スター・ジョーンズ (Star Jones)

放送局: コートTV

プレミア放送日: 8/20/2007 (Mon) 15:00-16:00

ホスト: スター・ジョーンズ


ザ・ヴュウ (The View)

放送局: ABC

第11シーズン・プレミア放送日: 9/4/2007 (Tue) 11:00-12:00

ヴィエイラ・エピソード放送日: 10/8/2007 (Mon) 11:00-12:00

ホスト: バーバラ・ウォルターズ、ジョーイ・ベアー、エリザベス・ハッセルベック、ウーピ・ゴールドバーグ、シェリ・シェパード


トゥデイ (Today)

放送局: NBC

4時間ヴァージョン・プレミア放送日: 9/10/2007 (Mon) 7:00-11:00

ホスト: マット・ロウアー、メレディス・ヴィエイラ

共同ホスト: アン・カリー、ナタリー・モラレス、ホーダ・コッブ、ジアダ・デ・ローレンティス、ティキ・バーバー

天気予報: アル・ローカー


内容: 朝と日中のトーク/ヴァラエティ・ショウ3本。


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昨年、アメリカの朝のトーク/ヴァラエティ・ショウは、ホストにかなりメンツの入れ替えがあった。元はといえば一昨年の午後のワールド・ニューズでアンカーのメンツが一新したことから、各ネットワークが自社トーク・ショウからパーソナリティを引き抜いてその後釜に据えるなどしたため、ワールド・ニューズ激震余波が朝のトーク・ショウを襲ったものである。それだけならまだしも、その、メンツを一新した朝のトーク・ショウも、特にABCの「ザ・ヴュウ」を中心にかなりの話題/スキャンダルを提供、様々な話のネタを提供するはずのトーク・ショウが自らネタとなって視聴者の注目を浴びた。その中心となったのが、番組をクビになったスター・ジョーンズと、NBCの「トゥデイ」に移ったメレディス・ヴィエイラの跡を継いだロージー・オドネルの二人だ。


オドネルは話題づくりの主軸として周囲の期待に応え、特にNBCの「ジ・アプレンティス」ドナルド・トランプ・バッシングで話題、というかほとんどスキャンダル・ネタを提供、世間の耳目を集めたために、番組の視聴率は実際に上昇した。一方、オドネルの歯に衣着せない物言いは笑いと話題を提供しはしたが、それをやり過ぎとして不愉快に思う視聴者もいた。それだけでなく、そのオドネルを番組に誘った番組製作者兼ホストの一人であるバーバラ・ウォルターズも、実はオドネルのことをそれほど快く思っていないという噂が出回るようになった。最初の方こそオドネルを擁護していたウォルターズだったが、それにもいい加減疲れてオドネルのことを疎ましく思ってきたというのだ。


そのことを裏書きするように、去った4月にはオドネルは今シーズン限りで番組を降りると発表した。たぶん噂は本当で、オドネルもいづらくなったんだろう。とはいえ、むろんそれだけでしおらしく表舞台から消えていくオドネルではない。5月にはイラク戦争に関してのオドネルの発言に対してマスコミが揚げ足とりのように非難した時、共同ホストの一人であるエリザベス・ハッセルベックが自分を擁護しようとしなかったとして難詰し、番組中に二人がほとんどけんか腰の罵り合いに発展した。


番組ディレクターはとっさに二人をスプリット・スクリーンにして中継、他にももちろん共同ホストは同席していたのだが、二人のあまりもの剣幕に一言も口を挟めなかった。普段は愛らしいハッセルベックが、口角泡を飛ばすようにオドネルに向かって、「No, no, no, no, no!」と対抗するシーンはかなり見ものだった。さすがハッセルベックだって「サバイバー: オーストラリアン・アウトバック」で最後の方まで残っていただけのことはある。


