blackwater Lightship)」CBS)
メアリ-ルイーズ・パーカー (「エンジェルス・イン・アメリカ」HBO)
この部門は「エンジェルス・イン・アメリカ」から一人しか選出されていないので、迷わずパーカー。メリル・ストリープはともかく、エマ・トンプソンはこちらでノミネートされる可能性の方が高く、そうなればパーカーかトンプソンか難しいと思ったんだが。
ヴァラエティ/ミュージック/コメディ・シリーズ (Variety, Music or Comedy Series)
「シャペルズ・ショウ (Chappell's Show)」コメディ・セントラル
「ザ・デイリー・ショウ・ウィズ・ジョン・スチュワート (The Daily Show with Jon Stewart)」コメディ・セントラル
「レイト・ナイト・ウィズ・コナン・オブライエン (Late Night with Conan O'Brien)」NBC
「レイト・ショウ・ウィズ・デイヴィッド・レターマン (Late Show with David Letterman)」CBS
「サタデイ・ナイト・ライヴ (Saturday Night Live)」NBC
昨年ノミネートされていた「ザ・トゥナイト・ショウ・ウィズ・ジェイ・レノ (The Tonight Show with Jay Leno)」の代わりに、コメディ・セントラルの「チャペルズ・ショウ」が入ってきた。これは「チャペルズ・ショウ」が特に面白いかということよりも (まあ、かなり笑えることは事実だが)、唯一の黒人コメディアンとして番組ホストを担当しているデイヴ・チャペルに賞を上げたいという意識の表れのような気がする。その「チャペルズ・ショウ」が、昨年初受賞した「デイリー・ショウ」と争うんじゃないかという気が大いにするが、ここはやはり「デイリー・ショウ」の2連覇か。
ミニシリーズ/TV映画主演男優 (Lead Actor in a Miniseries or Movie)
アントニオ・バンデラス (「アンド・スターリング・パンチョ・ヴィラ・アズ・ヒムセルフ (And Starring Pancho Villa as Himself)」HBO)
ジェイムス・ブローリン (「ザ・レーガンズ (The Raegans)」ショウタイム)
モス・デフ (「サムシング・ザ・ロード・メイド (Somethng the Lord Made)」HBO)
アル・パチーノ (「エンジェルス・イン・アメリカ」HBO)
アラン・リックマン (「サムシング・ザ・ロード・メイド」HBO)
「サムシング・ザ・ロード・メイド」から主演の二人が二人共ノミネートされているが、「エンジェルス」のパチーノがいる限り、可能性はないだろう。
ミニシリーズ/TV映画主演女優 (Lead Actress in a Miniseries or Movie)
グレン・クロース (「ザ・ライオン・イン・ウィンター (The Lion in Winter)」ショウタイム)
ジュディ・デイヴィス (「ザ・レーガンズ」ショウタイム)
ヘレン・ミレン (「プライム・サスペクト6: ザ・ラスト・ウィットネス (Prime Suspect 6: The Last Witness)」PBS)
メリル・ストリープ (「エンジェルス・イン・アメリカ」HBO)
エマ・トンプソン (「エンジェルス・イン・アメリカ」HBO)
トンプソンは助演の方にノミネートさえされたならまだチャンスはあったかと思うんだが、ストリープ相手ではまず勝負になるまい。
TV映画 (Made for Television Movie)
「アンド・スターリング・パンチョ・ヴィラ・アズ・ヒムセルフ」HBO
「アイク: カウントダウン・トゥ・D-デイ (Ike: Countdown to D-Day)」A&E
「ザ・ライオン・イン・ウィンター」ショウタイム
「ザ・レーガンズ」ショウタイム
「サムシング・ザ・ロード・メイド」HBO
