第105回全米オープン

2005年6月16-19日   ★★★1/2

ノース・キャロライナ州パインハースト、パインハーストNo. 2

少しでもミス・ショットを打つと容赦なくグリーンからボールがこぼれてしまい、ゴルファーの心臓にすこぶる悪い台形グリーンで名高いパインハーストNo. 2で行われた今年の全米、99年の前回は、ペイン・スチュワートとフィル・ミッケルソンが手に汗握る熱戦を見せてくれた。さて、今回はどうなるか。


注目のミッケルソン、タイガー・ウッズ、ヴィージェイ・シング、アーニー・エルスのビッグ4は、初日こそ上位にいたが、2日目にミッケルソンとエルスが崩れ、結局、ウッズ、シングも特に首位に絡むことなく最終日を迎える。


その時点での首位は3アンダーのディフェンディング・チャンプ、レティーフ・グーセンで、この男、本当に全米に強い。要するに安定している。イーヴン・パーで2位のジェイソン・ゴアとオリン・ブラウンに3打差、1オーヴァーで4位のマイケル・キャンベルとマーク・ヘンスビーに4打差をつける。ウッズは3オーヴァーで6打差、シングは4オーヴァーで7打差と、グーセンの全米連覇の偉業の可能性は非常に高い。


しかしグーセンは最終日、2番、3番をダブル・ボギー、ボギーと、いきなり貯金を吐き出す。アンダー・パー・ゴルファーはいなくなり、勝負は混戦、グーセンには悪いが勝負としては俄然面白くなった。結局グーセンはその後もずるずると後退、代わって1番、2番と連続ボギーで、もう今回はダメだなと思っていたウッズがじりじりと順位を上げる。おうおうそう来るか。そしてバック・ナインに入り、勝負はウッズとマイケル・キャンベルの争いになる。


しかしウッズは、追い上げておきながら16番パー4でボギーを叩き、17番パー3でも20フィートから3パットのボギーでまた3オーヴァーまで後退、その時点で1アンダーのキャンベルに4打差となり、自分でチャンスの芽を摘んでしまう。ウッズは18番でバーディを奪い、キャンベルが16番でボギーを叩いたことで2打差となるが、キャンベルは17番でバーディを奪い、3打差となって、ほとんど勝負は決した。


キャンベルは18番でボギーを叩くも、この日ウッズと同じく1アンダー69、通算イーヴン・パーで、2オーヴァーのウッズに2打差をつけて初メイジャーの栄冠を手にした。5オーヴァー3位にはセルジオ・ガルシア、ティム・クラーク、ヘンスビー、6オーヴァー6位にはシング、デイヴィス・ラヴ3世、ロッコ・メディエイトが入った。この日最後の2組のパーティは、グーセンが11オーヴァー71、ゴアが14オーヴァー84、ブラウンが10オーヴァー80で、特にアンダー・ドッグ的なゴアがどこまで踏ん張れるかとは思っていたが、まさかグーセンまでがこういう崩れ方をするとは思わなかった。それにしても全米の我慢較べは緊張させてくれるぜ。





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