こういう本気の失態の後で番組にそ知らぬ顔で復帰することはさすがにできかねたんだろう、オドネルはちょうどこのエピソード放映の直後からオフが続いていたのだが、その後も番組に戻ることなく、ウォルターズはオドネルが辞めたことを発表、結局オドネルはそれきりになった。オドネルはその後、ケーブル・ニューズ・チャンネルのMSNBC (CNBCの方だったっけ?) で自分のトーク・ショウを持つという話もあったようだが、そちらの方もご破算になっている。


さて、そのオドネルの前任者だったジョーンズは、こちらはうまく立ち直ってケーブル・チャンネルのコートTVで、トーク・ショウ「スター・ジョーンズ」のホストに就任した。番組第1回では、冒頭、まず「ザ・ラップ・シート (The Wrap Sheet)」コーナーと題して、最近の社会の話題をとりあげ、ゲストとして招いた、同じくTVパーソナリティのヘラルド・リベラ、ルネ・サイラー、ショーン・ロビンソン (「アクセス・ハリウッド」) らと共に、政治家の子供たちが親の威を借り、あるいは自分もセレブリティの一人となって親の政治活動に足を突っ込むことをどう思うかについて、次に最近のセレブリティをめぐる数々のゴシップ的ニューズ、CBSの子供オンリーのリアリティ・ショウ「キッド・ネイション (Kid Nation)」、その他様々な最近の話題について議論する。


そしてトリは今夏、ジョーンズやオドネル同様、思い切り飛ぶ鳥跡を濁して番組をクビになった「グレイズ・アナトミー」のアイゼア・ワシントンを招いて話を聞く。特にワシントンとジョーンズの場合、二人共番組をクビにならざるを得なかった直接の非は自分たちにあったとはいえ、それでも事態は収束した、というか、それなりのけじめはつけた気でいたに違いない。ほとんどぎりぎりまで二人共番組を続ける気でいたのに、番組プロデューサーにその気がないとして、それまでの貢献などまるで無視されて番組を辞めざるを得なくなったのだ。ワシントンの場合は、筋を通して態度を矯正するリハブ (リハビリ・センター) にも通ったのに、まさか一方的にクビを宣告されるとは思ってもいなかった。ジョーンズがワシントンに同情、というかかなり共感を持っていたのは間違いあるまい。番組第1回のトリのゲストとしてジョーンズがワシントンを選んだのはよくわかる。


とはいえ、このエピソードのワシントンの話自体は、特に面白くも刺激的でもなく、当たり障りのないごく常識的な受け答えに終始して、こんなもんかという感じだった。もっとも、それもわからないではない。内心は穏やかではないものがあるだろうとはいえ、それを開陳してしまうと、また新たな問題を起こしてしまったり、敵を作ってしまったりする。言いたいこともあろうがここはぐっと我慢して八方を丸く治める方が、結局は自分のキャリアとしても最上の道であるということくらいはワシントンも考えたろう。まあ、最初からそのくらいの頭が回れば「グレイ」をクビにならずに済んだのだろうが、済んでしまったことは仕方がない。


因みにワシントンはクビになった後、すぐにNBCの今秋放送の新番組であるSFアクション「バイオニック・ウーマン (Bionic Woman)」に拾われ、そちらの方にレギュラー出演中だ。もちろん番組がパイロットを製作中はまだワシントンは「グレイ」に出ていたから、ワシントンが「ウーマン」に顔を出すのは3話目以降からだが、ラッキーっちゃあラッキーだ。「ウーマン」のプロデューサーとしては、誰か話題性のある俳優を起用したかったということだろう。いずれにしても、捨てる神があれば拾う神もある。


一方、新シーズンを迎えた「ヴュウ」の方は、オドネルの後釜としてこれまで何度も臨時ホストに招かれたことのあるウーピ・ゴールドバーグが就任することが8月頭に発表になった。さらに一と月後には、もう一人のホストとしてシェリ・シェパードが就任することも発表になった。この辺になると、いったい次のホストは誰かとみな鵜の目鷹の目のように詮索しており、特にゴールドバーグはこれまでの経歴から言って候補の筆頭と既に目されていた。


