放送局: NBC

プレミア放送日: 10/2/2001 (Sun) 21:30-22:00

製作: タッチストーン・テレヴィジョン

製作総指揮: ビル・ローレンス

製作: ランドール・ウィンストン

共同製作: ゲイビー・アレン、ニール・ゴールドマン、ギャレット・ドノヴァン

監督: アダム・バーンスタイン

脚本: デブ・フォーダム、ジャネイ・バッケン、マーク・ステイジマン

撮影: ディッキー・クインラン

音楽: ジャン・スティーヴンス

出演: ザック・ブラフ (ジョン・'JD'・ドリアン)、サラ・チョーキ (エリオット・リード)、ドナルド・ファソン (クリス・ターク)、ジョン・マッギンリー (ペリー・コックス)、ジュディ・レイス (カーラ・エスピノーサ)、ケン・ジェンキンス (ボブ・ケルソ)


物語: J.D.とクリスは昔からの悪友同士で共に将来は医者を目指しており、ついに今日からインターンとして実際の病院に二人して勤務となる。病院には同じインターンとしてエリオットがおり、J.D.は一目惚れしてしまう。彼らを指導する医者は曲者揃いで、特にターク医師の振る舞いは3人を困惑させるのだった。逆境にもめげず、3人は時に助け合い、時にお互いの足を引っ張りあいながら医者への道を目指して日々邁進する‥‥


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FOXの「マルコム・イン・ザ・ミドル」の成功に続かんと、スタジオ撮影でなく、ラフ・トラックの入らないシングル・カメラ撮影のシットコムが、徐々にではあるが確実に市場に登場し始めている。今春はABCが「ザ・ジョブ」の放送を開始、話題となるほどではないがそれなりに人気を獲得しており、今秋から第2シーズンに突入する。そして今、NBCの「スクラブス」だ。実は「スクラブス」以外にもFOXで今秋から「アンデクレアード (Undeclared)」というやはりシングル・カメラのシットコムが編成されているのだが、こちらの方は、わりと推されているにしては私はそれほど面白いとは感じない。


それでも、私は笑いを強制されているような気になるラフ・トラックというものがあまり好きではないので、シングル・カメラのシットコムには頑張ってもらいたいと強く思う。ただし、ラフ・トラックがあるからこそ盛り上がる番組もあると思うので、そういう番組がなくなった方がいいとは思わない。「フレンズ」とか「エヴリバディ・ラヴス・レイモンド」辺りで後ろに笑い声が入らないと、すごく寂しいものになってしまうと思う。希望としてはラフ・トラックがあるのとないのとのバランスが半々くらいだと有り難い。その方が番組製作者も色々な実験ができて、編成される番組の幅も広がるのではないだろうか。


「スクラブス」は医者を目指す3人の若者が主人公のシットコムである。「ER」や「シカゴ・ホープ」を例に出すまでもなく、病院を舞台とする番組は多い。昨年だけでも「NYPDブルー」のスティーヴン・ボチコがCBSで「シティ・オブ・エンジェルス」という大病院を舞台とするドラマを製作、「シカゴ・ホープ」のピーター・バーグもABCで「ワンダーランド」を製作、「ホミサイド」出身のアンドレ・ブローガー主演の「ギデオンズ・クロッシング」(ABC) なんてのもあった。そう言えば「プロヴィデンス」(NBC) の主人公だって職業は医者だな。警官、刑事、弁護士、検察官といったその手の王道の職業の次に多い主人公の職業が医者だろう。


それに較べれば、病院を舞台とするシットコムはそれほど多くない。生と死を扱うというと、どうしてもシリアスなドラマ向きになるからか、シットコムで病院を舞台とする番組はすぐには思い浮かばない。広い意味で言えば、今では古典となっている「M*A*S*H」をこの範疇に入れても差し支えなかろうとは思うし、CBSの「ベッカー」の主人公、テッド・ダンソンの職業は医者ではあるが、だからといっていつも病院が舞台となっているわけではない。やはり医者という職業はシットコムよりはドラマの方が作りやすいんだろう。そういう番組製作の難しさを思えば、「スクラブス」は非常によくやっていると思う。最初から最後まで病院内が舞台であり、重病人が登場することもあるにしては、ちゃんとツボを押さえて笑わせてくれる。思うに、現代という時代はお笑いでも少しくらい毒があった方がいいんだろう。


番組では主人公のJDが逆境に陥った時、頭の中で自分の置かれた状況を極端に戯画化して想像するという、「アリーmyラブ」が流行らせたギャグの方法を取り入れている。例えば、JDは同じインターンのエリオットにほの字なのだが、エリオットは今のところJDをライヴァルとしてしか見ていない。そのため口頭試問でエリオットが窮地に陥った時、JDは答えをそっと教えてあげるのだが、JDが困った時、エリオットはJDを見捨てて自分だけ正しい答えを答えて株を上げたりする。裏切られたJDは、夜の道路でトラックにはねられる自分を想像したりするのだ。


実はこのギャグの入れ方、HBOの「ドリーム・オン」で、主人公が頭の中で考えているイメージを視覚化して見せたのがそもそもの嚆矢である。しかしこの手法を流行らせたのは、とりもなおさず「アリーmyラブ」の貢献によるものと言っていいだろう。今シーズンのシットコムでは「スクラブス」だけではなく、同じNBCの「インサイド・シュワーツ (Inside Schwartz)」でも同様の手法がとられている。「インサイド・シュワーツ」では、スポーツ・キャスター志望の男が主人公なのだが、自分が窮地に陥った時、頭の中でTVのスポーツ・キャスターがコメントを入れたり、アメフトの審判がファウルをとったりする。私が見た回では、マイク・タイソンのレフェリーでお馴染みのミルズ・レインが出てきて、主人公に大丈夫か、立てるか、よし、試合続行、みたいなことを告げて去っていった。「スクラブス」でも「インサイド・シュワーツ」でもそういったシーンが結構おかしく、うまく笑いをとっていた。当分こういうギャグの流行は続きそうだ。


主演のJDを演じるザック・ブラフは私には初見。彼の幼馴染みのクリスを演じるドナルド・ファソンは、「フェリシティの青春」に出ており、一目惚れをするエリオットに扮するサラ・チョーキは「ローザンヌ」出身である。その他では、JDたちをいたぶる医者コックスに扮するジョン・マッギンリーが神経症な医者コックス役を好演している。マッギンリーといえば、「プラトゥーン」をはじめとするオリヴァー・ストーンの諸作で知られているが、私が最も印象に残っているのは、ディーン・クーンツの原作をミニシリーズ化した「インテンシティ」での殺人鬼役である。


番組クリエイターのビル・ローレンスは、ABCでゲイリー・デイヴィッド・ゴールドバーグと共に「スピン・シティ」を製作している。「スピン・シティ」は今シーズン人気の凋落が激しく、多分今シーズンが最後のシーズンになるだろうと噂されている。「スクラブス」には成功して欲しいところだろう。今シーズンは、どのチャンネルも結構シットコムよりはドラマの方に力を入れていて、シットコムはあまり話題とならない。その中で「スクラブス」の活躍はかなり目を引く。今後シングル・カメラによるシットコム路線を定着させるためにも、私もこの番組には成功してもらいたい。







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Scrubs

スクラブス   ★★★

 
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