昨年に引き続き、アメリカ代表はディフェンディング・チャンプのデイヴィッド・デュヴォールとタイガー・ウッズが出場、果たしてこの二人は日本でも優勝できるか。デュヴォールは先週、日本でも勝っており、ウッズの調子さえよければ、今回も問題ないだろうと思っていた。しかし、今年のワールド・カップは他の国も頑張る。3日目が終わった時点でアメリカのウッズ/デュヴォール組は、22アンダーで首位を走るニュージーランドのマイケル・キャンベル、デイヴィッド・スメイル組に3打及ばない19アンダーで、これはもしかしたら逆転は難しいかもしれない。

ウッズ/デュヴォールは最終日もスコアを伸ばせず、代わって同様にスコアを伸ばせないニュージーランドに絡んできたのは、トマス・ビヨーン、ソレン・ハンセンのデンマークと、アーニー・エルス、レティーフ・グーセンの南アフリカ。まずビヨーン/ハンセン組が24アンダーでホール・アウトした後、エルス/グーセン組も最終18番パー5でイーグルを奪い、同じく24アンダーでレギュレイションを終える。一方、もう逆転は無理かと思われたウッズ/デュヴォール組も最後の最後になって盛り返し、最後の4ホールをバーディ、バーディ、バーディ、イーグルと、4ホールでスコアを5つ縮める驚異の追い込みを見せ、一挙に首位タイ。特に最終18番でウッズがグリーン下から打ったチップ・ショットを直接カップ・インさせたところなんざ、久し振りにこういうウッズを見たぞという感じで、燃えました。一方、キャンベル/スメイル組はパーで上がったため、結局デンマーク、南アフリカ、アメリカ、ニュージーランドの4組が24アンダーで並んでプレイオフとなった。

そのプレイオフでティ・ショットでフェアウェイをキープしたのはデンマークのみ。ウッズが左に曲げたティ・ショットの次打を打つことになったデュヴォールはフェアウェイに出したのみで、ウッズの第3打に賭ける。スメイルが右バンカーに打ち込んだ次のショットを打つことになったキャンベルの2アイアンのショットは、いったん池につかまるが、跳ね返ってグリーン手前に乗る。なんか、全米プロで片山晋呉が見せたショットを思い出した。エルスが左バンカーに打ち込んだ次のショットを打つことになったグーセンは、手前の木を避け、低い弾道のカット打ちで2オンを狙う。ピンまで240ヤード、手前に池もあることだし、ここはデュヴォール同様刻んだ方がよくないか。と思っていたら、これ以上ない完璧な2アイアンのショットで見事に2オン。素晴らしい。デンマークも2オンに成功し、これで一挙に南アフリカとデンマーク有利に。ウッズの第3打は、2段グリーンの上に切ってあるカップと同じ段に乗りこそはしたが、20フィート左にそれ、デュヴォールのパットを待つ。スメイルのチップ・ショットもグリーンの上の段に乗っただけで、やはり外し頃の10フィートを残す。

南アフリカとデンマークのイーグル・パットは共にぎりぎりでそれ、この2組はタップ・イン・バーディで上がる。しかしデュヴォールとキャンベルは共にバーディ・パットを外し、これでアメリカとニュージーランドが脱落。14番パー4で行われたプレイオフ2ホール目は、ビヨーンがティ・ショットを林の中に打ち込んでしまい、ハンセンの第2打はフェアウェイに出すだけ。これを見た南アフリカが安全に2オン2パットのパーで上がり、ビヨーンが第3打をグリーンに乗せた後のハンセンのパー・パットがそれた時点で南アフリカの優勝が決まった。最後の最後になって、ウッズのチップ・ショット、キャンベルの2アイアン、グーセンのカット・ショットと、印象に残るショットが連続して出て、実に堪能しました。

それにしても富士をバックに高く舞い上がるショットって、実に絵になるなあ。こちら (アメリカ) ではこのトーナメント、ABCが放送しており、やはりウッズ/デュヴォール組のプレイを中心に見せていたが、日本での放送もそうだったんだろうか。TV画面で見るからには日本のクルーが中継していたように見えたから、日本側が撮った映像をそのまま使用しているかなと思ったんだが、それにしては丸山/伊沢組は、優勝に絡まなかったせいもあったかも知れないが、ほとんど画面に映らなかった。ABCも独自のクルーを派遣していたのだろうか。初日にデュヴォールがグリーン上で練習パットをしたためにペナルティをとられたシーンなんて、ここでは何度も放送していた。ま、ファンとしては一流のゴルフが見られればそれでいいんだけど。いずれにしても最後の最後に面白いゴルフが見れて、来年もまた楽しみになってきた。