放送局: カートゥーン・ネットワーク

プレミア放送日: 8/10/2001 (Fri) 19:00-20:30

製作: ハナ-バーバラ・プロダクションズ、カートゥーン・ネットワーク

クリエイター/製作総指揮/脚本: ゲンディ・タータコフスキー

音楽: ジェイムス・ヴェナブル

声の出演: フィル・ラマー (ジャック)、マコ (アク)


物語: 紀元?世紀の日本。代々アク (悪) と戦い、それを封じ込めてきた侍のお城の前に、封印していたはずのアクが現れる。アクは以前にも増して強大化しており、負けを覚悟した侍は息子を逃がして一人アクに戦いを挑む。その後世界中で武者修行して力をつけた息子は、成長して日本に戻り、アクと対決する。劣勢と見たアクは、策を弄して息子を未来世界に飛ばしてしまう。そこはアクが支配し、虐げられた人々や言葉を喋る犬がいる奇妙な世界だった。息子はそこでジャックと名乗り、元の世界に帰る日を夢見ながら、アクに戦いを挑むのだった。


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アニメーション (マンガという意味でカートゥーンとも言う) 専門のカートゥーン・ネットワークが編成する新アニメーション。カートゥーン・ネットワークは放送開始が92年と比較的新しいチャンネルだが、日本のアニメを早くから放送していたことでも知られており、現在も「ドラゴン・ボールZ」等を放送している。アメリカにも多数いるアニメ・ファンには人気の高いチャンネルだ。


現在、そのカートゥーンで最も人気の高いのは映画化も決まった「パワーパフ・ガールズ」だが、その他にも「ジョニー・ブラヴォー (Jhony Bravo)」、「シープ・イン・ザ・ビッグ・シティ (Sheep in the Big City)」、「デクスターズ・ラボ (Dexter's Laboratory)」等の人気番組がある。「サムライ・ジャック」は、その「デクスターズ・ラボ」のクリエイターであり、「パワーパフ・ガールス」の製作者でもあるゲンディ・タータコフスキーが製作する新アニメーションだ。


「デクスターズ・ラボ」のヒットにより、タータコフスキーは好きなように自分の番組を製作する自由が与えられた。その結果が「サムライ・ジャック」なのだが、まず、通常30分番組として製作されるアニメーションのプレミアが、90分の映画並みの長さで製作されたことに驚く。最初からTVで放送されることが決まっているアニメーションが90分という長さで製作されることなど、ABCが持っている日曜夜のディズニー番組専門枠で以外、聞いたことがない。


番組を見て、そのアヴァンギャルド (死語?) な内容にますますびっくりした。番組は、アク (悪) と戦うサムライ、ジャックの活躍を描くわけだが、長らくアクを閉じこめていたジャックの父が甦ったアクに破れた後、まだ幼いジャック (もちろんその時は日本名がついているはずで、父からはただ息子と呼ばれている) は、その様な事態が発生した時のために以前から母と話し合っていた取り決めに従って、世界を旅しながらの武者修行の旅に出される。


そこが最もびっくりするところなのだが、番組はなんと、そのジャックの武者修行の旅を延々と約10分にもわたり、絵と音楽だけで見せるのだ。セリフは一切なしである。アジアから始まって、中近東、ヨーロッパ、アフリカと続くジャックの旅が、延々と一切の会話なしで展開する。通常のドラマとは異なった演出方法が使えるアニメーションとはいえ、こんな大胆な演出、初めて見た。


ただし、番組の冒頭で出てくる日本の風景とお城の内部は、アメリカ人が考える日本の枠を出ておらず、日本人の目から見ると、日本と中国がごっちゃになっているのがありあり。まげはまげに見えず、どっちかというとテニスのパトリック・ラフターが髪を切る以前にしていたポニー・テイルのようだ。部屋部屋は、襖の代わりに縁が赤く塗られた扉のない枠で仕切られている他、和服や裃がまるででたらめである。番組の想像力が機能し始めるのは、ジャックが未来に飛ばされてからだろう。


タータコフスキーはロシア人で、7歳の時アメリカに移住してきた。アニメーターであるが、彼に最も影響を与えたのは、ワーナーやディズニーのアニメーションよりも、黒澤明や岡本喜八のような映画監督である由。黒澤はともかく、岡本喜八っていうのが渋い。「大菩薩峠 (Sword of Doom)」は特にお気に入りの一本であるそうだ。ジャックの声を吹き替えているのは、FOXの「フューチュラマ (Futurama)」 のフィル・ラマー。アクの声は、「パール・ハーバー」にも出ていたマコが担当している。ほとんど喋らないジャックにも増して重要な役を仰せつかっていると言える音楽を担当しているのは、作品としてはまったくつまらなかった「ジェイ・アンド・サイレント・ボブ・ストライク・バック」のジェイムス・ヴェナブル。


「サムライ・ジャック」は今後、月曜夜8時が定時の30分番組となって、延々とサムライ、ジャックの成長物語兼アクション・ドラマを紡いでいくことになる。カートゥーン・ネットワークは既に13話×3シーズン、39話をオーダーしている。果たして、ほとんど喋らない変な髪型の外人を主人公とする「サムライ・ジャック」がカートゥーンの人気番組として確立できるか、実に興味深い。







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Samurai Jack

サムライ・ジャック   ★★1/2

 
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