放送局: ABC

プレミア放送日: 5/13/2002 (Mon) 22:00-23:00

製作: プラネット・グランデ・ピクチュアズ、TVガイド

製作総指揮: ジョン・ワトキン、イアモン・ハリントン、ジャニス・キャプラン

製作: ジョン・フィッツジェラルド

監督: イアモン・ハリントン


内容: アメリカの全TV史を通してベスト50番組を選出する。


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いやあ、今回の5月のスイープにははっきり言って挫けてしまった。昨年、CBSが11月のスイープ月間に、過去のヒット番組「ザ・キャロル・バーネット・ショウ」のリユニオン特番を組んだ。それが大当たりしたのなんのって、誰もが驚く高視聴率を獲得したのだ。それだけでなく、同じ月に編成された、マイケル・ジャクソンの復活? コンサートの中継「サーティース・アニヴァーサリー・セレブレイション」や、「アイ・ラヴ・ルーシー」の回顧特番も高視聴率を獲得した。同時多発テロ後最初のスイープであったことも手伝って視聴者の嗜好が保守的になり、懐古趣味が世相を被ってしまったことがこれらの高視聴率に結びついた理由であると考えられている。


それはそれでいいんだが、今5月のスイープは、すべてのネットワークがこの懐古的風潮にあやかろうと、一斉に過去の人気番組のリユニオン番組を企画したのだからたまらない。どこもかしこも往年の人気番組特集みたいなラインナップになってしまった。笑わせてくれるのがFOXで、まだ放送を開始して15年にしかならない新参のネットワークということもあり、この種の番組を編成するにはどうしても手駒が足らない。それで他のネットワークがとりこぼした過去の人気番組を探した結果、FOXでは「MASH」のリユニオン特番が編成された。ま、目のつけどころは悪くない。なんてったって「MASH」の最終回は、スポーツ中継を別にすれば、アメリカのドラマ/シットコム史上最高の視聴率を獲得しているのだ。しかし、実際にその「MASH」を放送していたのはCBSである。それに出演していたアラン・アルダなんかも嬉々としてFOXのこの特番に出演したわけで、編成する方も出演する方も仁義ないよなあと思ってしまう。


まあ、いずれにしてもこういったブームは、確かにそれはそれで役に立たないことはない。これだけ過去の番組のリユニオン番組が特集されると、話だけは知っていたけど実際には見たことがなかったという番組のクリップを見る機会があるからだ。私がアメリカに来たのは91年で、それ以前の番組ははっきり言ってほとんど知らない。「アイ・ラヴ・ルーシー」や「ハネムーナーズ」あたりだと、TVランドで永遠に何度も繰り返し再放送しているから見る機会もあるが、前出の「キャロル・バーネット・ショウ」や「メアリ・タイラ・ムーア・ショウ」あたりは、話だけはよく聞くのだが、実際に番組そのものを見たことはない。「サタデイ・ナイト・ライヴ」のそもそもの創生期に、ジョン・ベルーシやチェヴィ・チェイスよりも人気のあったというコメディエンヌのギルダ・ラドナーだって、本人よりもラドナーの真似をする誰かを見る機会の方が多い。そういう、過去の人気番組を特集したリユニオン番組がこれでもかというごとく編成されたため、オリジナルのクリップを目にするまたとない機会も提供してくれた。


その種の番組の極めつけが、この「TV Guide's 50 Greatest Shows of All Time」という長ったらしいタイトルの、過去のTV番組を回顧する特番である。読んで字の如く、これまでアメリカのTV局が放送してきた全番組の中から、代表的な番組50本を選出するという、冒険というか、暴挙である。この番組を企画した「TVガイド」誌といえば、アメリカで最も古い歴史を持つTV情報誌だ。A5版くらいの大きさの週刊誌であり、アメリカ中どこに行っても、スーパーマーケットやグローサリー・ストアのキャッシャーの脇にこの雑誌を置いてないところはないという、正真正銘本物の国民的雑誌である。こんなにTVチャンネル数の多いアメリカで、なぜだかTV情報誌はこの雑誌だけしか発売されていないということもあり、いまだに根強い人気を誇る。


アメリカでTV情報誌が「TVガイド」だけしかないのは、基本的にアメリカではTVの情報を得るのに、消費者は新聞の日曜版を買うと付録として付いてくる週刊のTV情報誌で間に合わせることの方が多いからというのが、最も大きな理由だろう。例えば、ニューヨーク・タイムズの日曜版には、毎回60ページの、付録というにはあまりにも立派なちゃんとしたTV情報誌「テレヴィジョン (Television)」がついてくる。デイリー・ニューズの日曜版についてくるTV情報誌はオール・カラーということもあって見やすく、私はTVのスケジュールを調べる時は専らそちらの方を利用している。つまり、毎日曜に新聞を買う者にとって、TV情報誌はわざわざ別個に金を出して購読する必要のないものなのだ。


