放送局: コメディ・セントラル

プレミア放送日: 4/4/2001 (Wed) 22:30-23:00

製作: インポータント・テレヴィジョン

クリエイター: マット・ストーン、トレイ・パーカー

製作総指揮: マット・ストーン、トレイ・パーカー、アン・ガレフィノ

製作: クレイグ・ワイリック-ソラリ

共同製作: ジェニファー・ハウエル

監督: ジェフリー・メルマン

脚本: マット・ストーン、トレイ・パーカー、ヴァーノン・チャットマン、ジョナサン・キメル

撮影: リチャード・ブラウン

音楽: キム・ブラード、トレイ・パーカー

編集: アンドリュー・チャラック

美術: トーマス・アザリ

出演: ティモシー・ボトムズ (ジョージ・W・ブッシュ)、キャリー・クイン・ドラン (ローラ・ブッシュ)、カート・フラー (カール・ローヴァ)、マーシャ・ウォレス (マギー・ホウリー)、クリステン・ミラー (プリンセス・スティーヴンソン)、ジョン・ダクイノ (ラリー・オシー)


物語: 米大統領のジョージ・W・ブッシュは最近忙し過ぎてファースト・レイディのローラと一緒に寛ぐ時間がほとんどない。不貞腐れ気味のローラのご機嫌をとるため、ジョージはホワイトハウスで二人だけのディナー・パーティを約束する。しかし実はその夜には既に、中絶絶対反対の急進派と、女性の自立のためには中絶もやむなきとする人権擁護派の代表を迎えた会合の予定が入っていた。ローラに今さら予定をキャンセルするとは言えないジョージは、別々の部屋で二つのディナーを同時に進行させようと試みるが‥‥


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「サウス・パーク」で一躍弱小ケーブル・チャンネルのコメディ・セントラルをメジャー・チャンネルに押し上げた、マット・ストーンとトレイ・パーカーが製作する今度は実写のシットコム。タイトルからもわかる通り、現アメリカ大統領のジョージ・W・ブッシュを揶揄するコメディだ。現存する人物の名をそのまま使ってギャグにしてしまい、それを見て皆笑っているわけだから、アメリカというのは変なところで懐が深い。


この番組、昨年からコメディ・セントラルの第2の「サウス・パーク」になるかと、非常に注目されていた。最初から新大統領を主人公にするというのだけは決まっており、ゴアになるか、ブッシュになるか、その結果を待ち、新大統領が決定次第、番組製作にとりかかる手筈になっていた。そしたらご存知のように大統領選出が遅れに遅れてしまい、そのため、当初2月末にプレミアが予定されていたこの番組も、4月まで放送がずれ込んだものである。


番組の骨格が既にでき上がっているのに、最も重要な主人公が誰になるかが現実の状況変化待ちというのもおかしいが、ストーンとパーカーはそれどころではなかったようである。なにせ、主人公は次期米大統領と決まっている。しかし、マリファナやアルコール問題など何かと話題には事欠かないブッシュに較べ、品行方正で通っているゴアが大統領になってしまったら、話作りが大いに難しくなる。ストーンとパーカーが民主党なのか共和党なのかは知らないが、今回ばかりはブッシュに勝って欲しいと思っていたのは間違いないだろう。


さて、祈りが天に通じたか、見事にブッシュは大統領に選ばれ、番組も製作が開始された。そのプレミアの話を見て、私はぶっ飛んでしまった。プレミアでは、お調子者のブッシュがファースト・レイディのローラとのディナーと、中絶賛成派と反対派の代表との会合をたまたま同じ日にブッキングしたために起こる騒動を描く。まず、中絶賛成派の代表は容貌魁偉なレズビアンで、結構皮肉が利いているが、それよりも凄いのが中絶絶対反対派の代表である。実はこれが小人の人形 (「チャイルド・プレイ」のチャッキーそっくり!) で、過去に自分自身母のお腹の中にいる時に中絶されかかったが、奇形となって生き延びたという設定なのだ。これを笑い飛ばすのである。


一方ローラもローラで、最近ブッシュの大統領の仕事が忙しくて夫婦の営みに疎遠になっているため、ホワイトハウスでの二人だけ (とローラは思っている) のディナーでムードを盛り上げようと、ダイニング・ルームでエッチしようと提案して素っ裸になってしまうのだ。もちろんそこへ前出の会合のメンバーがなだれ込んでてんやわんやの騒ぎになるという展開だが、いや、私は呆気にとられました。これって本当に本人や当該団体から訴えられなくていいの? 本当にアメリカっていう国は変なところで異様に寛容というか民度が高い。


ブッシュに扮しているのはティモシー・ボトムズ。今の若い人は知らないだろうが、私が若い時に (ああ、私もこういう言い方をする歳になったか)、「ペーパー・チェイス」、「ジョニーは戦場に行った」、「ラスト・ショー」等のシリアスな作品に立て続けに出て人気を博していた、青春スターの代名詞みたいな存在だった。それが今や赤ら顔の中年お笑い役者である。しかもそれが結構悪くないんだから、はまり役というのはつくづく不思議なものである。気のせいかブッシュにも似ている。


ローラに扮するキャリー・クイン・ドランは、これが初めてのメジャーな役の由。ホワイトハウス付きの家政婦マギーには、「フルハウス」のマーシャ・ウォレス、大統領付きの秘書ローヴァには、「最終絶叫計画」のカート・フラーが扮している。おっぱいがでかいだけで使えないアシスタントのプリンセスに扮するのは、クリステン・ミラー。


私はプレミアを見てこれは凄いと思って、「ダッツ・マイ・ブッシュ!」の2回目も見た。実は、私がシリーズもののプレミア以外に2回目も見るなんて、滅多にないのである。余程これは面白いと思わない限り、普通はまず見ない。今年になって放送が始まった番組で何回か見た番組は、リアリティ・ショウを別にすればA&Eの「センター・ストリート100番地」だけだ。


期待して見た第2回であるが、プレミアほどじゃなかった。今度は死刑制度を笑い飛ばすという筋書きになっており、ホワイトハウスに遊びに来た大学時代の同窓生にいいとこ見せようとして、役者を使って死刑を演出しているとばかり思い込んでいるブッシュが、そうとも知らずに本当にスイッチを入れて死刑囚をあの世送りにしてしまうという話である。しかしプレミアが実に強烈だっただけに、これくらいじゃ別に驚かない。このくらいの話なら他のところでも見たことがある。それに較べてプレミアのチャッキーは強烈だった。毎回あれくらいの話をつくるのはやはり無理があるか。



追記 (2001年8月):

視聴者の度肝を抜く出だしで始まった「ダッツ・マイ・ブッシュ!」であるが、流石にプレミアの勢いをその後も維持するのは難しかったと見えて、話は段々尻すぼみになり、それと並行して視聴率も下降していった。結局コメディ・セントラルは8月上旬に番組のキャンセルを発表している。しょうがないだろうね。最後の方は誰も話題にもしなくなったし。ストーンとパーカーは、また本家の「サウス・パーク」の方で頑張ってもらいたい。あるいはまた別の番組を期待します。







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ダッツ・マイ・ブッシュ!   ★★1/2

 
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