放送局: FOXファミリー
プレミア放送日: 6/18/2000 (Sun) 20:00-22:00
製作: B&Hエンタテインメント
製作総指揮: ランス・ロビンス
製作: ジャネット・ブーリング、アレクサンドラ・ホースドーフ、エドワード・オレスチャク
監督: シャロン・フォン・ヴィーターシャイム
脚本: エリック・タクマン
撮影: クリスチャン・シボールト
編集: ジョン・ギルバート
出演: ナスターシャ・キンスキー(グウェン)、ティモシー・ダールトン(マット)、ケヴィン・ジガース(トマス)、キャメロン・フィンリー(マックス)、ビリー・ケイ(ルイス)、ナタリー・マーストン(ダフネ)、ジェフリー・ロウアー(ラッセル)、ケリ・ガーナー(ケリー)
物語: 化学者のグウェンはバイオ・テクノロジーを駆使した栄養学的に完全な野菜の開発に取り組んでいた。グウェンはバツ一の3人の子持ちであったが、ものわかりのいい共同研究者でもある婚約者のラッセルの助けを得て幸せな毎日を送っていた。研究も一息つき、グウェンは子供を連れて夏のバカンスに向かう。
一方、セレブリティ・シェフとして有名なマットも3人の子を持つ男寡婦で、こちらも家族揃ってヴァケイションの準備をしていた。マットは中年になった今でも子供のような性格の持ち主で、思ったことはすぐ行動に移してしまう。夏の間借りていたバルボアの別荘に向かう途中、渋滞に頭に来たマットはいきなり割り込みをかける。それを見ていたのが化学者らしく四角四面のものの考え方をするグウェン。いきなりマットの車の行く手を塞ぎ、二人は往来の真ん中で喧嘩を始める。
騒ぎはこれだけでは終わらず、両家族は借りていた別荘でも鉢合わせ。貸主のミスでダブル・ブッキングをしていたのだ。両家はどうしようもなく他の別荘が見つかるまで嫌々ながらも一つ屋根の下で共同生活を始める。いざ一緒に暮らし始めると、グウェンとマットの二人とも相手に自分にはない長所も認めざるを得なくなり、二人の気持ちは段々接近していく。しかし、グウェンとラッセルとの結婚式の期日もまた間近に迫っていた‥‥
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ケーブル局のFOXファミリーは名前からもわかる通りFOX傘下のベイシック・ケーブル局である。2年前にFOXが金に物を言わせて家族向け番組専門チャンネルのファミリー・チャンネルを買収、FOXファミリーと改名したものだ。しかし、そうやって続々と新しい番組を編成し始めたのはいいが、どれもこれもヒットしない。「アダムズ・ファミリー」の新TVシリーズなんて結構目の付け所はよかったとも思うのだが、とにかくいかんせんヒットしなかった。
そうやって試行錯誤しているうちに、それなりに注目を集める番組も出始めた。その最たるものが、今春から始まった山の麓にある不良化した少年少女の矯正施設を舞台とした青春もの「ハイヤー・グラウンド (Higher Ground)」である。「ドクター・クイン」のジョー・ランドーが主演しているこの番組、まあ、特にお薦めするわけではないが悪くもないかなという程度なのだが、つい最近、この番組の名前を売る上で大きな出来事が起こった。この番組に不良少年として出演している準主演級の少年、ハイデン・クリステンセンが、ジョージ・ルーカスの次の「スターウォーズ」に、成長したオビ・ワン役として大抜擢されたのだ。この事件が番組に与えた影響は計り知れない。なんてったってこれまで無名のクリステンセンが出演しているドラマは後にも先にもこれだけ。多くの視聴者がクリステンセン興味でこの番組にチャンネルを合わせたのは想像に難くない。
別にこのことに勇気づけられたからというわけでもないだろうが、FOXファミリーは最近オリジナル映画製作にも力を入れている。だいたいハリウッド二線級の製作/出演陣で、視聴欲をそそるようなものはまだほとんどないのだが、今回のように、ナスターシャ・キンスキーとティモシー・ダールトンというなかなかの知名度を持った俳優を起用した番組も出始めた。