その上、「TVガイド」は見にくい。なぜ十年一日のごとくあの見にくいスケジュール表を飽きもせずに掲載しているのか、皆目見当がつかない。多分、昔「TVガイド」一誌しかなく、その時にその体裁に慣れたオールドTVファンが文句も言わずにいまだにこの雑誌を買っているから、版元もそれに安住しているのだろう。とにかく見にくいことは折り紙つきで、私はこの雑誌で編成スケジュールを調べる気になんか到底ならない。つまり、私にとって「TVガイド」はほとんど利用に堪えない雑誌でしかないのだが、そこはそれ、なんといっても歴史がある。この雑誌がこれまでの歴史において集積してきた情報量は生半可なものではなく、それだからこそ、アメリカのTV番組ベスト50を選んでみよう、なんてことを本気で考えてみたりするのだ。


こういった番組は、くだらないとは思うが、反面、私のようにまだTVという媒体の歴史全体から見れば若い視聴者にとって、一種の参考になるのは事実である。初めて耳にする埋もれたTV界の傑作、なんて番組にお目にかかれるかもしれないし、それに、こういうランク付けは見たりやったりするのが楽しいのは事実だ。えーっ、こんな番組がこんなに高い位置づけなの、とか、これはもっと高い評価であるべき、なんであの番組がランク・インしてないんだ、なんて自分の屁理屈をこねて自分の視点と見較べる楽しみもある。なんというか、アカデミー賞で誰がオスカーを獲得するか予想するのと同じような楽しみがあるのだ。


というわけで、いそいそとチャンネルを合わせてみたんだが、これは結構腹が立った。というのも、全TV史の中から50本の番組を選ぼうというのに、番組時間がたったの1時間しかない。1時間番組というのは正味45分程度だから、どう考えても1本当たりに割ける時間は1分もない。1分で一つの番組を紹介して回顧してコメントつけるなんて、どだい無理な話だったのだ。どうしてもある番組にかける時間は長くなり、そうするとそのために他の番組を紹介する時間は減る。結果、幾つかの番組は画面で文字として紹介するだけで、たった1シーンのクリップすら流さないで終わるという、非常に腹立たしい番組構成となってしまった。そんなんだったらやる意味なんかねーぞ。この種の番組は最低2時間の時間を割いて大々的にお祭り騒ぎとして演出するか、どうしても1時間しか時間がとれないんだったら、せめてベスト10とかベスト25くらいまでに留めておいて、もっと一つ一つの番組を詳しく紹介してもらいたかった。


とまあ、非常に不満たらたらの番組構成であったのだが、それはともかく、「TVガイド」誌が挙げたアメリカのTV番組ベスト50をついでだから紹介しておこう。因みに、私が渡米したのは91年のことであり、当然のことだが私はこのリストに挙げられている番組のうち、リアルタイムでは90年代以降に放送が始まったか、あるいはまだ放送が続いていた番組しか実地に見たことはない。それがだいたい20本くらい。シンジケーションやケーブル・チャンネルで再放送されているので見たことがある番組が10本くらい、つまり、実際にこの目で見たことがある番組は、全50番組中30番組程度である。リストの中には、CBSが放送した白黒画面時代の生90分ドラマ!!! シリーズ「プレイハウス90」なんて、どう画策しても現代では見る機会なぞないと思える番組も入っており、番組の構成自体はともかく、そうそう、こういうランク付けはこういう番組がさり気なく登場するところが面白いんだよねえと思ってしまった。



1. Seinfeld (となりのサインフェルド)

この番組がアメリカTV界史上第1位に選ばれている理由は、とりもなおさずそのオリジナリティにある。「サインフェルド」の意味があるようでないようであるようでまったくなかったりするギャグはこれまでのどの番組とも違っており、「サインフェルド」以降多くの番組が「サインフェルド」的なものを真似したが、どれも「サインフェルド」とは似ても似つかないものになった。「サインフェルド」の前に「サインフェルド」なく、「サインフェルド」の後に「サインフェルド」なし。「サインフェルド」が高く評価されている所以である。その、圧倒的に評価の高い「サインフェルド」であるが、放送が始まって最初の数年はその不可解なギャグに視聴者がついていけず、視聴率的には大した数字を上げることができずにキャンセルを仄めかされていたというのも面白い。


