第107回全米オープン

2007年6月14日-6月17日   ★★★1/2

ペンシルヴェニア州オークモント、オークモント・カントリー・クラブ

近年、かなりの確率で全米では優勝に絡んでいたフィル・ミッケルソンが、今年は2週間前に痛めた左手が完治してなく、サポーターをはめながらプレイするも予選落ち。それでも途中までは全然悪くなかったんだが、いきなり2日目の7番から18番までを9オーヴァーではチャンスはないだろう。一方、昨年珍しくも予選落ちしたタイガー・ウッズが、今回は頑張る。3日目は2アンダー68のスティーヴ・ストリッカーに及ばないだけの1アンダー69で回り、首位の2オーヴァーのアーロン・バッデリーに2打差の4オーヴァー、単独2位に浮上する。5オーヴァー3位にはスティーヴン・エイムス、ポール・ケイシー、ジャスティン・ローズ、バッバ・ワトソンの4人が続く。

ウッズは18番パー4でティ・ショットをラフに打ち込むまではすべてティ・ショットがフェアウェイをキープするほぼ完璧なゴルフで、パー・パットがほんの僅か左にそれてボギーになるまでは、たった一人だけボギー・フリーのゴルフだった。それ以外でもぎりぎりで外したパットのうち何本かが入ってさえいればと思わせた。それにしても最近勝ったのを見たことがないストリッカーが、昨年に引き続きまた優勝に絡み、ジム・フューリックもまた上位にいる。ストリッカーは全米でこれだけ上位に絡めるなら、もっとツアーで勝っててもいいような気もするが。いずれにしてもウッズは過去12回のメイジャーの優勝はどれもすべて3日目終了時点で首位か首位タイで、果たして今回チャンスはあるか。

最終日は1番パー4でバッデリーがトリプル・ボギー7で、いきなり勝負はわからなくなる。バッデリーはだいたい上位に絡んでも見るたんびに最終日に崩れていたから、ただでさえプレッシャーのかかる全米で大丈夫かなと思っていたら、いきなり最初のホールで崩れた。その後エイムス、アンヘル・カブレラ、ウッズの3人が4オーヴァーで首位に並んだかと思えば今度はそのウッズが3番パー4でダブル・ボギーを叩く。それから今度はウッズ、カブレラ、ストリッカー、エイムス、バッデリーの5人が5オーヴァーで並ぶなど、まったく予断を許さない展開。

しかも一つのミスが大叩きに繋がりかねない全米、段々ストリッカー、エイムス、バッデリーらが沈んでいく。最後まで踏ん張ったのはカブレラ、ウッズ、それにフューリックの3人。勝負はこの3人に絞られるもカブレラのできの方がかすかによく、この難しいコースで着実にバーディを奪い、15番パー4でバーディを奪った時点で3オーヴァー、その時6オーヴァーのウッズとフューリックに3打差をつけ、勝負あったかと思われる。

しかしフューリックも15番でバーディを奪い5オーヴァー、カブレラが16番パー3、17番パー4と連続してボギー、5オーヴァーとなってカブレラとフューリックが並ぶ。しかしフューリックはリーチャブルの17番パー4でまさかのボギー、6オーヴァーとまた一つ後退する。結局カブレラは5オーヴァー、フューリックは6オーヴァーでレギュレイションを終え、焦点はウッズがカブレラをとらえきれるかに絞られた。

しかしウッズも届くならここしかないと思われた17番でティ・ショットをグリーン右バンカーに入れ、第2打はグリーン・オーヴァー、結局なんとかそこからのアップ&ダウンを決めてパー、プレイオフにするためには18番パー4でバーディをとる以外なくなったが、グリーン奥からの25フィートのバーディ・パットは明らかに左フックを意識して右側を狙い過ぎ、1フィート以上右にそれ、この瞬間、カブレラの優勝が決まった。フューリックとウッズが1打差6オーヴァーで2位、7オーヴァー4位にニコラス・ファース、9オーヴァー5位にワトソンとデイヴィッド・トムズが入った。

エイムス、ケイシー、ローズは3人共この日6オーヴァー76で通算11オーヴァー10位タイ、バッデリーは最終日10オーヴァー80で通算12オーヴァーで、この日76のストリッカーと共に13位タイまで後退した。これで全米は4年連続してアメリカン以外のゴルファーが制する結果となった。フューリックは昨年に引き続いて全米2位、ウッズは今回もメイジャーでの逆転優勝はできなかった。それにしても全米って、見てて興奮するというよりも消耗するわあ。



 
 
inserted by FC2 system