ベイ・ヒル招待

2006年3月16-19日   ★★★1/2

フロリダ州オーランド、ベイ・ヒル・クラブ・アンド・ロッジ

3日目終了時点で首位は14アンダーのロッド・パンプリング、4打差10アンダーにダレン・クラーク、グレッグ・オーウェン、ルーカス・グローヴァーの3人がいる。最終日はグローヴァーが早々と脱落、パンプリング、オーウェン、クラークと続く。フロント・ナインを見る限りではパンプリングは安定、優勝の可能性はかなり高いように思われた。

しかしパンプリングは最も簡単なホールの13番パー4でティ・ショットをまさかのOB、ダブル・ボギーとなって14アンダーに後退、オーウェンと並ぶ。オーウェンは続く14番200ヤードの難しいパー3でバーディを奪い、15アンダーとなって逆転する。しかしパンプリングも意地を見せ、15番パー4でバーディをとって首位に並び返す。オーウェンは続く16番パー5でバーディをとり、16アンダーとなって再び1打差つける。そしてこの日最大のツイストは17番パー3でやってきた。

グリーン左奥ラフに大きくティ・ショットを外してしまったパンプリングは、セカンド・ショットも7フィート残す。グリーン手前のラフに捕まったオーウェンは第2打を3フィートに寄せる。これ以上差を広げたくないパンプリングのパー・パットは左エッジに蹴られ、ボギー。3フィートを沈めれば残り1ホールでパンプリングに2打差のオーウェンはしかし、プッシュしてカップ右に外してしまう。そしてほとんど間を置かずに打ったそのボギー・パットは、右縁からカップを一回転してこぼれ、3フィートから3パットのダブル・ボギーとなって、18番のティを前に、パンプリングとオーウェンが14アンダーで並ぶ。今回のベイ・ヒルは何が起こるかわからない。

18番パー4では、オーウェンの第2打はグリーン奥のバンカーに捕まり、カップまで30フィートあるとはいえ、ボールがグリーンに乗っているパンプリング有利。オーウェンのサンド・ショットはカップまで10フィート残し、パンプリングのバーディ・パットは1フィート・オーヴァーする。オーウェンのパー・パットは、ほとんど完璧で、これでプレイオフと思った瞬間、またもやカップを一周してこぼれた。2ホール連続でこれをやられたらほとんど立ち直れまい。パンプリングは1フィートを沈め、一昨年のインターナショナルに続きツアー2勝目。インターナショナルは特殊なスコアリング・システムなため、ストローク・プレイのトーナメントとしては初勝利になる。いずれにしても今回のベイ・ヒルは、パンプリングが勝ったトーナメントというよりも、オーウェンが負けたトーナメントとして記憶されることになろう。

12アンダー3位にはクラーク、11アンダー4位にロバート・アレンビー、10アンダー5位にリー・ウエストウッドとテッド・パーディが入った。それにしても今回のベイ・ヒル、勝ったパンプリングはオーストラリア人、オーウェンはイングランド、クラーク・アイルランド、アレンビー・オーストラリア、ウエストウッド・イングランド、さらにその下も9アンダー7位ヴィージェイ・シング (フィジー)、8アンダー8位にジャスティン・ローズ (イングランド) とトム・パーニスJr.と、メイジャーより国際色豊かな顔ぶれが揃った。一時期このトーナメントの主に見えたタイガー・ウッズは、ここ数年優勝にはまったくひっかからない。今回も通算4アンダーで20位タイに終わった。



 
 
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