アメリカにもホイッスリング・ストレイツのようなリンクス・コースはあるが、今回の全米の舞台であるチャンバーベイはどこから見ても英国のリンク ス・コースそのままで、最初何も知らずにつけたTVにチャンバーベイが映っているのを見た時は、あれ、もう全英の時期かと思ってしまった。


その今回のUSオープン、折り返し地点で5アンダーで首位はパトリック・リードとジョーダン・スピース。4アンダー、ブランデン・グレイス、ダスティン・ ジョンソン。タイガー・ウッズは16オーヴァーで箸にも棒にも引っかからずキャリア最悪の予選落ち。普通にフェアウェイからのショットをダフったり、フェスキュー草のラフからのショットではクラブを飛ばしたり、まったくいいとこない。TVでも落ちた偶像、みたいな感じで特集されているのを見るのは、ただただ痛々しい。


3日目終了時点で4アンダーで首位はスピース、グレイス、ジョンソン、ジェイソン・デイの4人。1アンダー 5位にルイ・ウーストヘイゼン、キャメロン・スミス、シェイン・ロウリー、J. B. ホームズの4人が続く。デイは2日目に持病の眩暈がするとかで途中で倒れてたりしていたが、踏ん張った。グレイスはこれまでEPGAで3日目終了時点で首位に立っていた場合の勝率100%だそうだが、全米ではどうなるか。


最終日は6アンダーまで伸びたジョンソンが後続に2打差つけ、ついにメイジャー初制覇かと思わせたところから、パットが決まらなくなり、ボギーが嵩む。そこにスピースが追いつき、リーチャブルの16番パー4でもバーディを奪い、6アンダーとなって後続に3打差つけ、勝負あったか。


しかしスピースはそこから17番パー3でティ・ショットをラフに打ち込み、信じられないダブル・ボギー。貯金を全部吐き出して4アンダー。しかしスピースは18番パー5で250ヤードを意地でグリーンに乗せてきてバーディ、5アンダーでレギュレイションを終える。


一方おかげで3アンダーまで後退してもうダメだろうと思っていたジョンソンが、17番で15フィートのバーディ・パットを沈め、4アンダーとなって復活する。ジョンソンは18番でも完璧なティ・ショット、セカンド・ショットは5番アイアンで、下りとはいえピン・ハイ12フィートにつける。イーグル・パットを入れれば逆転サヨナラ優勝、2パットでもプレイオフだ。


しかしジョンソンのイーグル・パットは、気負ったか4フィートもオーヴァー、優勝どころかいきなりプレイオフにも黄信号が灯る。そして返しのバーディ・パットは、カップ左をかすめ3パット・パー、2度もつかみかけた優勝を、自分のパターが無情にも打ち砕いた。4年前のホイッスリング・ストレイツでのPGAチャンピオンシップでも最後のポカがプレイオフのチャンスを潰えさせたが、今回もまたそうだ。なにもメイジャーでこんなことばかりしなくても。


スピースは5アンダーでメイジャー2勝目。4アンダー2位にジョンソンとウーストヘイゼン、3アンダー4位にグレイス、アダム・スコット、スミスの3人が入った。2アンダー7位にはシャール・シュワーツェルが入り、なぜだか南アフリカ勢は全米に強い。これでスピースは史上最年少の同じ年におけるマスターズと全米の制覇。前回これをしたのが2004年のウッズだったというのが、また世代交代を感じさせる。次は全英だ。












 

第115回全米オープン   ★★★1/2

2015年6月18日-6月21日、ワシントン州ユニバーシティ・プレイス

チャンバーベイ・ゴルフ・クラブ

 
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