第1日

フォーサム

前半、4つのマッチがすべてヨーロッパの1アップのリードになったのを見た時は、またかよ、最近、USは地元でもなんか圧されてばかりいるような気がして、不安になる。しかしUSはそこから挽回、最初のマッチのジム・フューリック/ブラント・スネデカーはロリ・マキロイ/グレム・マクドウェル相手に3ダウンから17番を終わってオール・スクエアまで挽回する。


しかし18番パー4のティ・ショットをスネデカーが大きく右に曲げる。マキロイも同様に右に曲げるが、こちらは木に当たってフェアウェイ側に跳ね返ってきた。結局この差でマキロイ/マクドウェルがフューリック/スネデカーを1アップで下した。


フィル・ミッケルソン/キーガン・ブラッドリーは、これまでライダー・カップで14勝無敗の負けなしを誇ったセルジオ・ガルシア/ルーク・ドナルドを4&3と大逆転で下す。ジェイソン・ダフナー/ザック・ジョンソンもリー・ウエストウッド/フランチェスコ・モリナリを3&2で下す。


しかし第4マッチのタイガー・ウッズ/スティーヴ・ストリッカーはイアン・ポールター/ジャスティン・ローズを相手に2&1で敗れる。ウッズは元々ライダー・カップではあまり勝てないが、フォーサムを見る限り色んなところで右に左に曲げていた。午後もウッズ/ストリッカーにこだわる必要はないんじゃないか。これで午前を終わってUS2ポイント、ヨーロッパ2ポイントとイーヴン。



フォーボール

午前と異なりUSがヨーロッパを圧倒、特に第1マッチのバッバ・ワトソン/ウェブ・シンプソンは、ポール・ローリー/ピーター・ハンソンを5&4とまったく寄せつけずに勝った。第2マッチのブラッドリー/ミッケルソンもマキロイ/マクドウェルを2&1で破り、第4マッチのマット・クッチャー/ダスティン・ジョンソンもマーティン・カイマー/ジャスティン・ローズを3&2で下す。


しかし勝負として最もエキサイティングだったのは第3マッチのウッズ/ストリッカー vs ウエストウッド/ニコラス・コールサーツで、特にコールサーツのできがこの上なくよく、8バーディ1イーグルと、コース・レコード並みのバーディ・ラッシュ、ほとんどすべてのホールを1パットで、逆にまったくできのよくないヴェテランのウエストウッドがコールサートの足を引っ張っていた。


それにウッズ/ストリッカーもなんとかくらいつく。午前中を見た限りではもう特にウッズにこだわる必要はないんじゃないかとすら思えたが、午後のフォーボール、特にウッズの最後の4ホールは全盛時並みの集中力でぞくぞくさせられた。しかし1ダウンで迎えた18番パー4で、これをねじ込めばオール・スクエアのウッズの15フィートのバーディ・パットはカップの左縁に蹴られ、コールサーツ/ウエストウッドが1アップで勝った。これでUS5ポイント、ヨーロッパ3ポイント。



第2日

フォーサム

ミッケルソン/ブラッドリーがウエストウッド/ドナルドを7&6と完膚なきまでに打ち砕く。ミッケルソン/ブラッドリーはいまんとこ今大会のポイント・ゲッターだ。ワトソン/シンプソンは今度はローズ/ポールターに1ダウンで敗れ、ダフナー/ジョンソンはコールサーツ/ガルシアを2&1で退ける。フューリック/スネデカーはマキロイ/マクドウェルを1アップで下す。これでUSA8ポイント、ヨーロッパ4ポイントと、近年でUSがこれだけリードしているのを見るのは初めてだ。


フォーボール

まずワトソン/シンプソンがモリナリ/ローズを5&4で下す。クッチャー/ジョンソンも追いすがるコールサーツ/ローリーを1アップで突き放す。しかしウッズ/ストリッカーはドナルド/ガルシアに1ダウンで敗れる。昨日のウッズ同様、18番で今度はストリッカーがこれを入れてオール・スクエアの8フィートのバーディ・パットが、これもカップの縁に蹴られた。第4マッチはポールター/マキロイがジョンソン/ダフナーを1アップで下す。


