放送局: ABC

プレミア放送日: 2/22/2004 (Sun) 21:00-22:00, 2/23 (Mon)-2/27 (Fri) 22:00-23:00

製作: セラドール、ヴァリークレスト・プロダクションズ、ブエナ・ヴィスタTV

製作総指揮: マイケル・デイヴィース、ポール・スミス

共同製作総指揮: リー・ハンプトン、ヴィンセント・ルビノ

監督: マーク・ジェンティール

ホスト: レジス・フィルビン


内容: 99年に放送され、大人気を博したクイズ・ショウが、賞金を10倍に増やしてヴァージョン・アップ。


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いったい誰が「フー・ウォンツ・トゥ・ビー・ア・ミリオネア」を忘れることができるというのか。99年の夏放送され、あれよあれよという間に人気を獲得、あっという間に頂点に登りつめたかと思えば、放送しているABCがその人気に頼り切り、週4回も編成した挙げ句、今度はあっという間に視聴者から飽きられ、TV史上最大の視聴率暴落を記録してキャンセルされた。「アメリカン・アイドル」「ジョー・ミリオネア」以前のリアリティ・ショウで、CBSの「サバイバー」と共に最も話題を提供した番組が、「ミリオネア」だ。


「ミリオネア」の成功以降、同工異曲のクイズ番組が雨後の竹の子のようにうじゃうじゃと現れては、ほとんど話題になることなく消えていった。唯一、「ミリオネア」並みとは言えなくとも、それなりの成績を残したのがNBCの「ウィーケスト・リンク」だが、それとて「ミリオネア」の前には色褪せてしまう程度の人気でしかなかった。結局、一時期盛り上がったようなクイズ番組のブームは、「ミリオネア」が一人で盛り上げ、一人で沈静化させた、要するにクイズ番組ブームではなく、「ミリオネア」ブームだったと言うことができる。


しかし、ブームがでかければでかいほど、その人気に翳りが出た時の反動もでかい。ABCは「ミリオネア」ブームに安住し、その後継番組を養成する労を怠り、視聴率1位の座に慢心した結果、「ミリオネア」の人気が落ち始めたということに気がついた時には、既に4大ネットワークで視聴率最下位になっていた。ABCは、番組がキャンセルされてから既に2年近く経とうというのに、いまだにその時の痛手から立ち直っていない。


一方、「ミリオネア」ブームは去ったが、クイズ番組というジャンル自体が消え去ったわけではないことも、また明らかだった。なんとなれば、現在シンジケーション番組で、この十何年間というもの視聴率1位と2位の座をキープし続けているのは、「ホイール・オブ・フォーチュン」と「ジェパディ」という2本のクイズ番組なのだ。この2本の番組を一度も見たことのないアメリカ人はいないと断言できる、アメリカきっての長寿番組だ。


すなわち、クイズ番組の需要が消え去ることはないが、とはいえ現在クイズ番組を見ているのは、中高齢者以上かあるいは子供でしかない。つまり、逆に言えば、ティーンエイジャーから30、40代くらいまでの最も番組スポンサーにアピールする視聴者層がクイズ番組に飽きてしまったということが、「ミリオネア」人気大暴落の最大要因であった。実際の話、どんなに話題になっていたとはいえ、私も「ミリオネア」を毎回見ようという気になんかならなかったどころか、数回見ただけでもう見なくなった。


要するに、結局やっていることは毎回同じのクイズ番組が、飽きっぽい視聴者を相手にプライムタイムに長期にわたって人気を獲得することは、現代では非常に難しいと言える。だからこそ「ジェパディ」や「ホイール・オブ・フォーチュン」等のクイズ番組の放送時間帯は、遅くてもせいぜい7時台止まり、その他のほぼすべてのクイズ番組は、日中、女性や子供、中高齢者層をターゲットにして編成されているのだ。


「ミリオネア」だって元々、長期的に見てクイズ番組が人気を維持できるとは思えないと考えられていたからこそ、最初、数回放送で終わるミニシリーズとして始まったのだ。それが期待以上に人気が出たからといって、露出過多になればあっという間に人気は廃るであろうということを、ABCは計算しておくべきであった。それが舞い上がってしまって、欲を出しすぎて週4回も編成した挙げ句のリバウンドで、現在苦しんでいるのは自分たちだというのに。


まあ、そういう経緯はあったとはいえ、前述したように、クイズ番組のファンがいなくなったわけではない。ただ露出過剰の「ミリオネア」に一時的に飽きただけであって、間隔が開きさえすれば、視聴者はまたチャンネルを合わせるのに吝かではないだろうとABCが考えたことは非常によく理解できる。そして今回、ABCは、優勝賞金100万ドルというその時の話題をさらった賭け金を一桁アップし、優勝賞金1,000万ドルとした、新しい「スーパー・ミリオネア」を投入してきたのだ。しかも今回は、とにかくどれだけ人気を獲得しようとしまいと、一週間こっきりのミニシリーズとして編成した。日曜から金曜まで毎日一時間ずつ放送される。さて、視聴者はまた「ミリオネア」に帰ってくるか。


