2006年8月27日に発表のあった第58回プライムタイム・エミー賞 (58th Annual Emmy Awards) 受賞番組と、私の予想成績と反省。



コメディ・シリーズ助演女優


私の予想: ジェイミー・プレスリー 「マイ・ネイム・イズ・アール」

受賞したのは: メーガン・ムラリー 「ウィル&グレイス」


ムラリーもありうると正しい方向で予想はしてんだけどねえ。



ドラマ・シリーズ助演男優


私の予想: グレゴリー・イツィン 「24」

受賞したのは: アラン・アルダ 「ザ・ホワイトハウス」


これまたどちらかというと功労賞的受賞だな。



ドラマ・シリーズ助演女優


私の予想: サンドラ・オー 「グレイズ・アナトミー」

受賞したのは: ブライス・ダナー 「ハフ」


いきなり3連敗。本当に助演部門は当たらない。



コメディ・シリーズ助演男優


私の予想: ジェレミー・ピヴン 「アントゥラージュ」

受賞したのは: ジェレミー・ピヴン 「アントゥラージュ」


やっと一つ返す。



ミニシリーズ/TV映画助演女優


私の予想: アルフレ・ウッダード 「ザ・ウォーター・イズ・ワイド」

受賞したのは: ケリー・マクドナルド 「ザ・ガール・イン・ザ・カフェ」


ここもダメだったか。



ヴァラエティ/ミュージック/コメディ・シリーズ (Variety, Music or Comedy Series)


私の予想: 「ザ・デイリー・ショウ・ウィズ・ジョン・スチュワート」

受賞したのは: 「ザ・デイリー・ショウ・ウィズ・ジョン・スチュワート」


スチュワート人気は侮れない。



ミニシリーズ/TV映画助演男優


私の予想: デニス・ロウソン 「ブリーク・ハウス」

受賞したのは: ジェレミー・アイアンズ 「エリザベス1世」


ここはまったくわからなかったからしょうがない。



ミニシリーズ/TV映画主演男優


私の予想: アンドレ・ブロウアー 「シーフ」

受賞したのは: アンドレ・ブロウアー 「シーフ」


このくらいは当たってもらわないと。



コメディ・シリーズ主演男優


私の予想: トニー・シャロウブ 「モンク」

受賞したのは:トニー・シャロウブ 「モンク」


今回初めて連続した当たった。



TV映画


私の予想: 「ザ・ガール・イン・ザ・カフェ」

受賞したのは: 「ザ・ガール・イン・ザ・カフェ」


正しく予想したというよりはHBO番組にしといてよかったという感じ。



リアリティ/コンペティション・プログラム


私の予想: 「アメリカン・アイドル」

受賞したのは: 「ジ・アメイジング・レース」CBS


さすがに今回はもうないと思ったのに。



ミニシリーズ


私の予想: 「ブリーク・ハウス」

受賞したのは: 「エリザベス1世」


やはりHBO番組強し。



ミニシリーズ/TV映画主演女優


私の予想: ジリアン・アンダーソン 「ブリーク・ハウス」

受賞したのは: ヘレン・ミレン 「エリザベス1世」


今年は「エリザベス1世」絡みの年だったか。



ドラマ・シリーズ主演女優


私の予想: キラ・セジウィック 「ザ・クローザー」

受賞したのは: マリスカ・ハーギテイ 「ロウ&オーダー: スペシャル・ヴィクティムス・ユニット (SVU)」


ハーギテイか‥‥ 私はここにはほとんど賛同できないなあ‥‥



コメディ・シリーズ主演女優


私の予想: リサ・クドロウ 「ザ・カムバック」

受賞したのは: ジュリア・ルイス-ドレイファス 「ザ・ニュー・アドヴェンチヤーズ・オブ・オールド・クリスティン」


またはずし癖がついてきた。



ドラマ・シリーズ主演男優


私の予想: デニス・リアリー 「レスキュー・ミー」

受賞したのは: キーファー・サザーランド 「24」


サザーランドって言っておきながらわざわざリアリーにしたのに。



コメディ・シリーズ


私の予想: 「アレステッド・デヴェロップメント」

受賞したのは: 「ジ・オフィス」


オリジナルを見れるのにわざわざ作ったリメイクなんか私は金輪際評価しない。



ドラマ・シリーズ


私の予想: 「グレイズ・アナトミー」

受賞したのは: 「24」


今年は「24」の年だったか。



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8月27日以前に発表のあったマイナー部門の受賞予測。



ノンフィクション・スペシャル


私の予想: 「インサイド9/11」

受賞したのは: 「ローマ: エンジニアリング・アン・エンパイア」


完全に筋を読み違えた。



ノンフィクション・シリーズ


私の予想: 「10デイズ・ザット・アンエクスペクティドリー・チェンジド・アメリカ」

受賞したのは: 「10デイズ・ザット・アンエクスペクティドリー・チェンジド・アメリカ」


焼け石に水って感じ。



リアリティ・プログラム


私の予想: 「ザ・ドッグ・ウィスパラー」

受賞したのは: 「エクストリーム・メイクオーヴァー: ホーム・エディション」


連覇で来たか‥‥



アニメーション


私の予想: 「フォスターズ・ホーム・フォー・イマジナリー・フレンズ」

受賞したのは: 「ザ・シンプソンズ」


最後の最後まで今年はもう‥‥





総評 (反省と今後の対策)


