2008年9月21日に発表のあった第60回プライムタイム・エミー賞 (The 60th Annual Primetime Emmy Awards) 受賞番組と、私の予想成績と反省。
コメディ・シリーズ助演男優
私の予想: ジョン・クライヤー 「トゥ・アンド・ア・ハーフ・メン」
受賞したのは: ジェレミー・ピヴン 「アントゥラージュ」
昨年と同じはずし方をしてしまった‥‥
コメディ・シリーズ助演女優
私の予想: ヴァネッサ・ウィリアムズ 「アグリー・ベティ」
受賞したのは: ジーン・スマート 「サマンサ・フー?」
近年は必ず最初は連続して外すので、当たらないのに慣れっこになってしまった。
ドラマ・シリーズ助演男優
私の予想: ジェリコ・イヴァネク「ダメージス」
受賞したのは: ジェリコ・イヴァネク「ダメージス」
ここは誰が予想してもなかなか当てにくかったはずだ。当たってちょっと鼻が高い。
ドラマ・シリーズ助演女優
私の予想: サンドラ・オー 「グレイズ・アナトミー」
受賞したのは: ダイアン・ウィースト 「イン・トリートメント」
この番組を見ていたのは業界人だけだったという話。
ミニシリーズ/TV映画主演女優
私の予想: フィリシア・ラシャド「レーズン・イン・ザ・サン」
受賞したのは: ローラ・リニー「ジョン・アダムズ」
ラシャドかリニーのどちらかに間違いないとは思っていたのだが。
ヴァラエティ/ミュージック/コメディ・シリーズ (Variety, Music or Comedy Series)
私の予想: 「ザ・コルベール・レポート」
受賞したのは: 「ザ・デイリー・ショウ・ウィズ・ジョン・スチュワート」
そろそろ「デイリー・ショウ」の覇権も衰えてきてもおかしくはない頃と思ったんだが、いまだに強い。一方、「コルベール・レポート」はこのジャンルの脚本の分野で受賞しており、着実に前進している。
TV映画
私の予想: 「ア・レーズン・イン・ザ・サン」
受賞したのは: 「リカウント」
ダメだったか。
ミニシリーズ/TV映画助演男優
私の予想: スティーヴン・ディレイン「ジョン・アダムズ」
受賞したのは: トム・ウィルキンソン「ジョン・アダムズ」
ウィルキンソンってエミーでもアカデミー賞でも忙しいねえ。いずれにしてもウィルキンソンは、どっちかっつうと「アダムズ」ではなく「リカウント」でこの部門で受賞するのが私としては納得だが、しかし、まあ、大した働きなのには相違ない。
ミニシリーズ/TV映画助演女優
私の予想: オードラ・マクドナルド「レーズン・イン・ザ・サン」
受賞したのは: アイリーン・アトキンス「クランフォード」
PBS番組ってだいたいいつも思ってもいなかったところで賞とりに絡む。
リアリティ/コンペティション・プログラム
私の予想: 「ジ・アメイジング・レース」
受賞したのは: 「ジ・アメイジング・レース」
6連覇だ。自分で予測しておきながら本当に来るとは思っていなかった。
ミニシリーズ
私の予想: 「ジョン・アダムズ」
受賞したのは: 「ジョン・アダムズ」
ま、ここは今回最も自信があったところだから。
ミニシリーズ/TV映画主演男優
私の予想: ポール・ジアマッティ「ジョン・アダムズ」
受賞したのは: ポール・ジアマッティ「ジョン・アダムズ」
「ジョン・アダムズ」は強いなあ。
コメディ・シリーズ主演男優
私の予想: トニー・シャルーブ 「モンク」
受賞したのは: アレック・ボールドウィン「30ロック」
シャルーブかボールドウィンとちゃんと言っているんだが。
ドラマ・シリーズ主演女優
私の予想: キラ・セジウィック 「ザ・クローザー」
受賞したのは: グレン・クローズ「ダメージス」
どうにかしてセジウィックにとらせてやりたいなあ。
ドラマ・シリーズ主演男優
私の予想: ブライアン・クランストン「ブレイキング・バッド」
受賞したのは: ブライアン・クランストン「ブレイキング・バッド」