2. I Love Lucy (アイ・ラブ・ルーシー)

身体を張って見ている者を笑わせるスラップスティック型コメディエンヌの元祖、ルシル・ボール主演のシットコムである。今でもどこかで必ず再放送されており、アメリカに住んでいてこの番組を見たことがないというものは一人もいまい。クラシック・エピソードの、チョコレート工場の流れ作業で働いているルーシーが、パッケージングが間に合わなくて慌てて口の中にチョコレートを詰め込めるだけ詰み込むというシークエンスは、何度見ても爆笑してしまう。今、ルーシーの流れを汲むコメディエンヌが、「ウィル&グレイス」のデブラ・メッシングだろう。


3. The Honeymooners (ハネムーナーズ)

これまたいつも必ずどこかで再放送されているクラシック・シットコムである。「ハネムーナーズ」は、デブで怒りっぽく、どこか抜けている主人公という、現在まで連綿と続いているシットコムの王道のキャラクターを造形し、さらに主人公に絡む、痩せで気難しいツッコミの相棒というキャラクターも併せて構築したことで、TV界の歴史に名を留めることになった。


4. All in the Family (オール・イン・ザ・ファミリー)

このシットコムがTV界にもたらした最大の貢献は、人間として欠陥のある父親像というものを造型して見せたことにある。キャロル・オコーナー扮する主人公のアーチー・バンカーは、例えばそれまでの「アンディ・グリフィス・ショウ」や「ディック・ヴァン・ダイク・ショウ」のようなホーム・ドラマ的な尊敬されるべき一家の長としての主人公ではなく、まったく異なる欠点だらけの人間でありながら愛すべき人間として造型されており、そういうある種のリアリティが70年代以降のシットコム製作に与えた影響は計り知れない。大きな視点から見れば、現在、この番組の影響を受けていないシットコムはないとすら言える。アメリカ人とTVの話をしていると、いまだに「アーチー・バンカー」という固有名詞が頻出することに驚かされることが度々である。


5. The Sopranos (ザ・ソプラノズ - 哀愁のマフィア)

21世紀最初の人気番組、あるいは物議を醸した番組といえばこれしかあるまい。HBOという金を出さないと見れないペイTVチャンネルで放送されている番組でありながら、その話題性はネットワークを完全に霞ませた。描写に規制がないため、裸、4文字言葉、暴力と文字通りやりたい放題をしながら、それだけでなく、よくできた見応えのあるドラマであるというところが他の番組を圧倒する理由となっている。


6. 60 Minutes (60ミニッツ)

CBSを代表する老舗の中の老舗報道番組。アメリカではこの種の番組を総称して「ニュース・マガジン」と呼ぶが、その先鞭をつけた番組であり、いまだに高い人気を誇る。しかし、既に放送が始まって30年以上経ち、当時は若かったホストのダン・ラザーも今では72歳であり、このような番組がいまだに現役であるからこそ、CBSの視聴者が高齢化して高齢者ご用達チャンネルなどと陰口を叩かれることにもなるのだが。


7. The Late Show with David Letterman (レイト・ショウ・ウィズ・デイヴィッド・レターマン)

ジョニー・カーソンの「トゥナイト・ショウ」よりレターマンの「レイト・ショウ」の方が上に来るとは意外だった。レターマンはてっきり自分が指名されると思っていた、カーソンが引退した後の「トゥナイト・ショウ」のホストの座をジェイ・レノにとられたためにCBSに移っていったというのに。いまだに現役ということや、最近の同時多発テロの時の感動的スピーチ、長い芸歴等が考慮されたんだろう。


8. The Simpsons (ザ・シンプソンズ)

このリストで最高位のアニメーション。いかに「シンプソンズ」がアメリカTV界で高く買われているかがわかる。「シンプソンズ」以前はアメリカではアニメーションはプライムタイムに大人が見る番組ではなかったのだ。放送を始めたばかりの頃のFOXは、「シンプソンズ」と、お下劣シットコムの「メアリード・ウィズ・チルドレン (Married with Children...)」がFOXの屋台骨を支えていたと言っても過言ではない。


9. The Andy Griffith Show (アンディ・グリフィス・ショウ/メイベリー110番)

この番組を見たことがない者でも、軽快な口笛に乗ったあのテーマ・ソングを知らない者はいないはず。60年代を代表するホーム・コメディ。


10. Saturday Night Live (サタデイ・ナイト・ライヴ)

既に放送を開始してから4半世紀が経つ、老舗スケッチ・コメディ・ショウとなってしまった。しかし頻繁にメンバー・チェンジを重ね、飽きられそうに見えるとまたパワー・アップして復活してくるというところはさすが。そろそろジョン・ベルーシ、クリス・ファーリーに続く第3の犠牲者が出てくる頃だという気もするが。