「ザ・レーガンズ」が最初CBSで放送予定だった時、4時間のミニシリーズとして編成されていたのだが、スキャンダル騒ぎで放送を断念、後にショウタイムで放送された時は3時間のTV映画になってしまった。基本的に同じ番組なんですけどね。放送されたチャンネルによって番組カテゴリーも変わってくるか。話題性は確かにあったが、しかしここは「サムシング・ザ・ロード・メイド」という気がする。
ミニシリーズ (Miniseries)
「アメリカン・ファミリー: ジャーニー・オブ・ドリームズ (American Family: Journey of Dreams)」PBS
「エンジェルス・イン・アメリカ」HBO
「ホレイショ・ホーンブロウアー (Horatio Hornblower)」A&E
「プライム・サスペクト6」PBS
「トラフィック: ザ・ミニシリーズ (Traffic: The Miniseries)」USA
昨年はたった3本の番組しかノミネーションがなかったこのカテゴリー、今年はちゃんと5本ノミネートされていて、まずはご同慶の至り。特にソダーバーグが演出した映画版で有名になった「トラフィック」の今回のミニシリーズはかなり面白かったんだが、しかし今年はとにもかくにも「エンジェルス」があるからな。「エンジェルス」は、私個人としてはちと同時代性や製作意図に疑問が感じられ、特に好きな番組だったというわけではないのだが、この話題性、製作規模、出演者のネイム・ヴァリュウ等、とにかくどれをとっても無視するわけには行くまい。今年は「エンジェルス」と一緒にノミネートされた他の番組の運が悪かったと思うしかないだろう。
コメディ・シリーズ主演男優 (Lead Actor in a Comedy Series)
ラリー・デイヴィッド (「カーブ・ユア・エンシューシアズム」HBO)
ケルシー・グラマー (「フレイジャー」NBC)
マット・ルブランク (「フレンズ (Friends)」NBC)
ジョン・リッター (「パパにはヒ・ミ・ツ (8 Simple Rules for Dating My Teenage Daughter)」ABC)
トニー・シャロウブ (「モンク (Monk)」USA)
昨年、撮影中に死去したためセンチメンタル・フェイヴァリットとしてノミネートされているリッターは、しかし、正直言って受賞の可能性はないと思う。ここは昨年に引き続きシャロウブ。
コメディ・シリーズ主演女優 (Lead Actress in a Comedy Series)
ジェニファー・アニストン (「フレンズ」NBC)
パトリシア・ヒートン (「Hey! レイモンド」CBS)
ボニー・ハント (「ライフ・ウィズ・ボニー (Life with Bonnie)」ABC)
ジェイン・カツマレク (「マルコム・イン・ザ・ミドル (Malcolm in the Middle)」FOX)
サラ・ジェシカ・パーカー (「Sex and the City」HBO)
よりにもよってこのカテゴリー、昨年受賞の「ウィル&グレイス」のデブラ・メッシングだけが今回ノミネート漏れ。とはいえそれもわからないではない。メッシングは昨シーズン、妊娠出産でほとんど主演らしい働きはしていなかったからだ。一方、今年最終回を迎えた2本の人気コメディ「フレンズ」と「Sex and the City」に主演していた二人の動向が気にかかるところだが、私としては、ここはノミネートされていながらも番組は既にキャンセル済みのハントにあげてやりたい。
ドラマ・シリーズ主演男優 (Lead Actor in a Drama Series)
ジェイムス・ガンドルフィーニ (「ザ・ソプラノズ」HBO)
アンソニー・ラパグリア (「ウィズアウト・ア・トレイス (Without a Trace)」CBS)
マーティン・シーン (「ザ・ホワイトハウス」NBC)
ジェイムス・スペイダー (「プラクティス (The Practice)」ABC)
キーファー・サザーランド (「24」FOX)
「ウィズアウト・ア・トレイス」のラパグリアと、新たに雇われ主演として番組を引っ張った「プラクティス」のスペイダーという新顔があるが、ここはやはりガンドルフィーニで動くまい。
ドラマ・シリーズ主演女優 (Lead Actress in a Drama Series)
イーディ・ファルコ (「ザ・ソプラノズ」HBO)
