第88回全米プロ選手権

2006年8月17-20日   ★★★

イリノイ州メダイナ、メダイナ・カントリー・クラブ

99年のタイガー・ウッズと当時19歳のセルジオ・ガルシアの勝負がまだ記憶にも新しいメダイナで開催の今年の全米プロ、勝負が始まる前までは、7,560ヤーズという史上最長の長さのために難しいだろうと言われていたのに、いざ始まってみると、近年の進化したクラブと飛距離のために、ほとんど長さを感じさせない。さらに週前半の雨のためにグリーンが柔らかく、ボールをホールドするため、ほとんどのゴルファーがデッドにピンを狙い、メイジャーにしては結構ロウ・スコアが続出する。3日目は一時8アンダーに10人が並ぶという混戦模様で、これじゃ誰が勝つかまったくわからないと思っていたのだが、それでもこの日が終わるまでにはいつの間にか差がついているのが不思議だ。

その3日目終了時点で14アンダーで首位は、ルーク・ドナルドとウッズ。2打差12アンダーにマイク・ウィアー、11アンダー4位にジオフ・オグルヴィ、10アンダーにショーン・ミキールとガルシア、9アンダーにK. J. チョイがいる。ウッズとウィアーはこの日、7アンダー65のコース・レコード・タイだった。またしてもウッズにガルシアが絡んでいるが、しかし、これまでメイジャーでウッズが3日目終了時点で首位に並んでいる場合、これまで11戦11勝無敗、メイジャー以外も計算すると21戦21勝と、まったくとりこぼしがない。これでドナルドがメイジャー初優勝と考えるのは、本人でも難しかろう。

最終日は1番パー4でいきなりウッズがバーディを奪い、ついに単独首位、一方ドナルドはディヴォットに捕まったり、パットが連続してカップに弾かれるなどツキもなく、じりじりと集団の中に沈んでいく。その他のゴルファーもスコアを伸ばす者がいないため、フロント・ナインを終わった時点で既に勝負は誰の目から見てもウッズのものになった。バック・ナインはほとんどウッズの独り舞台を見ているようだった。

ウッズは17番パー3でティ・ショットをバンカーに打ち込んでその後のアップ&ダウンに失敗、ボギーを叩くが、それがなければ19アンダーという全米プロ最多アンダー記録を達成するところだった。もっとも、これまでの記録を持っていたのも、2000年のヴァルハラでのウッズとボブ・メイなのであるが。結局この日ウッズは4アンダー68、通算18アンダーで優勝、今年全英に次いでメイジャー2勝目、メイジャー通算12勝となった。ウッズは全米プロが開催された同じコースで2勝した初めてのゴルファーになると共に、これでメイジャー勝利数でウッズの上にいるのはジャック・ニクラウスただ一人となった。最終スコアはウッズ18アンダー、ミキールが5打差の13アンダーで続き、12アンダー3位にドナルド、ガルシア、アダム・スコット、11アンダー6位にウィアー、10アンダー7位にチョイ、スティーヴ・ストリッカーが入った。 



 
 
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