ディフェンディング・チャンプのフィル・ミッケルソンが第2子誕生ということで参加をパス、昨年に引き続き、賞金上位30人によるはずのトーナメントが29人で争われる。どうしてこのトーナメント、補充しないんだろう。ミッケルソンは大分前から家族と一緒にいる方が大事だからこのトーナメントには出ないと宣言していた。賞金ランキング31位のジャスパー・パーナヴィクを出してもよかったのに。


勝負の方は最終日、前日まで首位だったスコット・ヴァープランクがスコアを伸ばせなかったために首位に常時3-4人が並ぶ混戦となり、誰が勝つのか最後までわからない接戦となった。実際、現在のマネー・ランキング上位にいるエリート・ゴルファーのみによるトーナメントなので、誰が勝ってもおかしくない。優勝に絡んでいるケニー・ペリーなんて、30位ですれすれの出場なのだが、要するにこの辺のゴルファーなら誰でもいつでも勝てるくらいの実力があるのだ。これでタイガー・ウッズも優勝に絡んでくれれば私としては文句なかったんだが、とにかく勝負が面白くなることに関しては異議はない。


結局レギュレイションが終わった時点で、デイヴィッド・トムス、マイク・ウィアー、アーニー・エルス、セルジオ・ガルシアの4人が14アンダーで並び、プレイオフとなった。今年好調のトムスやガルシアはともかく、今年勝ち星がなく、これまでPGAでともかく年間1勝はしていたエルスが久し振りに優勝に絡み、ここはエルスを応援することにする。最近、とみにワッグルの時間が長くなっていらいらするガルシアには勝ってもらいたくないし、トムスも今年は充分勝ったのでもういいだろう。やはり変則的プリショット・ルーティンを持つウィアーもパス。しかし、ウィアーのフォームは昔は好きじゃなかったのだが、ウィアーの倍以上も変則的なクリス・デマルコが出てきたおかげで、ウィアーくらいだと別にそれほど変に感じなくなった。こういうのって、本当に相対的だ。


しかし18番パー4で行われたプレイオフでは、そのウィアーが一人だけバーディをとり、今季最後のトーナメントで有終の美を飾った。考えたらウィアーは、昨年も公式戦最終戦のアメックス・チャンピオンシップを勝っている。さて、今季のPGAも全日程を終えた。あとは見てみようかなと思うのは、せいぜいワールド・カップと今年のメイジャーの覇者4人で争うグランド・スラムくらいか。


実はこの日のアメリカは、特にニューヨークを中心として、大型スポーツが目白押しであった。午前中にはニューヨーク・マラソン、午後はこの全米プロ・ツアー選手権の最終日、そして夜はメイジャー・リーグ・ベイスボールのワールド・シリーズの最終第7戦でニューヨーク・ヤンキースがアリゾナ・ダイアモンドバックスと対戦と、9月11日のテロリスト・アタック以来、またまた一日中TVに齧りつく日となってしまった。その上ワールド・シリーズは裏番組にTV界のアカデミー賞、エミー賞の授賞式と重なってしまい、私は商売柄、それも見なければならない。本当にTV漬けの一日であった。


それにしてもなあ。ヤンキースはなあ。テロリスト・アタック以来、アメリカ中がニューヨークを応援しているので、今、ヤンキースは神懸かり的な勝ち方が続いている。対戦相手のダイアモンドバックスの本拠地、アリゾナに乗り込んでも絶対勝つと思ったのに。まさか悪夢の最終回逆転サヨナラ負けなんて。ウッズもエルスも勝てなく、ヤンキースも勝てなく、エミー賞の予想も大外れで、ぼろぼろの一日であった。







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全米プロ・ツアー選手権

2001年11月1-4日   ★★★

テキサス州ヒューストン、チャンピオンス・ゴルフ・クラブ

 
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