放送局: CBS (シンジケーション)

プレミア放送日: 9/16/2002 (Mon) 16:00-16:30

製作: ヴァリークレスト・プロダクションズ、セラドール、ブエナ・ヴィスタTV

製作総指揮: マイケル・デイヴィーズ、ポール・スミス

共同製作総指揮: リー・ハンプトン

監督: マーク・ジェンティル

ホスト: メレディス・ヴィエイラ


内容: 一昨年、社会現象とまでなった人気クイズ番組のシンジケーション版。


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私が滅多に見ない日中のシンジケーション番組の、そのまた滅多に見ないクイズ番組、しかも勝手知ったるあの「フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ア・ミリオネア」のシンジケーション版を、わざわざ見てしまった。「ミリオネア」のライヴァル番組であった「ウィーケスト・リンク」が、「ミリオネア」より後発でありながら既に一足早く今年初頭からンジケーション版をスタートさせていることもあり、今度は後手に回る「ミリオネア」のシンジケーション版がどういう工夫を凝らしているか、なんとなく見てみたくなったのだ。


ネットワーク版の「ミリオネア」および「ウィーケスト・リンク」は、クイズ番組のブームの衰退と共にレギュラー枠から外れ、現在では事実上キャンセルされている。しかし「ミリオネア」を放送していたABCは、一時的にせよ空前のブームとなり、社会現象とまでなった「ミリオネア」に未練があり、また短期集中型で「ミリオネア」を編成することも考慮していると発表している。つまり、「ミリオネア」はまたプライムタイムに編成される可能性があるのだ。


いずれにしても「ミリオネア」の興隆と衰退は、近年のアメリカのネットワークが編成した番組の中で、最もドラマティックなものの一つであった。異常なほどの人気番組になったという点だけなら、「ミリオネア」の同列に「サバイバー」も持ってこなければならないが、その後まだ人気を維持している「サバイバー」に対し、視聴率が文字通り急落して地に落ちたという点で、「ミリオネア」の浮沈は近来稀に見るドラマを披瀝してくれた。


いったい、視聴率1位についていた番組が、たった半年でその視聴者が3分の1に激減した例など、TV大国アメリカといえども、これまで一度も起こったことはなかった。昨年暮れには誰もが話題にしていた番組が、今年春先には誰も見ていなかったのである。あの、歴史に残る話題先行尻すぼみ型番組の筆頭である「ツイン・ピークス」だって、ここまで急激な視聴率の低下は見せなかった。ホストのレジス・フィルビンは番組最盛期は毎朝放送の自分のトーク・ショウ「ライヴ・ウィズ・レジス・アンド・ケリー (Live with Regis and Kelly)」に加え、週4日分の「ミリオネア」の収録をこなさなければならず、超人的な仕事振りを見せていた。それなのに半年後にはいきなりABCからもういいと言われたわけで、あれだけ牛馬の如くこき使われた挙げ句その仕打ちはないよなあと、他人事ながら思ったもんだ。


しかしとにかく今はシンジケーション版「ミリオネア」である。番組本来の人気は地に落ち、それでもまた特番として編成される見込みも小さくはないのに、その上また新しい毎日放送のシンジケーション版を製作してしまうというのは、潜在的クイズ番組ファンというのはやはり多いのだろう。実際、シンジケーション番組で最も視聴率を稼ぐのは、「ジェパディ」と「ホイール・オブ・フォーチュン」という二つのクイズ番組で、この2本がシンジケーション番組における視聴率1位と2位を占めるというパターンは、この10年くらいまったく変わっていない。多分「ミリオネア」も、プライムタイムではもうダメだが、日中編成でリタイアした高齢者や女子供相手ならば、まだ行けると判断されたのだろう。


さて、その「ミリオネア」、フィルビンに代わっての新しいホストには、現在ABCで日中編成されているトーク・ショウの「ザ・ヴュウ (The View)」で、著名ジャーナリストのバーバラ・ウォルターズらと共に共同ホストを担当しているメレディス・ヴィエイラが抜擢された。ヴィエイラはCBSでわりと長い間インタヴュアーとして働いた後ABCに移った報道畑の出身だが、彼女の知名度が上がったのは、ケーブルの女性専門チャンネル、ライフタイムの有名人専門のドキュメンタリー・シリーズ「インティメイト・ポートレイト (Intimate Portrait)」でホストを担当してからだろう。ライフタイムは現在、ケーブル・チャンネルでは1、2を争う視聴率を獲得する人気チャンネルであり、女性への訴求力においてはケーブル・チャンネル随一である。


しかし、番組のフォーマットが既に決まっているクイズ番組では、ホストが代わることで番組全体の印象が変わる余地はあまりない。特に「ウィーケスト・リンク」のようなホストのコメント自体に焦点が当たるような構成ではない、ごくスタンダードなクイズ番組である「ミリオネア」の場合、ヴィエイラがホストを担当することによるメリットもデメリットもそれほどないのは、最初からわかりきっていたことではあった。どちらかというと、初代ホストのフィルビンが番組の顔となってしまった印象が強いため、むしろヴィエイラとしてはやりにくかろう。さらに番組自体が1時間番組から30分番組と短くなった結果、番組にホストが介入する余地は、一層小さくなったと言える。