印象的だったのは昨日ほとんど全部のパットを沈めていたコールサーツのパットが、今日はほとんど全部カップの縁に弾かれていたことで、たった一日で天と地の開きがあった。ポールターも最後の数ホールのパットをすべて沈める大車輪の活躍。ペアを組む世界ランク・ナンバー・ワンのマキロイが完全に霞んだ。ウッズ/ストリッカーも連敗したとはいえ、両日共にダメかよと思わせたところからの後半の追い上げは非常にエキサイティングで、ライダー・カップの醍醐味はこれなんだよと思わせられた。2日目を終わってスコアはUSA10ポイント、ヨーロッパ6ポイント。



最終日

シングルス

ワトソン vs ドナルドはドナルドがワトソンを2アップで下す。ローリーもスネデカーを5&3で下し、マキロイがブラッドリーを2&1で、ポールターがシンプソンを2アップで下し、なんと4連勝で10ポイント vs 10ポイントのタイ。これはもしかして1999年にUSAが最終日に4ポイントの差を逆転して勝った奇跡の再現があり得るか。


USAのシングルスでのポイントはジョンソンがコールサーツを2アップで破ったのが最初。ミッケルソン vs ローズは、16番を終えた時点でミッケルソン1アップ。17番パー3でミッケルソンがグリーン奥からのチップ・ショットを入れたかと思えた瞬間に左にそれ、一方のローズが30フィートのバーディ・パットを沈めてオール・スクエア。18番ではミッケルソンがフェアウェイからの第2打を大きくグリーン、オーヴァーしたのに対し、ローズはラフからピン・ハイ、8フィートに乗せる。ミッケルソンが第3打をカップまで6フィートに寄せた後、ローズは8フィートを沈めて逆転で1アップで勝った。これでUSA、ヨーロッパ、共に11ポイントのタイ。残り6マッチはUSAとヨーロッパのリードが共に3マッチずつで、これは本当にわからなくなった。


ジョンソンはマクドウェルを2&1で破るが、しかしウエストウッドはクッチャーを3&2で下し、共に12ポイント。フューリック vs ガルシアは、フューリックが18番で5フィートのパー・パットを外し、ガルシアが17番、18番と連続でとってまさかの1アップの逆転勝ち。これでヨーロッパ13ポイント、USA12ポイント。信じられないまさかが起きるか。


ダフナーはハンソンを2アップで下し、共に13ポイント。残り2つ、ストリッカー vs カイマー、ウッズ vs モリナリはオール・スクエアだ。うひぇーっ、手の平に汗かいてきた。ストリッカーは17番でボギーで、これでカイマーが1アップ。しかしモリナリも17番をボギーで、これでウッズが1アップ。


ストリッカーは18番で根性で8フィートのパー・パットを沈めるが、しかしカイマーも6フィートのパー・パットを沈め、ついにヨーロッパ14ポイントに達する。ウッズが勝って共に14ポイントになってもタイの場合はカップ保持者のカップ維持が定められているため、実質ヨーロッパの勝ちだ。信じられないまさかが起きてしまった。ウッズは18番で第2打をグリーンを外し、パー・パットを外したところでコンシード、結局分けて、最終スコアはヨーロッパ14 1/2 ポイント、USA13 1/2ポイント。


ラヴは昨日までは勝ちを確信していたろうが、勝負は下駄を履くまでわからない。本来ならばメンバーのチョイスではハンター・メイハンがポジションではキャプテンズ・ピックの誰よりも上にいたのだが、前回メイハンが最後にびびっために負けたという印象がたぶんラヴにあったのだろう。しかしそのメイハンを外して選んだゴルファーが、ほとんど勝ち星なしで終わった。一方のヨーロッパのオラハボルのピックのポールターとコールサーツは、強力な印象を残した。それでも2日目を終わった時点では、オラハボルは負けを覚悟しただろう。本当に、勝負は下駄を履くまでわからない。無論ライダー・カップの面白さはそこにあるのだが。




USAキャプテン: デイヴィス・ラヴ3世

キャプテンズ・ピック: スティーヴ・ストリッカー、ジム・フューリック、ブラント・スネデカー、ダスティン・ジョンソン


ヨーロッパ・キャプテン: ホゼ・マリア・オラハボル

キャプテンズ・ピック: ニコラス・コールサーツ、イアン・ポールター









 

39回ライダー・カップ   ★★★★

2012年9月28日-9月30日、

イリノイ州メダイナ、メダイナ・カントリー・クラブ

 
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