ジ・アフェア   The Affair 

放送局: ショウタイム 

プレミア放送日: 10/12/2014 (Sun) 22:00-23:00 

製作: ショウタイム 

製作総指揮/脚本: サラ・トリーム、ハガイ・ラヴィ 

出演: ルース・ウィルソン (アリソン・ロックハート)、ドミニク・ウエスト (ノア・ソロウェイ)、モウラ・ティアニー (ヘレン・ソロウェイ)、ジョシュア・ジャクソン (コール・ロックハート) 

 

物語: ノア・ソロウェイはニューヨークで公立学校の教師をしている。特に稼ぎがいいわけでもないがそれでもニューヨークでタウンハウスの一軒家を購入して暮らせ ているのは、義父がハリウッドの大物プロデューサーで、そこから金を調達できるからだ。妻ヘレンとの間には二男二女の子供たちがおり、思春期で手がかかり 始めた長女と長男、逆にまだ手のかかる次男と次女と4人の子供たちがおり、まるで気の休まる暇もない毎日だったが、それでも恵まれていると言えた。夏にな り、ソロウェイ家は毎年恒例のモントークのヘレンの父の豪邸に一と夏を過ごしに出かける。途中立ち寄ったレストランで、二女が咽喉にものを詰まらせ騒ぎに なる。その晩、波打ち際を夜の散歩に出たノアは、昼間のレストランでテーブルを担当していたウエイトのアリソンに出会う。浜に近い一軒家にアリソンを送り 届けたノアは、帰りがけに誰かが言い争っているのを聞く。アリソンの家に戻ったノアは、そこでクルマにもたれて犯されるように男とセックスしているアリソンを見る‥‥ 

 

アリソン・ロックハートはモントークで生まれ育ち、祖父母から譲り受けた浜辺の一軒家に夫のコールと住んでいた。町のレストランでウエイトをしており、コー ルとも表面上はうまく行っていたが、アリソンは数年前に子供を亡くした痛手からまだ立ち直っていなかった。ある夜、親戚の集まった夜に浜辺で涼むアリソンにノアが声をかける。ノアとその家族は昼間アリソンの働くレストランで食事をし、その時ノアの娘が咽喉にものを詰まらせる騒ぎになり、その時アリソンの機転で事なきを得たということがあったので、彼女のことを覚えていたのだ。ノアはアリソンを家まで送ってやるといい、半ば強引にキスしてその場を去る。その後すぐコールが女性の運転で家に帰ってくる。最初はほとんど口喧嘩から感情に火が付き、二人は屋外でクルマにもたれながらセックスする。その時アリソンは、遠くからノアが二人のことを見ているのに気がついていた‥‥


_______________________________________________________________

The Affair


ジ・アフェア  ★★★

正直言って、特に浮気する者たちの葛藤を描くという昼メロ (死語?) かソープのような題材の番組に惹かれてはいなかったのだが、この番組、なにやら前評判がやたらと高い。さらに私の贔屓俳優の一人であるルース・ウィルソンが出ている。それでチャンネルを合わせてみた。 

 

番組は最初、殺風景な場所で誰かからの質問に答えているノアの声で幕を開ける。要するにこれは、浮気がばれて一と悶着あった後の精神科医によるカウンセリングということなんだろう。まずはノアの当時の暮らし振りとそもそもの発端から始まるということらしい。 

 

物語は進み、上記のあらすじの上半分、ノアがモントークの義父の豪邸で夏休みの最中、途中立ち寄ったレストランでウエイトをしていたアリソンに出会い、さらにその夜、浜辺で再度遭遇、今後二人が接近しそうな気配を感じさせるまでを描いた後、話は今度はアリソンからの視点に移って描かれる。 

 

まず、ノアの場合と同様アリソンの現在の境遇を描いた後、二人が出会うレストランのシーンになる。そこでノアの次女がものを咽喉に詰まらせるという同じシー ンを描いているはずだが、そこでの二人の記憶は微妙に違う。ノアの記憶ではアリソンはノアの次女を助けるというよりもそばで思わせぶりな態度で見ているだけだが、アリソンの記憶では自分の機転がノアの娘を救う。 

 

その後夜の浜辺で再開した時も、ノアはアリソンがさも彼を誘っているかのような印象を受けるが、アリソンはノアが強引にキスしてきたという記憶だ。要するに二人が記憶していることには齟齬がある。意図的ではないにしても、どちらも多かれ少なかれ自分の都合のいいように記憶をたぶん捏造している。どちらが真実 かではなく、たぶんそれぞれにとってどちらも真実なのだ。 

 

しかしもちろん、客観的に見て第三者が納得できる真実、あるいは事実が、二人の話す事柄の間のどの辺かに位置しているはずだ。それはどこに位置するどういうものなのか。そしてそれはたぶん、両者にとって心地いいものではない。 

 

正直言って私はウィルソンが出ているから見てみたのだが、ノアを演じるドミニク・ウエストの微妙な偽善者ぶりもなかなかいい。その妻ヘレンを演じているのはモウラ・ティアニー、一方のウィルソン演じるアリソンの夫コールに扮しているのはジョシュア・ジャクソンだ。 

 

こういう描写に規制のないペイTV番組では、女優の裸が見れるのも、お、得したと思って悪くないのだが、「アフェア」ではまったく期待してなかったウィルソンの裸が見れるのもポイント高い。先頃は、どちらかというと真面目派という印象で、脱ぐのは露ほども期待していなかったアマンダ・ピートがHBOの「トゥゲザネス (Togetherness)」で脱いでて、こりゃあ意外なお年玉、眼福と思ったものだ。見てよかった。 

 

そして最後、アリソンと彼女に問診しているカウンセラーをとらえたカメラがゆっくりと後ろに引いていく‥‥ と、診察室かとばかり思っていた部屋の後ろにあるのは、あれは単なる装飾用の鏡ではなく、マジック・ミラーだ。これは診察室じゃない。警察の取り調べ室 だ。ノアとアリソンは共にカウンセリングを受けていたのではなく、警察の取り調べを受けていたのだ。道理でカウンセラーがやけにじじむさいおっさんだと思ったよ。いずれにしても、ということは、要するに二人の逢瀬は単に浮気で終わったわけではなく、警察が関わるような事件に発展したということだ。もしかしたら殺人事件になって関係者の誰かが死んでしまったのかもしれない。そうか、これは面白くなりそうだ。












< previous                                    HOME

 
 
inserted by FC2 system