今年のエミーは22部門予想して当たったのはたった6部門と、勝率2割7分、ついに3割を切ってしまった。今年は筋読みが難しく、当たらなさそうだなとは思ってはいても、やはりねえ、最低でも勝率3割台は維持したかったというのが正直なところ。勝率は3割を切るかもと言っといてその通りになるところが、一応は傾向を正しくとらえているとは言えるか? 来年は捲土重来を期したい。


さて、今年のエミー賞は、例年通りの9月の新シーズンの到来直前ではなく、8月末に開催された。これはネットワークが毎年持ち回りで中継するエミー賞の、今年の順番がNBCに当たっており、しかもNBCは今年から新しく中継権を獲得したNFLのシーズンが9月頭から始まるため、自分たちの都合でエミー賞を8月に繰り上げたものである。


それはともかく、エミー賞は近年、なぜかしら事件と重なる。2001年の9/11、翌年のイラク戦争、昨年のハリケーン・カトリーナの影響等、中止か延期かで揉めたのも記憶に新しいが、今年はその前日、ケンタッキー州で50人乗り旅客機の墜落事故があり、副操縦士一人を除く全員が死亡した。原因は機を間違った滑走路に誘導した管制の不首尾にあった。


とはいえ、さすがにこれくらいでは、直接に関係があるわけではないエミー賞延期という風には普通はならない。それが問題になったのは、冒頭の今年のホストのコナン・オブライエンによるギャグ・スケッチが、「ロスト」の飛行機事故をパロったものだったためである。さすがにそういう現実の事故の直後に、飛行機墜落をパロディに仕立てたギャグ・スケッチというのはまずかった。


それでもこの部分はだいぶ前に既に収録を終えている部分であり、せめて事故が一週間前ならともかく、前日に起こった事故に合わせて撮り直したり内容を差し替えるという余裕はNBCにはなかった。それでそのまま放送しちまったわけだが、やはり世論は黙っていなかった。後日NBCは考慮が足りなかったと謝罪するはめになっちまったわけだが、しかし、これはNBCはちょっと可哀想だったと思う。


一方、そういうちょっとしたごたごたを除くと、実は今年のエミーはわりとよくまとまっていたと思う。冒頭のパロディ・シークエンスも、「ロスト」部分を含め、非常によくできていた。飛行機墜落のため孤島に落ちたオブライエンが、「ロスト」出演者の一人であるホーゲイ・ガルシアと共に謎のハッチからたぶんエミー賞の会場に降りていこうとして、ガルシアが、今年はエミー賞にノミネートされておらず、招待されてないから行けないんだと呟くところは、皮肉が利いていて大いに笑えたし、オブライエンが「ハウス」のヒュー・ローリーから、白子、年齢不詳と診断されるのも笑ってしまった。


本編に入っても、長い受賞スピーチを阻止するため、ガラス製個室に入れられたボブ・ニューハートが登場し、この個室の中の酸素は3時間分しかありません。スピーチが長くなって式が3時間以内に終わらなかった場合、ニューハートは死んでしまいますと脅す件りもなかなかで、昨年、得意の喋りを封じられて冴えなかったエレン・デジェネレスのホストより、今年の方ができがよかった。オブライエンは自分の深夜トークの「レイト・ナイト」でも、これくらい毎回できたら視聴率も上がるのに。


今回最も印象的だったのは、先頃物故したアーロン・スペリングを追悼するために、オリジナルの「チャーリーズ・エンジェルス」であるファラ・フォーセット-メジャーズ、ケイト・ジャクソン、ジャクリン・スミスの3人が揃って登場したことだろう。「エンジェルス」でスーパースターとなったフォーセット-メジャーズだが、途中で番組を抜けたことによって訴訟問題にまで発展したために、以降この3人はほとんどプライヴェイトでも会うことはなかったらしい。公の場で3人が揃うのは非常に稀、というか、番組終了以降は今回がたぶん初めてだったそうだ。


そんなこんなで今年のエミーも一応無事に終わったわけだが、やはり一番の問題は式次第ではなく、受賞/ノミネート番組を決めるルールの改定にあったと言えよう。とりこぼしがないようお目付け役を設けたのはいいが、それが機能しているどころか、むしろ誤作動しているとしか思えないところに問題がある。セレモニー冒頭でオブライエンがギャグとして言っていたように、番組にたった14秒しか出演していないのにTV/ミニシリーズの助演女優でノミネートされたエレン・バースティンという例は、当然そこで篩いにかけられなければならない。とりこぼしがないように監視するだけではなく、その逆にも目を光らせなければダメだ。一方で当然ある程度の票は集まっていたはずのヒュー・ローリーをドラマの主演男優のノミネーションにすべり込ませることができないのなら、そういう機構はそもそも存在する意味がない。ま、それなりに色々考えていることは認めるが、今後、更なる進歩向上を望むものである。






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第58回プライムタイム・エミー賞受賞番組発表

 
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