ジェニファー・ガーナー (「エイリアス (Alias)」ABC)
マリスカ・ハーギテイ (「ロウ&オーダー: スペシャル・ヴィクティムス・ユニット (Law & Order: Special Victims Unit)」NBC)
アリソン・ジェニー (「ザ・ホワイトハウス」NBC)
アンバー・タンブリン (「ジョーン・オブ・アーケイディア (Joan of Arcadia)」CBS)
今さらながら「SVU」のマーギテイがノミネートされており、新番組の「アーケイディア」のタンブリンと合わせ新顔が二人いるが、ここもやはり「ソプラノズ」のファルコだろう。
コメディ・シリーズ (Comedy Series)
「アレステッド・デヴェロップメント」FOX
「カーブ・ユア・エンシューシアズム」HBO
「Hey! レイモンド」CBS
「Sex and the City」HBO
「ウィル&グレイス」NBC
ゴールデン・グローブをとった「ジ・オフィス」がエミーにはノミネートされていないのは、放送されたエピソード数がエミー賞の規定に足りなかったからだそうだ。たとえ足りていようがいまいが、英国産番組で、しかもアメリカでは1年遅れでしか放送されていない番組を、アメリカでは初めて放送されているからと堂々とノミネートさせるくらいなら、現在、アメリカで放送されている番組で最も笑える番組ということをアメリカ人ですら認めている、「風雲! たけし城」こと「モスト・エクストリーム・エリミネーション・チャレンジ」をリアリティ部門でノミネートさせろ。というわけでこのカテゴリー、新顔は「アレステッド・デヴェロップメント」のみだが、その「アレステッド・デヴェロップメント」を推す。
ドラマ・シリーズ (Drama Series)
「C.S.I.」CBS
「ジョーン・オブ・アーケイディア」CBS
「ザ・ソプラノズ」HBO
「24」FOX
「ザ・ホワイトハウス」NBC
こちらの新顔は「ジョーン・オブ・アーケイディア」だが、コメディで新顔だが最も印象的な「アレステッド・デヴェロップメント」と異なり、「ジョーン」の方は、番組としてはちと弱いと思う。これが入っているのは、高齢のエミー会員が推しているからだろうが、受賞までいくのは無理だろう。誰の目から見ても既に峠は過ぎた「ホワイトハウス」が、いくらなんでも今回受賞するのもありえまい。というわけで、やっと念願の「ソプラノズ」の出番だろう。とはいえ、実は昨シーズンの「ソプラノズ」は、いつもに較べて特にできがよかったというわけではないのだが。しかも来春ついに最終シーズン! と思っていたら、先頃のHBO発表によると、「ソプラノズ」最終シーズンは再来年の2006年になるそうだ。2年も待たすのかよ。そりゃあないんじゃないの。
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以下はTVで中継されるエミー賞授賞式には含まれない、マイナーな部門の賞の予想。
近年流行りのリアリティ･ショウをうまく区分けするために、毎年このあたりのカテゴリーはマイナー・チェンジが行われている。昨年は「ノンフィクション (トラディショナル)」、「ノンフィクション (オールターナティヴ)」、それに「リアリティ/コンペティション」と、リアリティ・ショウ関係は3カテゴリーにわたってノミネートされていた。今年はノンフィクションのカテゴリーが、「ノンフィクション・スペシャル」と「ノンフィクション・シリーズ」と、基本的に単発かシリーズかで分けられ、さらに「リアリティ」というカテゴリーが新設されている。
ノンフィクション・シリーズ (Nonfiction Series)
「アメリカン・マスターズ (American Masters)」PBS
「バイオグラフィ (Biography)」A&E
「コールド・ケース・ファイルズ (Cold Case Files)」A&E
「インサイド・ジ・アクターズ・ステュディオ (Inside the Actors Studio)」ブラヴォー