番組を見た後での印象から言うと、これらの危惧、というか予想はずばり当たっていた。要するに、ある程度の間を殺さないお喋りと機転を利かせることができるならば、結局この種のクイズ番組は誰がホストをやってもほとんど同じなのだ (もっとも、それが一番難しい技術とも言える)。しかもフィルビンは、ホストが解答者と同一化して、一緒になってはらはらどきどきしながら番組を進めていく、という「ミリオネア」の基本的なスタイルを構築してしまった。これじゃあ後からやる者が新しいスタイルに挑戦しようとしても無理があるだろう。


実際、ヴィエイラがやっていることに何か新しい試みがあるわけではなく、すべてフィルビンのやっていたことの焼き直しに過ぎない。番組としては、ホストが代わったことよりも、番組時間が短くなったおかげでヴィエイラ版はフィルビン版よりも心持ち間が短くなり、忙しない印象が強くなった、というのが最も大きな相違点か。その他に関しては、セットやライティングなどほとんどネットワーク版とそっくりであり (というか、オリジナル・セットの使い回しか?)、ルールも音楽もカメラ・ワークも基本的にまったく同じで、ホストが代わったこと以外、視覚的に異なる点はまったくない。


しかし、こういうのは継続がすべてである。番組が数年続けば、視聴者はヴィエイラにも慣れ、彼女がホストをやっていることに何の違和感もなくなることだろう。その時にフィルビンがホストの「ミリオネア」を見せられても、逆に違和感を感じるだけかもしれない。ホストが代わっても、目論見通りそこそこの視聴率は上げているみたいだし、ヴィエイラ版「ミリオネア」は当分続いていくものと思われる。


あ、そうそう、シンジケーション番組はネットワーク番組に較べ予算に限りがあるので、この手のクイズ番組の場合、シンジケーションになったら賞金総額も低くなるのが普通である。実際、「ウィーケスト・リンク」の場合、ネットワークでは最高賞金100万ドルが、シンジケーション版では75,000ドルでしかない。まあ、時間も半分、蹴落とす相手も半分になるのだから、その辺はしょうがないところかと思っていたら、「ミリオネア」では、シンジケーション版でも最高賞金額はやはり100万ドルなのだ。ミリオン・ダラーズを獲得するからこそミリオネアになるのだからして、当然といえば当然だが、しかし、私はシンジケーション版で100万ドルの賞金はやはり無理だろうなと思っていた。それでも「ミリオネア」というタイトルにこだわり、100万ドルの賞金を設定した心意気は買う。


しかし、思うのだが、多分このシンジケーション版、掛け金が100万ドルに近くなれば、絶対誰も正解できないような難しい問題になるに違いない。その気になれば、まず誰も正答できない問題を考えるのはそれほど難しいことじゃないだろう。つまり、一応15問連続正解すれば100万ドルという建て前になってはいるが、まず、そのミリオネアは出ないだろう。1年に一人くらいなら出るかもしれないが、一人でも出たら、その後は当分出ないように問題は難しくなるに違いない。ネットワーク版と同じような頻度でミリオネアが続出したら、はっきり言って番組は破産である。そういうわけで、シンジケーション版の「ミリオネア」は、そこそこの金額を獲得する参加者を挟みながら、そこそこの人気を獲得する番組になるんだろうという気がする。



追記 (2003年1月):

私が、多分ほとんどミリオネアは出ないだろうと予測したこのシンジケーション版「ミリオネア」、ついに来2月にミリオネアが出るということが発表になった。番組が始まって5か月、出るとしたらこの辺でというタイミングとしてはばっちりだ。これ以上ミリオネアが出ないんだったら、視聴者も、なんだ、ミリオネア出ないじゃないかと飽きてきそうだし。とはいえ、そういうタイミングの図り方が、いかにもという感じで、やはり時機を見て問題の難易度を調節しているんだろうなという気がする。


それはともかくとして、一番驚いたのは、その、ミリオネアが来月出ますということを発表してしまうことで、もちろん生放送じゃないから、先に収録したものを放送しているのはわかりきっていたことだが、一と月も先の分まで溜め撮りをしていたのかということがまず一つ。もう一つは、この番組はミリオネアが出るか出ないか予想がつかないことが番組の面白さの一部となっていたはずなのに、ミリオネアが出ましたと放送局が率先して宣伝していることで、つまり、そういう部分で話題作りをしないことには、やはり視聴者を集めにくいんだろう。でも、私なら、ミリオネアが出る、つまり、解答者が全問正解するのが最初からわかりきっているクイズ番組なんて、到底見る気がしないんだが。







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フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ア・ミリオネア   ★★1/2

 
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