US Open 2006       USオープン2006 アンドレ・アガシの引退試合

(2006年9月3日)    
ニューヨーク、フラッシング・メドウズ・コロナ・パーク
ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センター












地元開催のUSオープン、毎年必ず一度は足を運ぶことにしているが、今年の注目はなんといってもこれを最後に引退するアンドレ・アガシ。昨年のアガシ-ブレイク戦は歴史に残るクラシック・マッチだったが、そのアガシがついに現役に終止符を打つ。


とはいえアガシは既に全盛期を過ぎているのは誰の目にも明らかであり、シードとは無縁、初戦から苦戦を強いられる。一回戦はアンドレイ・パヴェルを相手に最初の3セットがすべてタイ・ブレイク、第2セットと第3セットをとり、第4セットを6-2でやっと初戦突破。2回戦は今度はマルコス・バグダイティスを相手に最初の2セットをとるも次の2セットを落とし、フル・セットにもつれ込み、やっと7-5でけりをつける。最終セットはバグダイティスも太もも痙攣を起こしての熱戦で、アガシを応援してはいるとはいうものの、どちらが勝ってもおかしくはない試合だった。















そして土曜日に予定されていたアガシの3回戦は雨のために後ろにずれ込み、なんと私たちがチケットを確保していた日曜になった。なんてラッキー! 毎年見に来てんだ、このくらいの余録はないと。もしかしたらこの試合がアガシの現役最後の試合になるかもしれないのだ。


この日はアガシ目当ての観客が大勢、切符が手に入らないのを覚悟でテニス・センター周辺に跋扈しており、こんなに人が出ているUSオープンを初めて経験した。駐車スペースを探して走っている私たちの車に合図して、チケットないかと聞いてくるやつらがいる。この感じだと会場周辺だけでチケットが手に入らないやつが数万人はいたんじゃないか。















ゲームの方は熱戦ではあったが、アガシはベンジャミン・ベッカー相手に4セットで破れた。うん、でも、あんたは本当によく頑張ったよ。試合終了後、満席の観衆が全員総立ちでアガシにお疲れ様のスタンディグ・オヴェイションを送る。拍手は10分以上鳴り止まなかったのではないか。スタジアム内のスクリーンにはうつむいて泣いているアガシの姿をとらえる。私も感動して生まれて初めてテニスの試合を見て泣いてしまった。実は私は過去、このUSオープンでなかなか強豪だったステファン・エドバーグの引退試合を見たことがあるが、ここまで感動的じゃなかったぞ。















その日までニューヨークはかなり雨模様で、その日も天気予報は曇り時々雨のはずだったのに、しかし当日、なぜだかピーカンに晴れ上がってしまった。私たちは雨具と傘、寒くなった時のためのパーカー等、雨対策を万全にして行ったが、晴れた場合のことはまったく考えてもいなかった。


おかげで何もさえぎるもののない9月上旬の炎天下で、こんなに焼けたのは何十年ぶりというくらい日焼けしてしまった。しかも完全な土方焼け。昼前から試合が始まり、終わったのは2時半と、最も陽射しの強い時にずっと観客席に座っていたのだ。とにかく最近のアガシの試合は長いからな。私はともかく女房は悲惨で、日焼け止めもぬらずサングラスをかけたまま正面から陽射しを浴びていたために、この歳になってまさかの逆パンダ焼け、シミになると絶句していた。2日後、むけてきた腕の皮を剥ぎながら、これで今年の夏も終わったと感じ入ったのであった。







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