11. The Mary Tyler Moore Show (メアリ・タイラ・ムーア・ショウ)

女性が番組のお飾りでなく、初めて知性を兼ね備えた、男性と対等の位置づけでの主人公として設定されたという画期的な番組。そのため、いまだにフェミニストご用達の番組である。メアリ・タイラ・ムーア演じるメアリ・リチャーズと、「オール・イン・ザ・ファミリー」のアーチー・バンカーという70年代を代表する二人のブラウン管上の人間によって、アメリカTV界は大きな転換期を迎える。


12. The Tonight Show Starring Johnny Carson (トゥナイト・ショウ・スターリング・ジョニー・カーソン)

ジェイ・レノの「トゥナイト・ショウ」ではない、本家本元の「トゥナイト・ショウ」がこれだ。レノがジョニー・カーソンの後釜を引き継いで「トゥナイト」のホストになってから既に10年が経つが、それに先立つ30年間、ほぼ一人でアメリカの深夜トーク番組を背負って立っていたのがカーソンである (とはいえカーソンが「トゥナイト」の初代ホストというわけではなく、カーソン以前にスティーヴ・アレン、ジャック・パーという二人のやはり伝説的パーソナリティがホストを担当していた。初代アレンから数えると、番組が始まってからほぼ半世紀が経つ長寿番組である。)


13. The Dick Van Dyke Show (ディック・ヴァン・ダイク・ショウ)

幼かった私にとっては「メリー・ポピンズ」、「チキ・チキ・バン・バン」の俳優であり、アメリカ人にとってはこの番組でメアリ・タイラ・ムーアというコメディエンヌを世に出した貢献者であり、あるいはつい先頃までCBSで放送されていたご老人ご用達番組の「Dr. マーク・スローン (Diagnosis Murder)」によって、御高齢の女性の憧れの人でもあるディック・ヴァン・ダイク。現役の芸歴の長さという点ではこの人に勝る俳優はいまい。


14. Hill Street Blues (ヒル・ストリート・ブルース)

現在「NYPDブルー」で知られるプロデューサー、スティーヴン・ボチコの出世作兼初期の代表作。あまり著名な俳優は起用せず、そのことを逆手にとって、いかにも本当にありそうなリアルな刑事群像劇に仕立て上げるというボチコのスタイルは、既にこの番組で確立していた。この番組以降、アメリカの刑事番組はリアリティを重視する方向へと向かう。


15. The Ed Sullivan Show (エド・サリヴァン・ショウ)

アメリカのTVの歴史で、最も由緒あるトーク・ショウ。ビートルズがアメリカ・デビューを果たした番組ということで覚えているオールド・ファンも多いはず。因みにこの番組が収録されていたエド・サリヴァン・シアターで、現在デイヴィッド・レターマンの「レイト・ショウ」が収録されている。


16. The Carol Burnett Show (キャロル・バーネット・ショウ)

実は昨年11月のこの番組のリユニオン特番が放送されるまで、私はこの番組がこんなに評価されていた番組だということを知らなかった。要するにコメディエンヌ、キャロル・バーネットのスケッチ・コメディ・ショウなのだが、この番組がここまで評価されているのは、バーネットの恥も外聞もかなぐり捨てた怪演のせいに他ならない。と言っちまったら、バーネット・ファンは怒るんだろうなあ。


17. Today Show (トゥデイ・ショウ)

アメリカの朝を支配する代表的トーク/ヴァラエティ・ショウ。このほど放送50周年を迎えた長寿番組でもある。このショウをきっかけに他のネットワークのニュース・アンカーとして巣立っていったパーソナリティは数知れない。現在のこの番組の顔であるケイティ・コーリックは、先ほどNBCと再契約を結び、年棒1,300万ドルというアメリカの女性ニュース・アンカーとしては最高のギャラを獲得している。


18. Cheers (チアーズ)

ボストンのとあるパブに集まる人々を描く群像シットコム。くっつくか離れるかわからない主人公のサム (テッド・ダンソン) とダイアン (シェリー・ロング) の一挙手一投足に視聴者は釘付けになった。多くのスター/著名人を輩出したことでも知られており、このパブの常連フレイジャー (ケルシー・グラマー) は、その後この番組から独立して自分の番組「フレイジャー」を持つようになった。その他にもウッディ・ハラーソン、カースティ・アリー等、この番組をたたき台としてその後躍進したスターは多い。


19. Thirtysomething (ナイスサーティーズ)

どこにでもいるような普通の30代の人間の生活を等身大の視点で描きながら、それでもドラマはできるんだということを再確認させた、マーシャル・ハースコヴィッツ/エドワード・ズウィックのプロデューサー・コンビの代表作。因みにまったくナイスじゃないこの邦題は最低。この二人はその後映画でもスティーヴン・ソダーバーグの「トラフィック」等、話題作を提供している。しかし、私にとってこの二人の代表作は、クレア・デインズを世に送り出した「アンジェラ 15歳の日々 (My So-Called Life)」だ。