そのためウォルターズを筆頭とする製作者陣もほとんどその人選の経緯を隠そうとしていなかったようで、早い段階から次のホストはゴールドバーグと囁かれていた。その時点で同様に何度もホスト経験のあるシェパードのホスト就任もほとんど決まっていたと思うが、彼女が番組に登場したのはゴールドバーグが初お目見えしたその一週間後だったところを見ると、たぶん契約の問題とか些細な詰めが残っていたからだろう。いずれにしてもシェパードに関しても発表前からほとんどその情報は漏れており、シェパード起用の発表に際して、ウォルターズが「誰もが知っていた秘密 (worst kept secret)」だったと言っていた。


ゴールドバーグがホスト席に座り、「ヴュウ」の第11シーズンが始まったのが9月4日火曜日 (月曜はアメリカはレイバー・デイで休日) だ。まず先頭でゴールドバーグが登場、ステュディオ内の観客席から割れんばかりの拍手が起こる。次いでウォルターズ、ベアー、ハッセルベックと歳の順に入場、二人目の子の妊娠8か月に入ったハッセルベックのお腹ははちきれんばかりで、たぶん来月辺りから産休だろう。そのため話題はすぐに妊娠出産子育てといった話に移り、ゴールドバーグが私も卵子を一個だけまだ残しており、安全なところにしまってあると言って笑いを誘う。その後も日記をつけることの是非、空港の男子トイレで男同士で性行為に走って逮捕されて権威失墜したどこぞの政治家、質問の受け答えでまったく頓珍漢なことを言って一夜にして有名人となったミス・ティーンUSAのサウス・キャロライナ代表の話など、やはりメンツが変わっても、いつもの「ヴュウ」同様、話があちこちに飛ぶ飛ぶ。


この日のゴールドバーグの発言で最も印象的だったのは、闘犬を主宰したかどで物議を醸したNFLのマイケル・ヴィック関連だ。アメリカではほとんどのところでイヌはペットとして家族並みに扱われているのに、そのイヌを戦わせて観賞し、賭けて遊ぶという行為は、一般市民の目から見れば犯罪以外の何ものでもない。だから当然ヴィックも逮捕され、スキャンダルになった。しかしゴールドバーグは、ヴィックが生まれ育った場所の常識、文化では、闘犬はごく普通に行われていたこととして、文化が違うのに一方的にヴィックを悪者扱いするのはよくないと擁護した。いかにもゴールドバーグという感じで、この日はこの話題についての論議が最も白熱した。


その後のゲストには昨シーズン、酔っ払って登場して最も話題を提供したダニー・デヴィートをもう一度ステュディオに呼び、その時のことを弁明させる。結局デヴィートは自分がケーブル・チャンネルのFXで製作しているコメディの「イッツ・オールウェイズ・サニー・イン・フィラデルフィア (It's Always Sunny in Philadelphia)」と、彼自身がこれまた製造に関係しているレモンを浸したレモン・セロ (Lemon Cello) と呼ばれるアルコール飲料の宣伝をしこたまして帰っていった。番組の最後の10分間は簡単なゴールドバーグの経歴の紹介で、彼女自身の本名は難しくてほとんど発音不可能という話をしていた。


その翌週から登場したシェパードは、アメリカでは2002年から4シーズン続いたABCのシットコム「レス・ザン・パーフェクト (Less Than Perfect)」で、主人公を演じたサラ・ルーの職場の同僚を演じている。とはいえ特にシットコムを得意とするわけではない私は、実のことを言うとルー以外はほとんど覚えてなく、そのためシェパードといわれても最初はほとんど誰のことかわからなかった。その後NBCの「トゥナイト」でゲストとして出てきた時、ホストのジェイ・レノにほとんど口を挟ませることなく、ほとんど息継ぎすらしてないんじゃないかと思えるような調子でしゃべり倒して帰っていったのを見た時には、なるほど、このおしゃべりあっての「ヴュウ」の抜擢かと素直に納得できた。ゴールドバーグと共に黒人であり、二人いればジョーンズが抜けた穴を埋める以上の働きができるのは間違いあるまい。


