放送局: WB
プレミア放送日: 4/1/2001 (Sun) 19:30-20:00
製作: オブロング・プロダクションズ、モホーク・プロダクションズ
製作総指揮: ブルース・ヘルフォード、デボラ・オッペンハイマー、ジェイス・リッチデイル
製作: アンガス・オブロング、リチャード・クアン
監督: マイク・キム、ヴィンセント・ウォーラー
脚本: アンアス・オブロング (クリーピー・スージー)、ジェイス・リッチデイル
編集: リオ・パパン
音楽: ジョン・フランスバーグ、ジョン・リネル、デイヴィッド・マイケル・フランク
声の出演: ウィル・フェレル (ボブ・オブロング、他)、ジーン・スマート (ピクルス、他)、パメラ・セガール (マイロ、ジャレッド・クライマー、ザ・デビース、他)、ランディ・スクラー (ビフ、他)、ジェイソン・スクラー (チップ、他)、ジャニー・エリアス (ベス、スジー、マイキー、他)
物語: オブロング家は上流階級がごみや排水を垂れ流す、その川下に住む最下層階級の世帯である。最悪の住居環境が災いして、オブロング家の者は皆、身体に障害を抱えている。一家の長、ボブは工場で働いていたが、あまりに会社に提出する健康保険の請求が多すぎるため、これ以上家族の誰かが医者にかかるようなことがあったら首だと通告されていた。特殊な学校に通っていたマイロは、家計の出費を抑えるために公立の学校に転入せざるを得なくなる。しかし、皆と同じ学校に行きたいと思っていたマイロにとってそれは願ってもないことで、新しい学校に転入早々、マイロは胸焦がれる少女に出会うが‥‥
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基本的にアメリカのネットワークは、不特定多数の視聴者にアピールする、毒にも薬にもならないような番組を編成することが多い。それがネットワークの使命だからそれをあまりとやかく言うつもりはないのだが、それでも、時々まったく意外なところから虚を突いた意外な番組が出現する場合がある。それがこの、WBが編成したアニメーション「ジ・オブロングス」だ。
この「オブロングス」、いったい何がそう常識外れだというと、主要登場人物の全員が身体障害者なのである。しかも中途半端じゃない。オブロングス家の長、ボブは手足がなく、いつも弾みながら移動する。オートメーション工場では口にくわえた蓋を瓶にはめるのが仕事だ。彼はいつもパイプをくわえているが、いったいどうやって火をつけているのやら。妻のピクルスは元々は上流階級出身だが、そのボブと恋に落ちて越してきた。常時酒と煙草を手放さなず、髪が抜け落ちたため今ではかつらを被っている。長男/次男のビフとチップはシャム双生児で、腰から下が一体化している。二人は仲が悪く、同じ身体でいつも喧嘩ばかりしている。マイロは見かけは最も普通に近いが、それでも髪の毛が一本しかなく、子供が体験するありとあらゆる精神障害にかかっている。長女のベスは、頭に角のような不気味な突起物を生やしている、という具合だ。
これはもう身体障害者というよりも、フリークスである。まったくトッド・ブラウニングの「フリークス」そのままなのだ。ボブから連想するのは江戸川乱歩の「芋虫」か山上たつひこの「光る風」であって、尋常の神経ではこれはお笑いの対象とはなり得ない。なぜこういう登場人物でアニメーション・シットコムを作ってしまうのか、なぜこの企画が通ってしまったのか、まったくの謎だ。
クリエイターはアンガス・オブロングで、名前からも知れる通り、番組の主人公一家は彼の名前をいただいている。なんでもアンダーグラウンドではちょっとした知名度を持つマンガ家なのだそうだが、その代表作として「クリーピー・スージー (Creepy Susie)」、「13アザー・トラジック・テイルズ・フォー・トラブルド・チルドレン (13 Other Tragic Tales for Troubled Children)」なんてタイトルを出されても、いずれも私は聞いたこともない。共同クリエイターとして名を連ねているのが、「ザ・シンプソンズ」のジェイス・リッチデイル。ボブの声を担当しているのは、「サタデイ・ナイト・ライヴ」のウィル・フェレル。マイロの声はFOXの人気アニメーション「キング・オブ・ザ・ヒル (King of the Hill)」のパメラ・セガールが担当している。
「ザ・オブロングス」を放送するWBは、「フェリシティの青春」や「ドーソンズ・クリーク」、「バッフィ 恋する十字架」、「チャームド」等、若者向け番組を取り揃えているチャンネルだ。「ザ・オブロングス」も、若者にターゲットを絞って時代の先端を行く番組としてマーケティングしようとしているように見える。しかし‥‥やはりこれはやり過ぎではなかろうか。だいたい、プレミアを見る限り、面白くも何ともなかった。この番組を見て笑える人間はそうはいないと思う。なんでも時代の風刺にもなっているということだが‥‥私はパスだな。