20. St. Elsewhere (セント・エルスウェア)

かのデンゼル・ワシントンが医者役で出演してキャリアを築いたということで知られている群像医療ドラマ。その後の「ER」や「シカゴ・ホープ」にも影響を与えたシリアスなドラマでありながら、一方で出演者の織りなすオフ・ビートなユーモアも特徴。


21. Friends (フレンズ)

現在アメリカで放送されている番組の中で最も人気のあるシットコム。マンハッタン、アッパーウエストに住む男女6人の日常生活を面白おかしく描く。別に説明の必要はない?


22. ER (ER 緊急救命室)

現在アメリカで放送されている番組の中で最も人気のある、救急病棟を舞台とする群像ドラマ。2001-2002年シーズンではついにグリーン医師 (アンソニー・エドワーズ) が脳腫瘍のため死亡し、残っているオリジナル・キャストはノア・ワイリ演じるカーター医師だけになってしまった。何やかや言いつつも、今アメリカで放送されている全番組の中で多分私が見ている回数が最も多い番組だろう。


23. Nightline (ナイトライン)

アメリカを代表する老舗報道番組の一つでありながら、先ほどキャンセルかどうかで大揉めに揉めた。詳細はこちらを参照。CBSの「60ミニッツ」が週一1時間枠でタイムリーな企画を取材に時間をかけて煮詰めるスタイルをとっているのに対し、「ナイトライン」は毎日深夜に30分枠で放送されており、速報性や視野の広さに重点を置いている。どちらかというとテーマを絞ったニュース番組の延長のような印象を受ける番組であり、取り上げる話題も「ナイトライン」の方が政治寄りで硬い。「60ミニッツ」はダン・ラザー以外にも何人かの主要キャスターがいるが、「ナイトライン」は基本的にホストのテッド・コッペル一人の番組である。


24. Law & Order (ロウ&オーダー/法と秩序)

番組が始まって10年が経つのに、毎シーズン視聴率を上げていくというアメリカTV界七不思議番組の一つ。ニューヨークの検察機構の目を通して、都会に住む人々の生活と暗部を描く。「スペシャル・ヴィクティムス・ユニット」と「クリミナル・インテント」という二つのスピンオフ番組を持つ。


25. M*A*S*H (MASH/マッシュ)

1983年に放送されたこの番組の最終回が持つ60%という視聴率記録はいまだに破られていない。現在ではチャンネル数が増加し、視聴者の選択肢が以前とは比較にならないほど増えているので、今後この記録が破られることはないだろう。あの「ルーツ」よりも、「ダラス」で誰がJ. R. を撃ったのかが判明した回よりも、「逃亡者」でドクター・キンブルの帰趨が決まった最終回よりも、「MASH」の最終回の視聴率の方が高かったのだ。


26. The Twilight Zone (ミステリーゾーン/トワイライトゾーン)

ガキの頃見たあるエピソードで、確か飛行機恐怖症? の男が飛行機に乗って空を飛ぶのが怖くて怖くて、それでも飛行機に乗せられて、飛行中に窓際から外を見ると、猿だかなんだかわけのわからないものが主翼を引っぺがしている。これは幻覚なんだといったんは窓を閉めるが、怖いもの見たさでまたシェイドを開けると、窓から覗き込むようにしている化け物のアップが画面に映った時は、本当に死ぬほど怖かった。今見ても斬新なアイディアの詰まった古典。


27. Sesame Street (セサミ・ストリート)

♪Sunny Day Sweepin' the clouds away

On my way to where the air is sweet

Can you tell me how to get,

How to get to Sesame Street...

現在40歳以下でこの主題歌を知らない者はないと断言できる、幼児向け長寿教育番組。英語の歌詞の意味は知らなくても、誰でもがこの歌を口ずさんだことがあるはず。それまでの幼児向け番組のいかにも教育番組然とした体裁を一掃し、このジャンルに旋風を巻き起こした画期的番組である。日本でもこの番組を真似て「ひらけ! ポンキッキ」が作られた。


28. The Cosby Show (コスビー・ショウ)

時代は80年代中盤に差しかかっていたとはいえ、黒人が主人公というだけではなく、出演者のほとんど全員が黒人という番組がこれだけの成功を収めるのは、たとえアメリカとはいえ、やはり快挙と呼ぶに相応しい出来事であった。黒人だけではなく、白人も見たからこそこれだけの人気番組になったのであり、この番組が証明したことは、黒人か白人かではなく、黒人だろうが白人だろうが、視聴者はできのよい番組を見るという、考えればあまりにも当然のことに過ぎなかったのだ。


