放送局: NBC

プレミア放送日: 2/27/2000 (Mon) 21:00-23:00

製作: ホールマーク・エンタテインメント、カーニヴァル・フィルムス・アンド・プロダクション・ライン

製作総指揮: ロバート・ハルミSr.、ロバート・ハルミJr.

製作: ブライアン・イーストマン、ジェイン・プラウス、サイモン・ムーア

監督: デイヴィッド・カールソン、ハーバート・ワイズ

脚本: サイモン・ムーア

撮影: ローレンス・ジョーンズ、クリス・ハワード

編集: クリス・ウィンブル

音楽: アン・ダドリー

出演: キンバリー・ウィリアムス (ヴァージニア)、ジョン・ラロクエット (トニー)、スコット・コーエン (ウルフ)、ダイアン・ウィースト (女王)、ルトガー・ハウアー (ハンツマン)、カムリン・マンハイム (白雪姫)、アン・マーグレット (シンデレラ)


物語: ヴァージニアはセントラル・パークのすぐ傍の高級アパートメントで管理人として働く父のトニー共に住んでいる。自転車に乗ってセントラル・パークを横断してアルバイト先のレストランに行く途中、ヴァージニアは突然現れた犬に衝突してしまう。ヴァージニアは壊れた自転車と犬と共にレストランに行くが、そこにヴァージニアを探している変な男ウルフが現れる。実は犬は本当は異次元の「第4王国」のプリンスで、魔法を使う女王の力によって犬に姿を変えられ、魔法の鏡を通してこの世界に逃げてきたのだった。一方、ヴァージニアの家ではウルフによって中途半端に魔法の力を使えるようになったトニーが巻き起こした騒ぎのために、トニーはFBIの手によって逮捕されてしまう。手錠をしたまま何とか逃げ出したトニーはヴァージニアと合流し、犬の力を借りて第4王国へと脱出するが‥‥の友達は彼を遠巻きにするようになり、マルコムは一人孤立してしまう‥‥


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TVのミニ・シリーズ製作の第一人者、ロバート・ハルミSr.が息子のロバート・ハルミJr.と共に製作する、キャリアの集大成とも言うべき大作ファンタジー・ミニ・シリーズ。なんといっても10時間という最近では例を見ない長さが最大の特徴。昔「ルーツ」とかの10時間を超えるミニ・シリーズがなかったわけではないが、それはケーブルTVという対抗勢力がなかった時代の話で、100チャンネルの選択肢がある現在、1回2時間ずつ、飛び石で5夜の短期決戦ミニ・シリーズを一体誰が見るというのか。


と思ってたんだが、別に悪くない、これが。ハルミは「ガリヴァー旅行記」など特撮はお手のもんだし、それをうまい具合に使っている。確かにハリウッドの一流の特撮と比較すると多少劣るのは致し方ないが、TVの小さな画面を横になって見る分にはほとんど気にならない。ファンタジーなんだから、変にぎこちないところなんかも笑って許せるという感じ。だって犬に変身させられた王子がこの世界に現れる場所がニューヨークのセントラル・パークってやっぱり出来過ぎだし、この手のなんで?ってやつは言い出せば切りがない。でも、第4王国の悪漢共が、なぜだか「バッフィ・ヴァンパイア・スレイヤー」「エンジェル」のヴァンパイアとそっくりになってしまうのは何故? とはどうしても思ってしまうなあ。これだけCGが進化しているんだから、クリーチャー造型ももうちょっと進化していいと思うんだが。何か、この種の番組に出てくる悪者って皆似たり寄ったりの姿形をしている。一考の要あり。


この番組、何でも「白雪姫」と「赤頭巾」と「シンデレラ」を全部ごった煮にした内容だそうで、その発想も凄いんだが、もっと凄いのがその白雪姫に「ザ・プラクティス」のカムリン・マイハイム、「シンデレラ」にアン・マーグレットを持ってきたというキャスティング。「ザ・プラクティス」を見た人ならわかるだろうが、やや太めのカムリン・マイハイムは白雪姫というよりもベイブの姉妹という感じ。幸せ太りになってしまった白雪姫という設定なのだそうだ。


