Star Wars: The Last Jedi


スター・ウォーズ/最後のジェダイ  (2018年1月)

特に「スター・ウォーズ」のファンというわけではなく、全作見ているわけではないのだが、ジョージ・ルーカスが表舞台から退いてディズニーが製作権を買い取り、新しいクリエイティヴ陣の手によって新作が製作され始めると、こう言っちゃなんだが、むしろルーカス時代より話としては面白くなったような気がする。 

 

いわばルーカスの「スター・ウォーズ」はギリシア神話のような軸となる骨組みの話で、それに触発された新しい製作陣がそれぞれの思い入れやアイディアを持ち込んだことで、「スター・ウォーズ」は次の次元に進んだという印象が強い。 

 

とはいえこちらは「スター・ウォーズ」というと反射的にひと続きのSFサーガを連想するので、軸となる話の合い間に、単独のエピソード、もしくはコンパニオン・シリーズが挟み込まれるようになると、時間軸がずれ、見る方としては多少混乱する。「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー (Rogue One: A Star Wars Story)」「フォースの覚醒 (The Force Awakens)」の次の話だとばかり思い込んでいたので、レイは、フィンは、カイロ・レンは、スカイウォーカーはどうなったんだと、見ている間中気になっていた。「ローグ・ワン」が本編から外れたサイド・ストーリーということに気づいたのは、映画が終わる直前だった。 

 

正直言うと、スピンオフやサイド・ストーリーを作り過ぎることには反対だ。最近は問題を解決できないのに数だけは増え続けるスーパーヒーローにうんざりして、マーヴェルやDCコミックスのスーパーヒーローものから段々足が遠ざかりつつある。「スター・ウォーズ」はスーパーヒーローものとは違うが、それでもあまり作り過ぎないよう希望する。シリーズものは年一本以上作ると、私の経験から言うと、飽きる。次はハン・ソロ作品が公開予定だそうだが、心証的には既に多過ぎる。飽きさせないでくれますように。 

 

「ラスト・ジェダイ」は、レイア姫が活躍する最後の作品だ。演じるキャリー・フィッシャーが一昨年末に物故しており、果たしてそのことが実際にストーリーに影響したのかはわからない。見ていると出番はかなりあるため、既に撮影済みだったのかと思うが、近年CG技術の進歩によって、本人が死亡した後にCGポール・ウォーカーが登場する「ワイルド・スピード: Sky Mission (Furious 7)」を撮っている例もあるから、一概に見たものすべてを信用するわけにもいかない。 

 

レイア姫だけでなく、隠遁して辺境に住んでいたルーク・スカイウォーカーも、晩年という感じだ。前作でハン・ソロもいなくなったわけだし、今回が「スター・ウォーズ」の本当の転換期という印象が強い。スカイウォーカーの代わりにレイが目覚め、ダース・ヴェイダーの代わりにカイロ・レンが頭角を現す。あまりにも印象が強烈過ぎたあのマスクをまた使うのか使わないのかという辺りの理由づけもきちりとストーリーの中に組み込まれ、カイロ・レンがダーク・ワールドに完全に埋没してしまうのか、それとも光の当たる道を歩き出すのか、スカイウォーカーとカイロ・レンの関係は? 等々、様々な疑問や関係が描かれ、答えや新しい道が導かれる。正直、うまいなあと感心することしきりなのだった。 

 

なんか、エピソードVIIIにして、「スター・ウォーズ」サーガは本当の節目を迎えたような気がする。次はレイア姫もスカイウォーカーもハン・ソロもいないわけだ。カイロ・レンとレイ、フィン、ポーといった新しいメンツに完全に移行して、どう話を進めて行くのか。「スター・ウォーズ」は本当に新しいステージに進んだんだな。 











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帝国軍は反乱軍鎮圧を強力に推し進め、反乱軍の命運も風前の灯だった。レイア姫 (キャリー・フィッシャー) は最後のジェダイ、ルーク・スカイウォーカー (マーク・ハミル) の力を借りることが必須と考え、レイ (レイジー・リドリー) を使者として使いに出す。しかし厭世的になっていたスカイウォーカーは協力を拒否する。その一方でレイは、帝国軍のカイロ・レン (アダム・ドライヴァー) の心と何度もシンクロするようになる。カイロ・レンは、これからはオレたちの時代が来る、一緒に組まないかとレイに持ちかける‥‥ 


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