ビュイック招待

2006年1月26-29日   ★★★1/2

カリフォルニア州ラ・ホヤ、トリー・パインズ・ゴルフ・コース

昨年のツアー優勝者で争われるメルセデスをパスしていたタイガー・ウッズが今季初めてプレイするビュイック招待、ディフェンディング・チャンプはもちろんそのウッズだ。なんでもウッズは一と月以上クラブに触ることすらしなかったということで、当然そのできに注目が集まる。

ウッズは初日1アンダー71で、その日のコースが簡単な方のノース・コースで、しかも一時は4アンダーであったところを3連続ボギーを叩くなどしているため、やはりなまっているかと囁かれる。しかし、それでも3日目を終了した時点では首位に絡んで、外野を黙らせるところがいかにも世界のスーパースターという感じだ。結局3日目終了時点で11アンダーで首位はセルジオ・ガルシアとロッド・パンプリング。10アンダーでウッズ、ネイサン・グリーン、9アンダーにフィル・ミッケルソン、ブラント・ジョビ、ジャスパー・パーナヴィクが続く。

最終日は誰もスコアを伸ばすことができず我慢較べ的な展開になり、まったく予断が許さない。一時は首位9アンダーに8人が並ぶ一幕もあった。その中でグリーンが13番パー5で80ヤードからの第3打を直接カップインさせ、ただ一人11アンダーとなって頭一つ抜け出す。その後すぐウッズとミッケルソンが10アンダーで続き、これはヴェテランを抑えてのツアー初優勝という筋書きかと思わせる。

しかしグリーンは結局その後また9アンダーまでスコアを落とし、その間隙を突いてホゼ・マリア・オラハボルがただ一人10アンダーとなってレギュレイションを終える。しかしグリーンとウッズも18番でバーディを奪って10アンダーとなり、この3人でのプレイオフとなった。9アンダー4位にはジョナサン・ケイ、ジョン・ロリンズ、ルーカス・グローヴァー、アージュン・アトヴァルの4人が、8アンダー8位にはミッケルソンとガルシアが入った。

18番でのプレイオフはウッズとオラハボルが第2打をレイアップし、ただ一人2オンを狙ったグリーンの第2打は大きく左に曲げてしまう。バンカー奥からの第3打はグリーンに届かず、ラフからの第4打はシャンクし1フィートしか進まない。フリンジからの20フィートの第5打のパットも外し、結局ボギー。パーで上がったウッズとオラハボルがプレイオフ2ホール目の16番パー3に向かう。

先に打ったオラハボルのティ・ショットはグリーン右バンカーへ。一方、ウッズのティ・ショットはグリーンに乗りこそしたが40フィートを残す。オラハボルのバンカー・ショットは4フィート残し、ウッズのパットは1フィート横にそれる。先にウッズがパー・パットを沈め、オラハボルのパットへ。そこで思い出すのは当然昨年のアメックス・チャンシオップシップで、まったく同様の展開のプレイオフで3フィートのパットを外して負けたジョン・デイリーだ。まさかよもやまた同じ展開にはなるまいなと思いながら見ていたその眼前で、オラハボルのパットはカップの左縁に蹴られ、まさかの決着がついた。

これでウッズはツアー47勝目。プレイオフでは98年のニッサン・オープンでビリー・メイフェアに破れたただ一つの黒星を除き、9勝1敗という高い勝率を誇る。ライダー・カップのマッチ・プレイでは勝てないくせに、本当の個人勝負になると負けない。ゴルフってのはウッズにとってはあくまでもチーム・スポーツなんかではなく、個人競技なんだろうなあ。



 
 
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