ソニー・オープン

2004年1月15-18日   ★★★

ハワイ州ホノルル、ワイアラエ・カントリー・クラブ

今年のソニー・オープン、開始前の焦点は、ついにPGAツアーにデビューする14歳の俊英女子ゴルファー、ミシェル・ウィーが、果たして予選通過できるかどうかに絞られた。並みいるヴェテラン男子ゴルファーにも物怖じせず、ウィーは初日2オーヴァー72、2日目2アンダー68の通算イーヴン・パーで回るが、惜しくも1打差で予選通過ならず。ドライヴァーは男子並みに飛ばすし、パットでも2日目は50フィート以上のバーディ・パットを2度ほど沈め、やはり話題はウィーで持ち切り。同じスコアで予選落ちした中には、先週のメルセデスの優勝者スチュワート・アップルビーや、昨年の全米オープンの覇者ジム・フューリックらの名もあり、ウィーの健闘が知れる。


さて勝負の方は、3日目を終わった時点でハリソン・フレイザーが14アンダーで首位、昨年このオープン優勝のアーニー・エルスが13アンダーですぐ後ろに続く。次いで12アンダーにデイヴィス・ラヴ3世とフランク・リックライターが並ぶという展開。


最終日は最初の方こそ混戦模様に見えたが、バック・ナインに入ってアイアン・ショットが決まりだしたエルスがリードを奪い、そのまま逃げ切るかに見えた。しかしフレイザーが追撃、勝負を面白くする。フレイザーは17番パー3でバーディを奪い、二人が17アンダーで並んだ後の18番パー5は、完璧なティ・ショットのフレイザーが難なく2オンさせたのに較べ、ティ・ショットを深いラフに打ち込んだエルスは刻んで3オンがやっと。しかし8フィートのバーディ・パットを見事に沈め、18アンダーとなって3フィートのバーディ・パットを残すフレイザーにプレッシャーをかける。しかしフレイザーもこれに答え、昨年に続いてのプレイオフとなった。


18番でのプレイオフは、今度はエルスがフェアウェイをキープするが、第2打をスタンドに打ち込んでしまう。一方のフレイザーは、こちらはティ・ショットをバンカーに打ち込み、結局3オン。ドロップしてラフから打ったエルスの第3打はグリーンに届かず、この時点で10フィートにつけていたフレイザーが有利に。しかしエルスは慎重に第4打をピンに寄せ、フレイザーはバーディ・パットを外し、両者共パーで勝負は昨年同様、短めの10番パー4に向かう。


ここで昨年とは逆にアイアンでティ・オフ、安全にフェアウェイをとらえたエルスとは逆に、ドライヴァーを使ったフレイザーのティ・ショットはグリーン左の深いラフの中へ。昨年のエルスのプレイがほぼ今回のフレイザーと同じプレイであったが、エルスは今回は安全策をとる。そして第2打をピン奥5フィートにつけたエルスとは逆に、フレイザーの第2打はグリーンまで届かない。フレイザーの第3打はピンを10フィートオーヴァー、さすがに勝負あったかと思われたが、フレイザーはこのパー・パットを沈め首の皮一枚を残す。そしてエルスはバーディ・パットを外し、プレイオフは205ヤードの11番パー3までもつれ込む。


11番で先に打ったエルスはピン・ハイ20フィートにつけ、フレイザーはそれよりも遠い30フィート。フレイザーはバーディ・パットを外すが、エルスは今回はこれを沈め、昨年に引き続きバック・トゥ・バックのチャンピオンになった。昨年も今年も勝負はどっちに転んでもおかしくなかったんだが、その両方で勝ったエルスの勝負強さを誉めるべきか。これでまたフレイザーのツアー初優勝はお預けとなった。15アンダーで3位にはラヴ、14アンダー4位にはリックライターが入った。一昨年このトーナメントでツアー初優勝を飾ったジェリー・ケリーが、ブレイニー・ベアードと共に13アンダーで5位タイとなった。







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