放送局: FX

プレミア放送日: 3/14/2000 (Tue) 22:30-23:00

製作: ロック・ロモン・エンタテインメント、ハワード・スターン・プロダクション

製作総指揮: ハワード・スターン

クリエイター: デイヴィッド・モーガセン、ティモシー・スタック・ジェイムス・スタイン

製作: スコット・マカボイ、ギル・ワズワース

監督: ジョージ・ヴァースクール

脚本: デイヴィッド・モーガセン、ティモシー・スタック・ジェイムス・スタイン

撮影: アーマンド・ガザリアン、ジャック・ハイトキン

音楽: ウィリー・エトラ、ジェイムス・ヴァーボールト

出演: ティモシー・スタック(ノッチ・ジョンソン)、ジェイミー・バーグマン(B.J. カミング)、ローランド・キッキンジャー(チップ・ロンメル)、キム・オーヤ(キンバリー・クラーク)、ライラ・アルシエリ(ジャマイカ・セント・クロイ)、リサ・ベインズ(アニタ・メッセンギル市長)、マイケル・バレンセン(スティーヴ(犬))


物語: 第1話:「With Sex You Get Eggroll」

カリフォルニアのライフ・ガード、ノッチ・ジョンソンはメンバーのB.J. 、チップ、ジャマイカ、それに犬のスティーヴを従えて皆の海を守っていた。しかし、女性市長のメッセンギルはノッチ更迭を狙っており、スパイとしてキンバリーを新たなライフ・ガードとして送り込む。一方、あるアジアの一国から、大量の売春婦を乗せた船がアメリカへと送り込まれ、アメリカ西海岸に流れ着く。ノッチは助けた女性の発言からその黒幕の存在を知り、正義のためにキンバリーと共に売春窟に乗り込むが、逆に自由を奪われてしまう。ノッチが本当にいい奴だと知ったキンバリーは、市長を裏切ってノッチを助け、ノッチは売春窟を牛耳る元締めを追跡する‥‥


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現在、世界中で最も多くの人が見ているTV番組‥‥それは「ベイ・ウォッチ」である。肉体派男優デイヴィッド・ハッセルホフ、それに数多の肉体派女優をキャスティングし、アメリカ西海岸のライフ・ガードの活躍を描く「ベイ・ウォッチ」は、内容よりもとにかく彼/彼女らのゴージャスな水着姿だけをセールス・ポイントに、世界中で放映されている。「V.I.P」のパメラ・アンダーソン・リーも「ベイ・ウォッチ」出身と聞けば、この番組のレヴェルも知れようというもの。一時NBAの風雲児デニス・ロドマンの妻であったカーメン・エレクトラも「ベイ・ウォッチ」出身である


89年から始まった「ベイ・ウォッチ」はこれまで世界148か国で放送され、その最盛期には毎週10億人がこの番組にチャンネルを合わせたと言われている。現在では当時ほどの勢いはないとはいえ、それでもまだ毎週1億人が見ているそうだ。昨年は人気に翳りの出てきた番組に梃入れするため「ベイ・ウォッチ・ハワイ」というスピンオフまで製作されている。まあ、私もたまには能天気にグラマラスな女優の水着姿だけをぽーっと眺めていてもいいかとは思うんだが、これが世界中で最も人気の番組だと聞くと、ちょっと、と思ってしまう。しかし考えたら同じ肉体派で世界的スターのアーノルド・シュワルツネッガーだって演技のレヴェル自体は「ベイ・ウォッチ」とほとんど変わらないしなあ。それを考えたら別に「ベイ・ウォッチ」を糾弾する理由なんてないかとも思える。ま、いいか。


そして、やっぱり現れたか。その「ベイ・ウォッチ」を徹底的にパロった番組が、この「サン・オブ・ザ・ビーチ」だ。とにかく、まったく下らないHギャグがこの番組の売り。この下らなさ加減は、楽勝で本家「ベイ・ウォッチ」の上を行っている。まず、登場人物名から冗談がきつい。主人公のノッチ・ジョンソンは男性器の俗称であるジョンソンにノッチ(切れ目)がついているということ。これは昔、西部開拓の時代、決闘する度に自分の銃に倒した相手の数だけノッチを刻み込んだことから来ている。実際に自分の性器にノッチを刻むわけにはいかないが、要するにイメージとしてはそういうこと。いわばノッチ・ジョンソンとは「千人斬り」というような名前なのだ。


