グレイター・ハートフォード・オープンはブレント・ガイバーガーが初優勝を飾ったが、しかし現在、米ゴルフ界の最大の注目を集めているのは、世界ランキングNo. 1のタイガー・ウッズとNo. 2のデイヴィッド・デュヴォールが賞金2億円を賭けて争うマッチ・プレイ、ショウダウン・アット・シャーウッドだ。しかもニューヨークがある東海岸では、月曜日の夜8時から11時までプライムタイムで3時間の生中継である (ゴルフ場は西海岸で、東海岸とは3時間の時差がある)。ゴルフがプライムタイムで生中継なんて前代未聞、しかもネットワークのABCがそれを放送する。


マッチの方は、最初の2ホールをデュヴォールがとった後、ウッズが挽回してフロント・ナインを回った後は互いに勝ったり負けたりしながらデュヴォールがウッズを追いかけるという展開。一時はウッズが3アップまで行ったがデュヴォールも譲らず、賞金のほとんどがチャリティに行くという半慈善試合ながら、勝負は俄然白熱した。勝負となると、例えそれがチャリティでも負けたくないというのプロの心情というのが伝わってきて面白かった。


マッチの鍵は16番パー4、1ダウンまで追い上げたデュヴォールがここで追い付き追い越せとばかり放ったティ・ショット (ドライヴァー? 3ウッド?) が、フェアウェイど真ん中に拵えられた薮にすっぽりはまり、アンプレイアブル。これを見たウッズは安全にアイアンでティ・オフしてホールをとって2アップ。続く17番パー3で先にパットを外したデュヴォールが、第2打のパットをギミーまで寄せたウッズにコンシードして2アンド1で熱戦に終止符を打った。デュヴォールは本当に負けてショックを受け、悔しそうな顔をしていた。いくら友好試合でも彼らはマジでした。デュヴォールは昨日までグレイター・ハートフォード・オープンでプレイしていて、最終日7アンダーで猛烈に追い上げるというゴルフをしていた。一方ウッズの方は全英オープンの後は2週間の完全休養。デュヴォールは一夜明けて何千キロも移動をした直後であり、ウッズの方が体調万全なのは明らか。試合前の予想もウッズ有利であったが、この体調の差がスコアにも現われたようなマッチだった。


ABCは、11時を少し回っても最後まで中継。よくツアー中継の最終日にサドン・デスの途中で中継を打ち切ってゴルフ・ファンから文句を言われっぱなしのABCにしては頑張った。ゴルフ・コースのシャーウッドも万一サドン・デスになった場合のことを考えて、わざわざナイター設備まで設置して完璧を期しての中継。別にいつもいつもこのような特別試合を見たいとは思わないが、1年に1回くらいこういうのがあっても悪くないなと思った。







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ショウダウン・アット・シャーウッド

1999年8月2日   ★★★

カリフォルニア州サウザンド・オークス、シャーウッド・カントリー・クラブ

 
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