The Astronaut's Wife

ノイズ  (1999年9月)

「宇宙旅行士の妻」という原題と、ジョニー・デップというキャスティングからして「アポロ13」のような宇宙を舞台とした大作ロマンだとばかり思っていたのだが、この間劇場で見た予告編ではどうもそうではないらしい。なんかホラーみたいだ。それはそれでいいと見に行きました。


宇宙旅行士スペンサー(デップ)が大気圏外で作業中2分間連絡が途切れ、何とか地球に帰還したのはよいが、同僚のパイロットとその妻はぎくしゃくし始め、やがて二人の死という結末を迎える。スペンサーの妻ジルは妊娠し双子を身ごもるが、段々と夫に疑惑を持ち始める。果たして夫は‥‥というストーリー。宇宙旅行士のくせに、宇宙のシーンはほとんどない。「エイリアン」みたいな作品かと思った予想も裏切られた。つまりこれはただたまたま主人公が宇宙旅行士であるだけのサスペンス・ホラーなのである。


序盤のキャラクターの書き込みがいいので、結構はらはらどきどきさせる。しかしエンディングは二流。あんなとってつけたようなラストはないでしょう。この辺が、うまく余韻を残してヒットしている「シックス・センス」と、ほとんど黙殺されたまま劇場から消えようとしているこの作品の差となっているんじゃないかなあ。サスペンスの盛り上げ方自体に両作品の差はあまりないと思うのだが。


ジルに扮するチャーリズ・セロンは頑張っている。「シックス・センス」でも主人公の男の子の母親役の女優がよかったりしたが、アメリカの役者の層は厚いよなあ。デップはいつ見ても思うのだが、いい役者なのかそうでないのかよくわからない。不思議な俳優である。






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