来た来た来たーっ! 自分でクランストンと予想しといて言うのもなんだが、キーファー・サザーランドがクランストンの名を読み上げた時は、一瞬自分の耳を疑ってしまった。しかし大穴に賭けて当たると、心臓ばくばくもんで嬉しい。競馬で万馬券しか買わない夢見る競馬好きの気持ちがわかったような気がした。
コメディ・シリーズ主演女優
私の予想: ティナ・フェイ「30ロック」
受賞したのは: ティナ・フェイ「30ロック」
ずばり読み通り。
コメディ・シリーズ
私の予想: 「30ロック」
受賞したのは: 「30ロック」
後半はかなり勝率が高い。
ドラマ・シリーズ
私の予想: 「マッド・メン」
受賞したのは: 「マッド・メン」
最後は4連勝で有終の美。結構満足。
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9月13日に発表のあったマイナー部門の受賞予測。
ノンフィクション・スペシャル
私の予想: 「オーティズム」
受賞したのは: 「オーティズム」
特に自信があったわけではないが。
ノンフィクション・シリーズ
私の予想: 「ディス・アメリカン・ライフ」
受賞したのは: 「アメリカン・マスターズ」、「ディス・アメリカン・ライフ」
ダブル受賞って、そんなのありか。
リアリティ・プログラム
私の予想: 「インターヴェンション」
受賞したのは: 「キャシー・グリフィン: マイ・ライフ・オン・ザ・D-リスト」
2連覇!? 本当!?
アニメーション
私の予想: 「ロボット・チキン」
受賞したのは: 「ザ・シンプソンズ」
実は昨年、来年「シンプソンズ」かと正しく読んでいたのだが、その自分の読みを忘れて「ロボット・チキン」にしてしまっていたのだった。
総評 (反省と今後の対策)
ダブル受賞でそのうちの1本を当てたノンフィクション・シリーズ部門を正解とするか不正解とするかで、22部門中9勝 (勝率4割) か10勝 (4割5分) かの違いが出る。中間をとって的中率4割2分5厘と言っても文句は言われないと思うが? いずれにしても前半はやはりはずれが大勢を占めるというのは今回も変わらなかった。今後の課題だ。
今回のエミーは60回記念ということで、今年から新しく登場したリアリティ・ショウ・ホスト部門にノミネートされた5人が一緒に、あるいは交互にホストを担当することで、ショウを華々しくしようとした意図が窺えた。これが完全に失敗してしまったことは火を見るより明らかだ。とにかく収拾がつかず、まったく興ざめに終わってしまった。オープニングからちゃらちゃらとかまびすしくいたずらに時間を費やし、いきなり最初の受賞者のピヴンが壇上で苦情を言い、それが会場から同意の拍手を受ける始末。
さらにまったく受けなかったジョシュ・グローバンの番組テーマ・ソング・メドレー、くすりともできなかった「ラフ・イン」の再構成等、今回のエミー賞はできがいいとはまったく言えなかった。身体を張ったトム・バージェロンとハイディ・クルムの掛け合いも、あれはクルムは痛そうじゃなくて本当に痛かったに違いない。絶対どこかに青タン作ったろう。
少なくとも面白かったと言えたのは、昨年、TV映画部門で受賞したが会場にいなくて、プレゼンターのジョン・スチュワートとスティーヴン・コルベールによって盟友のスティーヴ・キャレルに贈られた?エミー賞受賞トロフィを返せと、リッキー・ジャヴェイスが会場の一番前の席に陣取って座っているキャレルに向かってしつこく迫ったシーン (ポーカー・フェイスのキャレルの受けの演技がよかった) と、リアリティ・ショウ・ホスト部門の発表で、プレゼンターのジミー・キメルが発表の瞬間に、ではコマーシャルの後で (発表) と、勝ち抜きリアリティ・ショウでお馴染みのつかみを利用したギャグで、この二つは受けた。
しかし結局、今年のエミー賞も近年の視聴者減という傾向に歯止めをかけるに至らず、視聴者数は1,230万人という、1990年以来の史上ワースト・タイという記録に留まった。その一方で、史上初めてベイシック・ケーブル・チャンネルが製作するドラマがドラマ・シリーズ部門を制するという快挙を達成、時代はその曲がり角に来ているという意識を強く喚起させた。さて来年のエミーは持ち直すことができるのか、乞うご期待。