29. Donahue (ドナヒュー)

現在日中のアメリカのTV界を占領しているのは、ソープ・オペラとトーク・ショウである。ソープの場合はまず見ているものは暇な主婦層と相場が決まっているが、トークの場合、案外と男性も見ている。オプラ・ウィンフリーの「オプラ」以前にアメリカを代表する日中のトーク・ショウといえば、もちろん老舗の「ドナヒュー」を指した。しかし90年代に入り、やらせ横溢で話題となった「ジェリー・スプリンガー」のような新参に押され、4半世紀にわたる歴史に幕を閉じた。


30. Your Show of Shows (ユア・ショウ・オブ・ショウズ)

今回選ばれた50番組のうち、見たことも聞いたこともなかったのがこの「ユア・ショウ・オブ・ショウズ」と、44位に選ばれている「ボブ・ニューハート・ショウ」だ。「ユア・ショウ・オブ・ショウズ」はなにせ50年代前半の番組であり、古い上、日本にほとんど紹介されていない。しかし、「サタデイ・ナイト・ライヴ」より25年も前に、土曜夜に90分の生コメディ・ショウというその原型を作ったのが、何あろうこの番組なのだ。シド・シーザーと共に主演していたカール・ライナーは、先頃スティーヴン・ソダーバーグにもう一度呼び出され、「オーシャンズ・イレブン」で再びその姿を現して我々を煙に巻いた。ウッディ・アレン、メル・ブルックス等の現在のアメリカ・コメディ界を代表する人物を世に送り出した番組としても知られている。


31. The Defenders (弁護士プレストン)

今の基準から見ると別に大したことはないと思えるが、60年代当時としては随分と過激な題材を扱って話題となった番組。親子デカならぬ親子弁護士が悪に挑む。当時この分野では人気を二分していたはずの同様の法廷番組「ペリー・メイスン」がランク・インしていないのにこの番組が選ばれているということが、「弁護士プレストン」の評価の高さを物語っている。


32. American Family (アメリカン・ファミリー)

今を去ること30年前、これがオリジナルのリアリティ・ショウだ。放送していたのが公共放送のPBSということからもわかるように、あくまでも真面目な視点からあるアメリカの一家庭の内情をあまさずとらえ、全米に反響を巻き起こした。「サバイバー」のような裏切りも、今流行りの「オズボーンズ」のような大ボケもないが、当時は、外部の人間がは窺い知ることもできないある家族のプライヴェートな部分をあからさまに公表したこと自体にショックを受けた者も少なくなかった。まだまだ皆うぶだったのだ。


33. Playhouse 90 (プレイハウス90)

50年代後半にCBSが毎週放送した、90分間の生ドラマ番組。元々TVの初期の頃はドラマにしろヴァラエティにしろ全部生だったのだが、録画テープが発明された後でも生ドラマにこだわったという、そこがすごい。ただし、やはり番組も最後のシーズンの方では生ではやらなくなっていたらしいが。CBSが近年、ハーヴィ・カイテル主演の「未知への飛行」やジュリー・アンドリュース主演の「黄昏」のリメイクを生放送したのも記憶に新しいが、きっとこの番組の影響をどこかに引きずっていたんだろう。


34. Frasier (そりゃないぜ!? フレイジャー)

ラジオの人生相談コーナーを受け持つ精神科医フレイジャー (ケルシー・グラマー) と、弟ナイルズ (デイヴィッド・ハイド・ピアース) を主人公とするシットコム。フレイジャーに寄せられる質問/相談がいつも下ネタに近いこともあり、番組中にセックス・ジョークが散りばめられた、大人の艶笑譚的な味わいの番組になっている。もちろんネットワークの放送であるから番組中のヌードはご法度であるが、そのため、逆に想像力を刺激するウィットに富んだギャグが豊富であることがポイント。「チアーズ」スピンオフのシットコムで、フレイジャーはいつも「チアーズ」のバーのストゥールに座って、常連の相談事に乗ったり、逆に揉め事を大きくしたりしていた。


35. Roseanne (ローザンヌ)

肝っ玉母さんローザンヌ (ローザンヌ) と、同様の父ダン (ジョン・グッドマン) のコナー家を舞台とするファミリー・シットコム。「オール・イン・ザ・ファミリー」同様、TVの中の理想的な家族ではなく、太っちょ母さんに太っちょ父さん、問題を起こしてばかりいる息子や娘たちといった、本当のアメリカの一般家庭と等身大の家族を造型して見せたところが画期的だった。これまで、少なくともアメリカのTVドラマ/シットコムで、どこにでもいるようなデブのおばさんが堂々と主役を張るというのはなかったのだ。「ER」でブレイクする以前の長髪のジョージ・クルーニーが準レギュラー出演していたことでも知られている。