300歳になったという設定のシンデレラを演じるアン・マーグレットも、これまた凄い。彼女は実際には今いったい何歳なんだ?60は行ってないかも知れないが、 50を下回るということはあるまい。それが若作りして今も幸せに暮らしているというシンデレラを演じるわけか。ファンタジーの話なのに、一部だけやたらと歳とる人が出てくるというのもよくわからないが、そういうことも含めてファンタジーということか。結局ファンタジーなんだから何でもありで、深く考えてはいけないということらしい。因みにマーグレットは、この番組の裏番組であったCBSのミニ・シリーズ「パーフェクト・マーダー・パーフェクト・タウン」 (あの6歳のビューティ・クーン、ジョンべネット・ラムジー殺人事件のドキュドラマ)で、殺されたジョンベネットの祖母役としても出ていた。何か、目が回るなあ。


でも、主演のヴァージニアを演じるキンバリー・ウィリアムスはファンタジー向きの顔立ちをしている。「花嫁のパパ」とかにも出演しているが、出演映画よりも、一時テニス・スターのピート・サンプラスの彼女として、サンプラスが出ている試合になると必ずコート・サイドに座っていたことによる露出度の方が高いのではないか。ここのTVは必ずプレイヤーの関係席に座っている親兄弟や彼彼女を映して、それが誰だか説明を加える。


世界ランキングNo.1に長期間にわたって君臨し続けたサンプラスの彼女である。「花嫁のパパ」を見た者よりもサンプラスの試合を通じて彼女の顔を覚えた者の方が多いはず。しかしそのカップルも解消して今はない。サンプラスの試合を見る時にウィリアムス(ヴィーナスじゃないよもちろん、キンバリーの方)の顔も見るのは楽しみの一つだったのに。残念。ヴァージニアの父トニーを演じるジョン・ラロクエットは、自分のTV番組「ジョン・ラロクエット・ショウ (John Larroquette Show) 」を持っているほどアメリカでは有名なコメディアンである。


脚本は「ガリヴァー旅行記」、「エクスカリバー 聖剣伝説」のサイモン・ムーア。これだけの材料を混ぜ合わせて一つの作品としてまとめるのに10年の歳月がかかったそうである。製作費は4,000万ドル、製作日数7か月、ロケーションはイギリス、フランス、オーストリア、ドイツで敢行。金はかかっている。


ハルミSr.は昨年11月にも、NBCで4時間のファンタジー・ミニ・シリーズ「ザ・マジカル・レジェンド・オブ・レプリコーンズ(The Magical Legend of the Leprechauns)」を製作して放送したが、よい視聴率を上げることができなかった。そのため、視聴者はもうこの手の番組に興味を示さなくなったのかと今回の成績が注目されていた。


蓋を開けてみると、今回も視聴率の点では惨敗、裏番組のABCのミニ・シリーズ「ビーチ・ボーイズ(Beach Boys)」(もちろんあのビーチ・ボーイズのドキュドラマ)、CBSの「パーフェクト・マーダー‥‥」の足元にも及ばないという完敗、ハルミSr.が製作する大作ミニ・シリーズの今後に翳りが出てきた。私は結構好きなんだけどね、ハルミSr.のミニ・シリーズ。たまには彼のこういった荒唐無稽な作品を定期的に見たいと思うんだが。特に番組の冒頭の2分間、ニューヨークの摩天楼がいつのどこの時代とも知れぬ王国へと変貌して行く様をとらえたCGシーンは、TVでもここまでやれるのかとしばし感慨に耽ったのであった。 






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The 10th Kingdom

ラスト・キングダム   ★★1/2

 
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