元々「ミリオネア」が話題となったのは、100万ドルという、従来のクイズ番組の標準から見ると桁違いの賞金の大きさにあった。ほとんど宝くじと同じであり、全問正解して100万ドルを獲得すれば、一生暮らしていく分とまではいかなくとも、少なくとも新築の家が一軒くらいは楽勝で建つ。それだけの賞金がかかることによるエキサイトメント、ギャンブル性、そして出場する解答者の生の感情の反応を見ること、あるいは解答者に同調して視聴者も一緒になってどきどきすることこそが、「ミリオネア」の醍醐味であり、視聴者にアピールした最大の理由であった。それが今回は1,000万ドルである。これだけあれば、本当に一生遊んで暮らしていける。いや、遊んでばかりもいられないかもしれないが、少なくともうまく運用すれば、一生働く必要はないだろう。これはでかい。


とはいえ、これはクイズ番組であり、誰も正答することのできない問題を作成することは、その気になればそれほど難しくないだろう。ホストのレジス・フィルビンが「スーパー・ミリオネア」放送開始直前に盟友のデイヴィッド・レターマンがホストをしている深夜トークの「レイト・ショウ」にゲスト出演した時、「で、誰か1,000万ドルを獲得しそうな見込みはあるかね?」とレターマンに訊かれて、「まさか」と答えていた。半分は冗談だろうが、正直なところフィルビンだって、1,000万ドルを獲得する挑戦者がそう簡単には出るわけはないと思っていたに違いない。


ルール自体は今回も特に変わるところはないが、問題数が同じであるのに賞金額が違うため、賭け金の上がっていく幅が、今回は非常に大きくなった。「ミリオネア」では賞金は、500ドルから始まって15問全問正解で100万ドル達成だったが、「スーパー」では最初の賭け金は1,000ドルで、その後$2,000→$3,000→$4,000→$5,000→$10,000→$20,000→$30,000→$50,000→$100,000→$500,000→$1,000,000→$2,5000,000→$5,000,000→$10,000,000と上がっていく。前回は100万ドル稼ぐのに15回連続で正答する必要があったが、今回は12回連続正答で100万ドルに達する。それから上は未知の領域だ。


また、これまでは、窮地に陥った時に4つある選択肢を半分に減らすことのできる「フィフティ/フィフティ (50/50)」、スタジオの観客に訊く「アスク・ジ・オーディエンス」、および知人に電話できる「フォン・ア・フレンド」の3つのライフラインがあったが、今回は、スタジオにいる3人の知識人に質問できる「スリー・ワイズ・メン」と、一つの問題に対して二度答えられる「ダブル・ディップ」が、さらに新しいライフラインとして加わっている。途中で誤答すると、その時に掛かっていた賞金がもらえないのはもちろんだが、それまで獲得してきた賞金が全部パーになるのも可哀想なので、5問連続正答した時 (5,000ドル) と10問連続正答した時 (10万ドル) のところでラインが敷かれ、一応そこまで到達したら、最低限としてその賞金は保証される。そりゃあ、例えば14問連続正解して最終問題で失敗して、それまでが全部パーとなるのは、いくらなんでも可哀想過ぎる。


さて、その「スーパー・ミリオネア」の最初の挑戦者は、ワシントンD.C.からやってきた中国系アメリカ人で、彼がいきなり50万ドルを獲得してしまう。そして次の挑戦者は見事に100万ドルを獲得するも、それから上には行けなかった。それでも、初っ端から二人連続して準ミリオネアとミリオネアが出たことで、これは1,000万ドルを獲得する挑戦者が出ても不思議ではないという気分にさせられる。


しかし、やはり世の中そう甘くはなく、結局その後、大半がほとんどこの二人の獲得賞金にも及ばないまま、「スーパー・ミリオネア」は放送を終えてしまった。さすが番組ホストをずっと担当しているだけあって、スーパー・ミリオネアが出ることはないだろうと予言したフィルビンのカンは正しかった。しかも5日連続して放送されたこの番組の最終日は、時間が来たということで、解答者がまだ答え続けている途中なのに、番組はいきなり尻切れトンボのまま終わってしまった。そりゃあないんじゃないの。ずっと間違えないで答え続けているのに、いきなりフィルビンから握手を求められても、解答者はどう対応すればいいか困るだろう。


結局、今回はスーパー・ミリオネアは出ずに終わったわけだが、まだその可能性が完全になくなったわけではなく、番組は5月のスイープ月間にも、また短期集中放送されることが既に決まっている。とはいえその時に、まさか今回途中で終わらされた挑戦者がその続きをやるとは思えない。きっとまた、新しく最初から始まるんだろう。


今回、久し振りに放送されてまたそれなりの注目を集めたとはいえ、やはり数年前の熱狂に較べると、「ミリオネア」人気もだいぶ沈潜したなというのが、番組を見ての正直な感想だ。周りの反応も結構冷めている。賞金は10倍になったのに、視聴率は全盛時の半分程度だ。要するに、やはり視聴者は飽きたんだろう。「スーパー・ミリオネア」が5月の放送の後もやっていけるかは、ひとえに1,000万ドルを獲得するスーパー・ミリオネアの出現如何にかかっているような気がする。とはいえ、こればかりはやってみなければわからないし‥‥






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Super Millionaire

スーパー・ミリオネア   ★★1/2

 
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