放送局: NBC

プレミア放送日: 6/21/2001 (Thu) 20:30-21:00

製作: エンデモル・エンタテインメント

製作総指揮: ジョン・デ・モル

共同製作総指揮: ジェフ・ボッグス

製作: リサ・ヒギンズ

共同製作: トラヴィス・ドラフト、ジェフリー・レンギール

監督: R. ブライアン・ディピロ

ホスト: マイケル・イアン・ブラック


内容: 21世紀版「どっきりカメラ」。そのいたずらの内容は:

スピード狂を助手席に乗せてのハイ・スピード・カー・チェイス。

人の散歩道に地雷を埋める。

いきなり電動車椅子が暴走を始める。

スーパー・マーケットで後ろの人間に順番を譲ったら、その人が100万人目のお客となって100万ドル獲得。

占いに凝っている恋人を懲らしめる。

他多数。


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昨年CBSで「ビッグ・ブラザー」、今春UPNで「チェインス・オブ・ラヴ」と新種のリアリティ・ショウをアメリカ市場に続け様に送り込んできたオランダの番組製作会社エンデモルは、6月にはNBCで、参加者に精神と肉体の限界に挑戦させて怖い思いをさせる「フィアー・ファクター (Fear Factor)」を放送、わりといい視聴率を獲得している。その番組の評判もまだ定まらないうちに、さらに続けてやはりNBCで放送する新リアリティ・ショウが、この「スパイTV」だ。


「スパイTV」は何を隠そう、より仕掛けが大がかりとなった「どっきりカメラ」 (アメリカでは「キャンディッド・カメラ (Candid Camera)」という) である。人を騙して驚かせ、その後で正体をばらして大笑いという骨子のところは不変なのだが、テクノロジーの発達とともに、より高度な技能を要するいたずらが登場してきたのが現代的と言える。プレミアでは、電動車椅子に乗っている身体の不自由を装った仕掛け人が、リモート・コントロールでの制御が不能になって暴走するといういたずらを見せたりする。プレミアには登場しないが、戦車のコントロール・ルームに座らせられた何も知らない男が何気にどこぞのスイッチを触ってみたら、いきなり大砲を発射して他人の車を爆破するという仰天もののいたずらもあった。


プレミアで私が最も笑ったのが、冒頭の、車に目のないスピード狂にお灸を据えるために計画したといういたずらだ。メルセデスの助手席に試乗させてあげるという提案にのってきたカモは、実は計画の一味であるドライヴァーがプロ級の腕を持っていることを知らない。ドライヴァーはよそ見ばかりしながら運転して、人の車にぶつけそうになったり、通行中のチャリンコを引っかけたり、危険な運転を繰り返すので、カモは段々引き攣ってくる。そこへタイミングよく現れたのがパトロール中のパトカー。そこでドライヴァーはいきなりスピードを上げて逃げ出し、パトカーがそれをサイレンを鳴らして追跡するカー・チェイスとなる。タイヤをきしらせ、ドリフトしながら逃げるメルセデスの中にいるカモは、絶叫して降ろせ、降りる、降りると叫ぶのだが、ドライヴァーは、いや、この近所はよく知ってるからとスピードを落とさない。これは笑いました。


もちろん警官も、途中で事故りそうになった奴等も皆グルで、それどころか外に出ていたりすると本当に危険なことがあるかも知れないので、町中の人間全員がグルになって家の中から外を窺っているのだ。そして最後にやっと止まったメルセデスから飛び降りたカモは、この国では下手に逃げると撃たれても文句を言えないことを知っているので、両手を上にかざして背中を警官に見せたまま、一応抵抗しない姿勢を崩さない。私は感心した。日本で似たようないたずらで引っかけたとしても、警官が銃を構えたまま車から飛び降りるなんて真似までやるとは思えないし、引っかけたカモが撃たれないように咄嗟に反応するとも思えない。映画みたいなことを一般市民が常識でやっちゃうところがいかにもアメリカだ。


それ以外で笑ったのが、地面に地雷を埋めといて、通行人がそばを通る時に爆発させて驚かすというもの。これって結構危険じゃないかなあと思うのだが。わりあい至近距離で爆発が起きてるし、万が一ということがあったらどうするつもりなのだろう。私はもしかしてここだけはヤラセかもと思った。でも、あのびっくりの仕方はやらせにしては堂に入ってたなあ。これらに較べて、電動椅子ギャグはまったく面白くない。というのも、善意の一般市民が一生懸命暴走を始めた電動椅子を何とかしようとするのだが、それを見ては笑えないのだ。どっきりカメラというものは、やられた奴も後で一緒になって大笑いできるようなやつじゃないと、見ていて面白くないだけでなく、不愉快になってくる。実際、ひっかかった奴は総じて怒っているように見えた。それだと視聴者も笑えないのだ。


それはスーパーに並んでいて、後ろに並んでいる奴がパイナップル1個しか買わないから頼むから先にチェックアウトさせてくれというので先にしてやったら、そいつが100万人目のお客となって100万ドルご当選! という引っかけにも通じる。こういう、人の善意を踏みにじるようなギャグは、やはり面白くない。引っかけられた奴は、もしかしたら自分が100万ドルもらえたかも知れないのにとがっかりするわけだが、それを見て笑おうという気には私はあまりならんなあ。


番組ホストのマイケル・イアン・ブラックは、同じNBCの「エド (Ed)」で、ボウリング場に寝泊まりする根無し草的従業員フィルを演じている。「エド」では髪の長いロッカー的な風貌で演じているので、最初、誰だかわからなかった。こういう一応まともに見える仕事もできるんだな。それと、彼のいる移動? スタジオの後ろにいる女性と黒人男性は、ありゃいったい何なんだ。一言も喋るわけでもなく、ただ後ろで何か忙しそうにしているだけで、こういう演出ってこの手の番組でよく見るのだが、いるだけ気になって邪魔だ。どうせセリフもないんだし、カットしてもらえませんかね。 いずれにしても、毎年再放送ばかりが幅を利かせる夏に、肩の凝らないこういうリアリティ・ショウは結構合っているようで、エンデモル・エンタテインメントは、ここへ来てやっと「フィアー・ファクター」、「スパイTV」と、それなりの視聴率を稼ぎ出すTV番組の製作に成功した。ご同慶の至りです。








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Spy TV

スパイTV   ★★

 
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