ソニー・オープン

2002年1月10-13日   ★★

ハワイ州ホノルル、ワイアラエ・カントリー・クラブ

先週メルセデス・チャンピオンシップに優勝したセルジオ・ガルシアが続けて出場。しかしその焦点はガルシアが出場するというそのことではなく、毎年毎年長くなっていくガルシアのワッグルに当たっていた。私があんなにガルシアのワッグルは長過ぎる、いらいらしてしょうがない、なんとかしてくれと思っていたら、やっとアメリカのマスコミも、これはちょっと甚だしすぎると思ったようだ。トーナメント前の記者会見ではガルシアのワッグルに質問が集中、ガルシアは結構切れそうになったという一幕があったらしい。


ガルシアは記者に対し、あんたたちが記事を書く時に何度ペンを持ち替えようと俺は気にしないし文句も言わない、だから俺のゴルフにも口出ししないでくれと言ったそうだ。何と言われようとも今後もアドレスに入ったらしっくりくるまで好きなだけグリップを持ち替えるとも。これははっきり言って問題のすり替えである。記者がどんなに呻吟して記事を書こうとも、読者が目にするのはその記事だけであり、記者が何万回、何億回ペンを持ち替えようとも、それは誰にも見えないし、誰も気にしない。ところが、プレイのすべてを見せることが仕事のプロ・スポーツの場合、力強く、美しくあることは、求められる条件の一つだ。記者が見えないところでペンを持ち替えるのとは根本のところで問題の次元が違う。


もちろんすべてのアスリーツが美しいフォームでプレイしているわけではない。もし全員が全員そうだったら、逆にスポーツは面白くないだろう。ほとんど全員が独自の癖を持っているし、それが愛嬌があったりするから面白く、また、タイガー・ウッズのようなほとんど完璧なフォームが逆に際立つということもある。しかし、しかしだ。打つたんびに延々とグリップを持ち直し持ち直し、永遠とも思える時間をかけるのを見るのは、こちらの我慢の限界を超えている。あれってスロウ・プレイで罰せられなくていいのか。これまでは若くてエネルギッシュなワンダー・ボーイとして人々はガルシアを応援していたかも知れないが、今後もサポートするとは私には到底思えない。そういう私の思い、人々の気持ちが伝わったか、今回はガルシアは早々と姿を消した。結構自分のゴルフが問題になっていると知ってショックだったかも知れないが、直すなら今のうちだ。


さて、トーナメントの方であるが、最終日はハワイ特有の貿易風と難しいピン・プレイスメントのため上位にいたゴルファーが誰もスコアを伸ばせず、我慢比べとなり、最後の最後になってジョン・クックと、3日目終了時点で2位に2打差をつけてトップに立っていたツアー未勝利のジェリー・ケリーとの勝負となった。ケリーの一つ前のパーティでプレイしているクックは、17番パー3で、テイクバックに入った時にギャラリーの誰かの携帯が鳴りだして邪魔をされ、ティ・ショットをバンカーに入れてしまいボギー。次の18番パー5でバーディを奪うも、結局この日1アンダー69、通算13アンダーでレギュレイションを終える。一方のケリーも17番でボギーを叩くが、貯金が利いて、この日イーヴン・パーの70、通算14アンダーでクックをうっちゃり、ケリーのツアー初優勝が決まった。クックは可哀想としか言い様がない。







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