それでも私はまだFOXファミリーのオリジナル映画に興味はほとんど持てないのだが、今回は例外である。中年に差しかかったとはいえまだ十二分に美しいナスターシャ・キンスキーが主演のTV映画と聞いて、ついついチャンネルを合わせてしまった。キンスキーは、実はこの間もペイTVのショウタイムが製作するオリジナル映画「ストーム・イン・サマー (A Storm in Summer)」にも出演していた。「ストーム・イン・サマー」は実はいまだ現役のロバート・ワイズが監督、ピーター・フォークが主演というなかなか見所があるTV映画だったのだが、今はその話ではない。キンスキーである。「ストーム・イン・サマー」のキンスキーが楚々として非常によく、久し振りに、ああ、彼女ってやっぱり美しいなあと感嘆した後だったので、今回も思わずTVのスイッチを入れてしまったのだ。
でも、だからといって、それでもマジに番組を見ようとしていたわけではない。ほら、やはり私はこのチャンネルの作るTV映画って結構馬鹿にしているから、TVだけ点けておいて、キンスキーが出てきたらそこだけ見るつもりでいた。「タイタニック」の二番煎じで「ブリタニック」というチープなTV映画を厚かましくも製作してしまうチャンネルなのだ。こちらもその気でいなくては。
いざ番組が始まると、音楽が引っきりなしで、止まない止まない。主人公たちの家が出てくる最初のシーンは、ほとんど意味もないようなクレーン・ショットで、止まない音楽と相俟って、この演出は完璧実写版ディズニー映画の真似というか、パクりだぜ。家族向け映画って、最近ほとんどこういう演出をする。特に音楽を入れ過ぎるところなんてディズニーの弊害だなあと思いながらちらちら見ていた。
しかし、キンスキーはやはり相変わらず綺麗だなあ。腰から下がやや太めであることを除けば文句のつけようのない整った顔立ち。あと3kgくらい痩せてもらえれば完璧だと思うのだが。しかし、昔のキンスキーは、特に「テス」なんてそうだったと思うが、どちらかというと頭脳明晰の知的美人というよりも、時に白痴的な、ただ純粋に「美しい」というのを絵にしたような美しさだったのに、役の上とはいえ化学者になるまでになったか。彼女を家族番組に使うという発想はどう見てもアメリカのものだな。ヨーロッパではこういう発想はないだろう。
実際、この番組ではいつものような危なく頼りなげな美しさは陰をひそめ、アメリカの役者に見える。どちらかというと私が求めているのはこういうキンスキーではないんだが、それでも充分奇麗は綺麗。眼鏡をかけているキンスキーが、眼鏡をとると実はとても綺麗だったというほとんど陳腐な定石も、まあ家族番組だからいいか‥‥と思っていたら、この番組、製作陣のほとんどが、聞いたこともないヨーロッパ、特に東欧系 (ドイツ系?) の名前ばっかりで、ヨーロッパで企画が立てられた可能性が大きい。ううん、だとするともったいないキンスキーの使い方と私は思うのだが。それとも内容からして全員アメリカ生まれの2世かなんかか?
相方のティモシー・ダールトンも、007もこうなっちゃったかと最初は結構びっくり。大人になっても子供の心を失わない、直情径行型のセレブリティ・シェフという役どころで、あんたはしゃぎ過ぎだと思っていたが、見ているうちに段々気にならなくなった。元々こういう性格なのかも知れない。
内容の方は、これでもかとばかりの常套的演出の羅列で、これといって特に見所もなく、思いっきり先が読めてしまうのだが、でもそれなりにツボをちゃんと抑えているので、つまらないというわけではなく、なんとはなしに見てしまう。結局、キンスキーの出ているところだけちらちらと見るつもりでいたのが、全部見てしまった。他にやることあったのに。