36. The Fugitive (逃亡者)

殺人の濡れ衣を着せられたドクター・キンブル=デイヴィッド・ジャンセンの逃避行を描くクラシック・ドラマ。幾多の亜流を生み出したサスペンス・ドラマの古典であり、その後、再度TVドラマ化されたり、ハリソン・フォード主演で映画化もされた。「逃亡者」は一話完結シリーズとはいえども、一つの大きなストーリー・ライン (濡れ衣を着せられた無実の男が逃亡を続けること) に沿って話が進んでいた。それで、もし最終回となって真犯人がわかってしまったら、多分視聴者は再放送は見てくれないだろうと考えたABCは、番組の最終回を放送する時、最終回ということをできるだけ視聴者に知らせないようにしたという、嘘のような本当の話が残っている。ABCは、わざわざシーズンも終わって人々がTVを見なくなる真夏の8月に、ひっそりと「逃亡者」の最終回を放送したのだ。ところがその最終回がそれまでの記録を塗り替える歴史的な視聴率を稼ぎ出したことは、いまだに関係者の語り草となっている。


37. The X-Files (X-ファイル)

新参ネットワークということでまだあまり注目されていなかったFOXは、この番組の成功によりネットワークの一員として認められることになった。ダークな印象の濃いSF番組で、ネットワーク番組としては異質であったが、それこそが普通の番組に飽き足らなくなっていた多くの視聴者にアピールした。エイリアンや政府の陰謀なんていう番組のテーマに隠れて見落としがちだが、この番組が長い間人気を維持した本当の理由は、お互いに反発しながらも惹かれあっていたモルダー (デイヴィッド・デュカヴニー) とスカリー (ジリアン・アンダーソン) のもつれた感情の行方に視聴者が興味津々だったからだと私は思う。


38. The Larry Sanders Show (ラリー・サンダース・ショウ)

深夜トーク番組の舞台裏を描くという発想の妙こそが、この番組を成功させた鍵である。このシチュエイションをいいことに大物タレントを次々とカメオ出演させ、本当か嘘か、あることないこと虚実綯い交ぜにして好き放題やらかせて視聴者を煙に巻いた。カメオ出演したゲスト・スターもこの番組ではやりたい放題やっていたという印象がある。


39. The Rockford Files (ロックフォード氏の事件メモ)

元詐欺師から足を洗って私立探偵となったジム・ロックフォード (ジェイムス・ガーナー) の活躍を描く。仕事を生き甲斐としているタフ・ガイというよりは、どうやったら遊んで暮らしていけるかの方に重点を置き、できるだけ暴力沙汰を避けようとしているのにもかかわらず、やはりトラブルに巻き込まれてしまうという、従来のステレオタイプとは異なった探偵像が当時は新鮮だった。でも、この番組がランク入りしているのに、マイケル・マンの「マイアミ・バイス」がランク入りしていないのは、ちと解せん気がしないでもない。


40. Gunsmoke (ガンスモーク)

プライムタイムに放送されたドラマとしては、20年もの間放送されていたという最長不倒記録を誇るクラシック西部劇。ただし私は「ローレン、ローレン、ローレン」の主題歌が有名な「ローハイド (Rawhide)」の方をよく覚えている。スティーヴ・マックイーンの「拳銃無宿 (Wanted: Dead or A live)」や、覆面カウボーイの「ローンレンジャー (The Lone Ranger)」ってのもあった。


41. Buffy the Vampire Slayer (バフィー 恋する十字架)

製作のジョス・ウェドン、および主演のサラ・ミシェル・ゲラーの名を一躍第一線に押し上げた出世作兼代表作。単なる若者向けホラーSFかと思いきや、その実態は異種生命間での実らぬ恋愛を描く甘く切ない青春ストーリーであるというところがミソ。


42. Rowan & Martin's Laugh-In (ローワン&マーティンズ・ラフ-イン)

これまで何度も耳にしているのにもかかわらず、なぜだかまったく目にする機会のなかったスケッチ・コメディ・ショウ。ゴールディ・ホーンを世に出したことで名高い。当時の有名どころが大挙して出演したゲスト陣の充実でも知られている。


43. Bonanza (ボナンザ)

私の年代の者にとっては、やはり「ボナンザ」より「大草原の小さな家 (Little House on the Prairie)」なんだが‥‥この種の番組としてはオリジナルであり、長い間人気のあった「ボナンザ」の方の評価の方が高いのは、まあ、順当と言えば順当と言える。アメリカでカラーで放送された最初のドラマ・シリーズ。