ブロンド・ガールのB. J.カミングスは、バレーボール選手からB.J.というニックネームをいただいたということになっているが、もちろんここで意味するものはBlow Job Commings。訳すると、「フェラチオいくいく」が名前になっているわけだ。ブルネットのジャマイカ・セント・クロイも、要するにカリブ諸島名をくっつけただけである。キンバリー・クラークとはもちろんトイレット・ペーパー製造で知られるキンバリー・クラーク社からいただいたものだし、メッセンギル市長は女性用生理用品メッセンギルの名を頂戴している。チップ・ロンメル辺りになるとさすがにこういうこじつけもネタ切れになると見えて、ただアーリア人至上主義のロンメル元帥の名をいただいただけになっているが、それでもちゃんと近年の人種差別に敏感な世論に対して一言、みたいな冗談にはなっている。


ところで以上の名前の由来はもちろん私が聞いただけですぐにぴんと来たものではない。B.J.カミングスとキンバリー・クラーク、ジャマイカ・セント・クロイくらいなら知っていたが、ノッチ・ジョンソンやメッセンギルなんてネイティヴの私の同僚に訊くまで意味はあるだろうと思いつつも全然わけがわからなかった。どんなに下らなさそうなお笑い番組であろうと、ネイティヴでなければその意図するものの半分も伝わらなかったりするわけだ。なんか悔しい。


私が訊ねるまで意味がわからなかったものをもう一つ。プレミアの回のタイトルになっている「With Sex You Get Eggroll」であるが、これはドリス・デイ主演のコメディ「With Six You Get Eggroll」から来ている。これなんて日本公開されていないから英語が得意な人でもまず意味はわからないだろう。ネイティヴだって映画好きでなければ知らないはず。この言葉の意味は、中華料理店に行くと、6人以上で席を取ればエッグロールが無料でサーヴィスされる場合が多いことから来ている。この映画では共に連れ合いに先立たれた子持ちの男と女が主人公で、両家族合わせると6人くらいの世帯になってしまうというところから来たタイトルであるわけだ。それがこの番組とどういう関係があるかというと、単に駄洒落である。あちらでは6人でエッグロールをもらい、こちらではセックスしてエッグロールをもらうくらいの意味しかない。それでも、この番組の製作者が映画を知っているくらいの軽いジャブにはなっている。こういうインサイダー的な洒落って、知らないとなんか、非常に悔しかったりする。


へんに寄り道してしまったが、では内容はどうかというと、もちろん内容もまったく無茶苦茶である。冒頭、アジアのある国で、アメリカに売られる女性たちが船に乗せられている。登場人物はちゃんと聞き取れる英語を喋っているのにもかかわらず、英語の字幕が出る。これはもちろん、アジア人の喋るアクセントのきつい英語をおちょくっているわけだが、彼らが笑うと、字幕の「Ha, Ha, Ha, Ha」が段々大きくなっていく。もう、まったくふざけたギャグで、私はあまりもの下らなさでここでまず爆笑してしまった。


その後で、本当はスパイのキンバリーがライフ・ガードのメンバーに紹介されるシーンでは、犬のスティーヴがいきなりキンバリーに抱きつくと、いきなり腰を使いだしてちんぽこをふりふりし始める。くっだんねえーと、私はここでも大爆笑。いやー、久し振りにTVを見て爆笑してしまったわ。その後もこういうお下劣ギャグが連発するわけだが、なんというか、あらゆるすべての点で低劣で、もう笑うしかないという。多分それを狙っているわけだから、狙いは見事に達成されていて、その点を見る限りではよくできた番組とも言えるかも。


この番組の製作総指揮を担当しているのは、アメリカでは深夜ラジオのパーソナリティおよび深夜のTVトーク・ショウでお馴染みのハワード・スターン。「サン・オブ・ザ・ビーチ」同様の下ネタで人気がある。日本でも公開された「プライベート・パーツ」は、スターンの若い頃の自叙伝である。出演者のうち、 B.J.に扮するジェイミーは99年のプレイボーイ・プレイメイト・オブ・ザ・マンスに選ばれたこともある。


「ベイ・ウォッチ」、「サン・オブ・ザ・ビーチ」両番組とも、見ようが見まいが人生にまったく何の影響もないという点では同類。「ベイ・ウォッチ」好きなら「サン・オブ・ザ・ビーチ」も楽しめるであろうことは保証する。なんてったって主要登場人物のうち3人の女性は、画面に映っている時間のほとんどが水着姿である。私としては、あまりにも下手なギャグのために時に思わず爆笑してしまい、しかも30分で終わってくれる「サン・オブ・ザ・ビーチ」の方を薦める。  






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Son of the Beach

サン・オブ・ザ・ビーチ   ★1/2

 
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