歴史的にツアー初勝利をこのトーナメントで飾るというゴルファーが多いこのトーナメント、古くはフレッド・カップルスやグレッグ・ノーマンもツアー初優勝をこのトーナメントで成し遂げている。しかし初優勝者を頻出するというのは、だいたいいつも混戦になり、しかもほとんど知らないゴルファーばかりになるということでもある。見ている者にとっては誰が誰だかわからない展開になりやすく、そういう意味ではあまり面白くない。とはいっても、数年前にジャスティン・レナードが最終日に6打差をひっくり返して優勝したとかいう記憶に残る試合もある。かと思えば昨年の初優勝者リッチ・ビーンのように、その後泣かず飛ばずのゴルファーもいる。要するに、やはり今一つ一流トーナメントにはなりきれない大会なのだ。


今回は、初日から飛ばすスティーヴ・ロアリーが初日からトップに立ち、最終日まで優勝争いに絡む。最近ロアリーは復活しており、トーナメントに出るたびにいいところにつける。今年調子のよくなかったレナードもこのコースとは相性がいいのか、ぴたりとそのすぐ後ろにつける。他のゴルファーはほとんど名前も聞いたことのないゴルファーばかりなので、今回はこの二人を応援することにする。


そしたらやっぱりというか、荒れましたねえ。3日目までトップのロアリーは、最終日スコアを伸ばせず、追いかけてきた他のゴルファー、5、6人とホール毎にトップが入れ替わる混戦。レナードも、パットのトレースに入った時、ボールが動いたための手痛いペナルティが効いて一時はリーダーボードから消える。これじゃ誰が勝ってもおかしくない。


そしたら最後の最後になって、いきなりリーダーボードに現れたのがなんと細川和彦。バック9で頑張ったのだろう、いつの間にか11アンダーになって他のゴルファーと並んで同率トップ。うーん、この人どこかで見たことあるぞと思っていたら、確か去年の全米オープンのあの台形グリーンでグリーン下からパットし、まったく同じ位置にボールが戻ってきたというシーンがとらえられてたゴルファーじゃなかったっけ?まあ、それはどうでもいいや。せっかくだから今回は彼を応援しよう。


細川は17番、パー3でのバーディ・パットが1インチ・ショート。惜しかった。18番パー4ではホールまで20ヤードの深いラフに第2打を打ち込み、いくらなんでも万事休したかと思えたのだが、その後のリカヴァリー・ショットが凄かった。なんとピンに直接当たった第3打は、ホール横3インチにぴたりと留まる。うわー、惜しいーっ。17番のパットとこれが両方とも入っていたら、初優勝したトム・シェラーと同率の13アンダーで並んでいたのに‥‥と悔やんでもしょうがないか。結局細川はロアリー、レナードらと並んでシェラーに2打差の同率2位。惜しかったね。ところでシェラーというのは‥‥私は何年もPGAツアーを見ているが、初めて見ました。







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ケンパー・インシュアランス・オープン

2000年6月1-4日   ★★1/2

メリーランド州ポトマック、TPCアット・アヴェニル

 
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