「ヴュウ」ではさらに、10月放送の回では元ホストのメレディス・ヴィエイラがゲスト・ホストとして再登場して視聴者を驚かせた。いったい、ヴィエイラは現在NBCの「トゥデイ」のホストとしても超忙しいはずだが、そちらの方は大丈夫なのか。そんなことよりも、現在ライヴァル・チャンネルのライヴァル番組でホストを担当している者が、たとえ古巣とはいえこう簡単に戻ってきて久しぶりーっと久闊を叙することが許されるものなのか。


その後ヴィエイラは、「ヴュウ」を放送しているABCが同じく製作し、シンジケーションで放送されている「フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ア・ミリオネア」(もちろんホストはヴィエイラだ) のヴィデオ・ゲームの宣伝までしていた。要するにABCとしてはこれがしたかったから、たぶんNBCに頭下げてヴィエイラを借りてきたというのが本当のところだという気がする。


現在そのヴィエイラがホストを担当している「トゥデイ」は、9月10日月曜からこれまでの3時間番組から1時間増やし、朝7時から11時までの4時間番組となっている。「トゥデイ」は現在、朝のニューズ/ヴァラエティとしては最も人気があるから、その人気を最大限に活用してコマーシャル代を稼ぎたいと考えるNBCの意向はわからんではない。


実際問題としてヴィエイラと共同ホストのマット・ロウアーは、「トゥデイ」が3時間番組であった時代から既に後半の1時間はいなくなっていたし、もう1時間くらい増えても特に支障はあるまい。それでこれまでは最後の1時間に、もう一人のニューズ担当ホストのアン・カリーやその他に臨時で様々なホストを起用していたが、今回、正式に4時間番組になるということで、新たにホストを任命した。


カリーの他に正式発表になったのが、やはりこれまで何度も「トゥデイ」ゲスト・ホストの経験があるナタリー・モラレス、およびNBCのニューズ・マガジン番組「デイトライン (Dateline)」のホーダ・コッブの3人で、ゲスト・ホストにフード・ネットワークで女性シェフとしてはレイチェル・レイの次に人気のあるジアダ・デ・ローレンティス、および元NFLニューヨーク・ジャイアンツのランニング・バックとして、歯に衣着せない発言でいつも話題を提供していたティキ・バーバーの名も発表になった。


一方、成績の上では現在、「トゥデイ」の視聴率は以前に較べ微減している。3時間番組を4時間にしたからといって、その後もずっと視聴者が見ていてくれるとは到底思えないから、それはしょうがないだろう。一方でライヴァル番組のABCの「グッド・モーニング・アメリカ」も、「トゥデイ」に対して以前より差を詰めてきているとはいえ、こちらも視聴率は落ちているそうだから、特に時間を増やしたことで「トゥデイ」の成績がこれ以上大きく変動することはないと思われる。


また、番組の共同ホスト兼TVシェフになったばかりのローレンティスが、このほど妊娠したことも発表になった。「ヴュウ」のハッセルベックほどではないが、こちらもそろそろお腹が目立ち始めている。予定日は来年4月だそうだ。これで残す本命は、やはり数年前に結婚しているレイを残すのみかと私は思っているのだが、近年、自分の番組をいくつも抱えて本気で寝る暇もないほど忙しいに違いないレイが、果たして旦那とHする暇なんてあるのかと思ったりもする。






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Star Jones   スター・ジョーンズ   ★★
The View   
ザ・ヴュウ   ★★1/2
Today   
トゥデイ   ★★1/2

 
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