先週EPGAのドイツ銀行-SAPオープンでプレイオフの3ホール目でコリン・モンゴメリを下し、このトーナメント2連勝となったタイガー・ウッズがその興奮も冷めやらぬ間にアメリカに戻ってきて、今度は4連覇がかかるメモリアルに挑む。今回のSAPオープンはドイツの休日に合わせて日程が組まれたために、最終日はアメリカ時間の月曜朝となり、それから取って返して木曜日はメモリアルである。移動もあるから、ほとんど休養がとれたのは正味丸一日か一日半というところだろう。時差ボケもあるだろうに、いくら若いとはいえ本当にこんな強行スケジュールで大丈夫なのだろうか。


そしたらやっぱりウッズは精彩を欠き、初日、滅多にやらない2オーヴァー・パーの74で、早くも4連覇どころか予選突破さえ危うくなる。2日目頑張って何とか予選は通過したものの、3日目終了時点で通算イーヴン・パー、12アンダーで首位のボブ・トゥエイに12打差と、さすがに4連覇という偉業は夢と消えた。


一方、ウッズがぶっちぎりをしないため、勝負の方は近年にない面白いものとなった。最終日のバック9に入ってもトップから3打以内に常時10人から20人くらいがひしめく大混戦となり、まったく誰が勝つかわからない。最初、この日好調のデイヴィッド・デュヴォールが一時的に単独首位に立ち、このまま逃げ切るかに見えたが、その後連続ボギーを叩いてまた集団の中に沈む。トゥエイはもちろん、ヴィージェイ・シングやデイヴィッド・ピープルスもチャンスがあるが、集団から抜け出したかに見えてまた沈んでいく。丸山茂樹も頑張っている。それにしてもデュヴォールは、2日目終了時点ではウッズと同じイーヴン・パーだったのだ。これでウッズも優勝に絡めばなあ。


その誰が勝つかわからない展開に終止符を打ったのは、ジム・フューリック。フューリックは12番パー3でのフリンジからのチップ・ショット・バーディで調子づき、15番パー5でのグリーン横バンカーからの第3打が直接カップ・インするイーグルを決めて14アンダーとなり、続く16番パー3でもバーディを奪い、集団に3打差をつけた時点でほぼ勝負の行方を決めた。どっちかっつうと15番のイーグルは余計で、あれはない方がもっと勝負が競って盛り上がったのだが、ま、それはファンの傲慢というものだろう。結局フューリックは17番パー4でボギーを叩いたものの最終日65のベスト・スコアで、通算14アンダーで優勝、2位は12アンダーのジョン・クックとピープルス、11アンダーで4位にはデュヴォール、シング、丸山、トウェイ、ハリソン・フレイザーが入った。そのまたすぐ下にはフィル・ミッケルソンやアーニー・エルスらの名前もあり、彼らももうちょっと頑張ってくれたらもっと面白くなったんだが。因みにウッズは最終日66と頑張ったが時既に遅く、通算6アンダーと優勝にはかすりもしなかった。







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ザ・メモリアル

2002年5月23-26日   ★★★

オハイオ州ダブリン、ムーアフィールド・ヴィレッジ・ゴルフ・クラブ

 
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