3日目を終わって14アンダー首位はフィル・ミッケルソン、2打差12アンダーにタイガー・ウッズとニック・ワトニー、11アンダーにライアン・ムーアが続く。本当にまたミッケルソンとウッズの争いになった。しかしよくこんなにまあ、映画みたいな筋書きに本当になる。ワトニーには悪いが、最終日はまたミッケルソンとウッズのデュエルを期待する。


なんて思ってたら最終日、ウッズのできがまったくで、最初の7ホールで4オーヴァー、生彩なく沈む。代わって首位を脅かしたのがアーニー・エルスで、怒涛のバーディ・ラッシュでいきなりミッケルソンと首位争い。特に最後の3ホールは1ホール毎にモーメンタムが変わる。


エルスは一時単独首位に立つもののミッケルソンに抜き返される。しかし16番のリーチャブルのパー4、17番パー3と連続バーディで17アンダー、16アンダーのミッケルソンを抜いて再度単独首位に立つ。2グループ後のパーティのミッケルソンは16番でティ・ショットをグリーン近くまで持っていった後、得意のはずのグリーン下ラフからの第2打のフロップ・ショットは、ボールの下をすかしてほとんど動かない。しかもこれでエルス優勝に大手と思えたその直後、18番パー5でそのエルスの池越え2オンを狙った第2打が池ポチャ。これでわからなくなったどころか、その時13アンダーのウッズにすらいきなり一縷のチャンスが芽生えてきた。まだまだ勝利の行方はわからない。


そう思った直後に、今度はそのウッズが16番でグリーン下からの第2打をダフってバンカーに放り込んでしまう。ウッズは勝つためには何がなんでも16、17、18番と連続バーディで上がりたかったはずで、なんとかバンカーからのアップ&ダウンには成功してパーでは上がったものの、たぶん優勝スコアには届かないだろう。一方ミッケルソンの転がした第3打もグリーン脇で止まり、カップまで15フィートを残す。しかしそのパー・パットは左に弧を描いてカップに吸い込まれた。


エルスは18番を最低でもパーで上がりたいところだったが、20フィートのパー・パットを外し、ボギーで16アンダー。一方、ミッケルソンは17番でバーディを奪い17アンダー、再度逆転する。こうなると16番のパー・パットはでかかった。


ミッケルソンは18番、ティ・ショットをラフに入れたために刻んでいき、3オン、2パットのパー上がり、エルスに1打差で勝った。15アンダー3位にムーア、14アンダー4位にロリ・マキロイ、13アンダー5位ワトニー、ウッズは後半少し盛り返したものの最終ホールもボギーでこの日イーヴン・パー、マーティン・ケイマーと共に12アンダー6位タイに終わった。最近勝ててないエルスは、勝ちたかったんだろう、本当にがっかりしたような表情が印象的だった。


今年のツアーは勝利数ではミッケルソンよりウッズの方が上回っているが、それでもツアー・チャンピオンシップ、および今回の最後の連勝でミッケルソンの印象の方が強く残る。やはり勝った時にウッズを抑えて勝っているということが大きい。そのためウッズが霞んでしまった。ウッズもなあ、最終日に調子のよくないウッズを見てもなあと思う。これまで信じられないゴルフを何度も見せているウッズなだけに、毎回劇的なゴルフを期待してしまうのだ。ウッズだって人間なのではあるが。しかし来年はまたまたミッケルソンとの面白い勝負を期待する。








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HSBCチャンピオンズ

2009年11月5日-11月8日   ★★★1/2

中国、上海、シェシャン・インターナショナル・ゴルフ・クラブ

 
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