44. The Bob Newhart Show (ボブ・ニューハート・ショウ)

「ユア・ショウ・オブ・ショウズ」と共に、これまで見たことも聞いたこともなかった番組。それでクリップを見るのを楽しみにしていたんだが、1シーンも放送されなかった。おかげでどんな番組だったのかよくわからない。


45. Twin Peaks (ツインピークス)

評価されているわりには、私はこの番組を全話見たという人物は一人も知らない。確かに番組が始まった当初の話題性は抜群だったが、これくらい尻すぼみに終わった例も珍しく、最後の方はほとんど誰もこの番組は見ていなかった。かくいう私もその一人。番組の最終回が放送される時に、周りのアメリカ人に「ツイン・ピークス」の最終回、見る? と訊いて回ったら、訊いた全員に、え、あれってまだやってたのかと驚愕された。


46. Star Trek: The Next Generation (新スタートレック: ネクスト・ジェネレーション)

手を変え品を変え新しいシリーズが現れる「スタートレック」。オリジナルの「スタートレック」は60年代に放送され、その後時を置いて80年代に現れた第2シリーズが、この「ネクスト・ジェネレーション」。ピカード船長を演じたパトリック・スチュワートを覚えている者は多いはず。その後シリーズは「ディープ・スペース・ナイン (Deep Space Nine)」、「ヴォイジャー (Voyager)」と展開していき、現在最新の「エンタープライズ (Enterprise)」が放映中。


47. Rocky and His Friends (ロッキー&ヒズ・フレンズ)

ディズニーでもワーナーでもハナ・バーバラでもない、「シンプソンズ」以外でこのリスト入りしたもう1本のアニメーションが、「ロッキー&ヒズ・フレンズ」だ。多分このタイトルを聞いただけではどんな絵だったか覚えていない者も多いと思うが、絵を見ればああ、あれかと合点が行くだろう。あるいはこのオリジナル・タイトルよりも、「ロッキー&ブルウィンクル (Rocky & Bullwinkle)」というもう一つのタイトルの方を覚えている者の方が多いかもしれない。さり気なく大人向けの高度なギャグがちりばめられていたところが評価されている。最近ロバート・デニーロ主演でアニメと実写の合成によって映画化もされた。


48. Taxi (タクシー)

デニー・デヴィート、アンディ・カウフマン、クリストファー・ロイド、トニー・ダンザ等を一躍有名にしたシットコム。20年以上も前の番組であるが今でもシンジケーションでよく夜中にやっており、眠れぬ夜とかになにげにTVのスイッチをつけると、この番組をしているということがよくある。そのため、私にとっては眠れぬ夜の清涼剤みたいな印象が強い。


49. The Oprah Winfrey Show (オプラ・ウィンフリー・ショウ)

今現在、アメリカの女性に対して絶大な影響力を持っているのが、毎昼放送されるトーク・ショウ「オプラ」のホスト、オプラ・ウィンフリーだ。やや太りじしの中年の黒人おばさんなのだが、ウィンフリーの影響力は人種の壁を越え、女性に対する影響力だけを見るなら、明らかにアメリカ女性は大統領よりもウィンフリーの言うことを聞くだろう。数年前一念発起して大分痩せ、そのダイエットの顛末を書いた本もベストセラーになった。このあたりになると、何をしても金が入ってくるようになっている。上で「トゥデイ」のアンカーであるケイティ・コーリックが女性パーソナリティとしては最高のギャラをもらっていると書いたが、それはネットワークからもらう年棒だけを見た場合。自分の番組製作会社を持つウィンフリーが自分でプロデュースしている「オプラ」の場合、ギャラとしてではなく番組製作費としてウィンフリーの元に入ってくるため、実際に現在アメリカで最も稼いでいる女性パーソナリティと言えば、実はウィンフリーのことに他ならない。コーリックの年棒は1,300万ドルだが、ウィンフリーの年収は、推定1億5,000万ドルを下らないと言われている。桁が違う。


50. Bewitched (奥様は魔女)

「奥様の名前はサマンサ、そして旦那さまの名前はダーリン。ごく普通の二人は、ごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました。でも、ただ一つ違っていたのは、奥様は魔女だったのです。」有名な、あまりにも有名な冒頭のナレーション。私がガキの頃日本でも吹き替えで放送されていたこの番組、私は実は一度もまともに見たことはない。それでもこのナレーションだけはまだ覚えているというのは、多分親が見ていてチャンネルを合わせていたからだろう。私はこのナレーションを聞くと、そろそろ寝る時間だと思ったのだ。







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TVガイド選出50グレイテスト・ショウズ・オブ・オール・タイム   ★★

 
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