FBRオープン

2006年2月2-5日   ★★★

アリゾナ州スコッツデイル、TPCオブ・スコッツデイル

近年、FBRオープンといえばほとんど反射的にフィル・ミッケルソンの名前がセットになって浮かんでくるが、そのディフェンディング・チャンプのミッケルソンは、今年は3日目終了時点で8アンダー18位タイ。16アンダーで首位のJ. B. ホームズに8打差ということを考えると、ほとんどチャンスはなさそうだ。ホームズの下には、15アンダーにライアン・パーマーとJ. J. ヘンリー、13アンダー4位にジャスティン・レナードとデイヴィッド・トムズ、12アンダー6位にディーン・ウィルソンとカミロ・ヴィジェイガスがいる。初顔のヴィジェイガスのスペルはVillegasなのだが、LをJ発音するとは知らなかった。おかげで最初はリーダーボードを見て、ヴィレガスと読んでいた。

最終日は早々に勝負はホームズとパーマーの一騎打ちの感が強くなり、ホームズ18アンダー、パーマー17アンダーで15番パー5を迎える。ここでホームズが2オン1パットのイーグルを奪ったのに対し、一方のパーマーはティ・ショットを池に落とし、さらにドロップしての第3打まで2連続池ポチャした上、グリーン上でも3パットしてトリプル・ボギー、ホームズ20アンダー、パーマー14アンダーとなって完全に勝負が決まった。ホームズは17番パー4でもバーディを奪い、通算21アンダーでツアー初優勝。14アンダー2位にはパーマー、ヘンリー、ヴィジェイガス、スティーヴ・ロアリー、スコット・ヴァープランクの5人が、13アンダー7位にはミッケルソン、レナード、ジョナサン・バードの3人が入った。

ホームズは昨年のQスクールの優勝者で、ドライヴァーが飛ぶ飛ぶ。ソニー・オープンでほぼすべてのホールを300ヤード超のドライヴでギャラリーの度肝を抜いていたバッバ・ワトソンの出現にも驚かされたのに、既にそのワトソンとタメを張るゴルファーが現れた。4つのパー3ホール以外、14ホールすべてが300ヤード超のドライヴ、しかもそのいくつかは3ウッドだ。250ヤードから300ヤードくらいのところに置かれているバンカーなんてすべて越えていくから、ハザードとしての役をまったく果たしてない。450ヤードの18番なんて、300ヤードのところまである池はものともせず、その先、320ヤードのバンカーもキャリーで越える350ヤードのドライヴで、第2打がウエッジだ。こんなのありかと思ってしまう。タイガー・ウッズやジョン・デイリーがいきなり霞んでしまう。

とはいえ、コース・マネジメントなんかをまったく必要とせず、ハザードをすべて力でねじ伏せるゴルフって、いかにもアメリカ的だが爽快なのもたしかだ。いやはや今年当たりツアーは何か大きな変革が起きそうな予感がする。ところで昨週優勝のウッズは、EPGAのドバイ・デザート・クラシックで、またまたプレイオフの上、アーニー・エルスを下して2週連続優勝。やっぱこの男を忘れちゃいけません。  



 
 
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