マーティン・スコセッシが監修した「ザ・ブルーズ」が、「ヴァラエティ、ミュージック、コメディ・スペシャル」ではなく、「スペシャル・クラス」でもなく、なぜ「ノンフィクション・シリーズ」でノミネートされているかはやや疑問であるが、それでもこの番組の優位は動くまい。
リアリティ・プログラム (Reality Program)
「コロニアル・ハウス (Colonial House)」PBS
「エクストリーム・メイクオーヴァー: ホーム・エディション (Extreme Makeover: Home Edition)」ABC
「ペン&テラー: ブルシット! (Penn & Teller: Bullshit!)」ショウタイム
「プロジェクト・グリーンライト (Project Greenlight)」HBO
「クイア・アイ・フォー・ザ・ストレート・ガイ (Queer Eye for the Straight Guy)」ブラヴォー
昨年センセーショナルな話題を撒き散らした「クイア・アイ」と、「ホーム・エディション」の争いになるものと思われる。もちろん地味ながらも番組の質の高さで定評があるPBSの「コロニアル・ハウス」も忘れてはならないと思うが、ここは最近の視聴率の伸びが目立つ「ホーム・エディション」か。
リアリティ/コンペティション・プログラム (Reality/Competition Program)
「ジ・アメイジング・レース (The Amazing Race)」CBS
「アメリカン・アイドル (American Idol)」FOX
「ジ・アプレンティス (The Apprentice)」NBC
「ラスト・コミック・スタンディング (Last Comic Standing)」NBC
昨年、「コンペティション」と銘打たれているのに勝ち抜き系ではないリアリティ・ショウもノミネートされていたこのカテゴリー、今年は混乱も収まったようで、ちゃんと勝ち抜き系の番組が5本ノミネートされている。しかも、そのどれもが話題になったりして面白いので、予想に困る。「アイドル」、「サバイバー」は当然だし、昨シーズン話題をさらった「アプレンティス」も捨て難い。昨年ダーク・ホース的にこの賞をかっさらった「アメイジング・レース」連覇の可能性も無視できない。特に「レース」の現在放送中のシーズンは、身長1m20cmの、いわゆる小人の女性シャーラが人気で、多少はハンディキャップがあるかもしれないが、それでも人生前向きに楽しむ姿勢が人々の共感を呼んで、ますます人気を上げている。普通、リアリティ・ショウというものは、第1シーズンか第2シーズンが最も人気が高く、ピーク・レヴェルを維持できるのはせいぜい第3シーズンくらいまでだったりする。だからこそそれだけのシーズンを経てもまだ人気を維持している「サバイバー」や「アイドル」が面白いことを証明しているわけだが、「レース」に至っては、なんと現在放送中の第5シーズンで、番組として最高の視聴率記録を連続して叩き出している。第1シーズンから「レース」は面白いよと言ってきた私としては、当然溜飲が下がったわけだ。しかし、ここでエミーにノミネートされているのはこの第5シーズンではなく、当然昨年の第4シーズンなのだが、それでも、ここはやはり私は「レース」を推すぞ。Go Charla go!
アニメーション (Animated Program for Programming Less Than One Hour)
「フューチャラマ (Futurama)」FOX
「サムライ・ジャック (Samurai Jack)」カートゥーン
「ザ・シンプソンズ (The Simpsons)」FOX
「サウス・パーク (South Park)」コメディ・セントラル
「スポンジボブ・スクエアパンツ (SpongeBob SquarePants)」ニコロデオン
「サウス・パーク」がまた復活してきた。「サムライ・ジャック」は、実は2年前にプレミアのTV映画として1時間以上のアニメーションのロングフォーム部門でエミーを既に獲得している。「フューチャラマ」も過去の受賞番組の一つだ。というわけでこのカテゴリー、常勝「シンプソンズ」と併せなかなか予想は難しいのだが、ここは先シーズン、メル・ギブソンの「パッション」のパロディが話題を独占した「サウス・パーク」に一票。
