第35回ライダー・カップ

2004年9月17-19日   ★★★

ミシガン州ブルームフィールド・タウンシップ、オークランド・ヒルズ・カントリー・クラブ

第1日

フォーボール

いきなりアメリカ勢がほとんど総崩れ、スチュワート・シンクとクリス・ライリーのペアがポール・マッギンリーとルーク・ドナルドのペアに引き分けた他は、先陣を切ったタイガー・ウッズ/フィル・ミッケルソン組がコリン・モンゴメリ/パドレイグ・ハリントン組に2&1で、続くチャド・キャンベル/デイヴィス・ラヴ3世組がダレン・クラーク/ミゲル・エンゲル・ヒメネス組に5&4で、デイヴィッド・トムズ/ジム・フューリック組がセルジオ・ガルシア/リー・ウエストウッド組に5&3で破れる完敗。午前中を終わってヨーロッパ3 1/2ポイント、アメリカ1/2ポイント。


フォーサム

午後のフォーサムでもアメリカはいいところなし。なんにしても世界No. 2とNo.4のペアであるウッズ/ミッケルソン組がなぜ勝てない? ウッズはライダー・カップでペアを組んだ場合の勝率が異常に悪く、ライダー・カップで勝てないのはなぜかと勝負前から散々言われていたが、今回もやはり勝てない。今季の調子がよくないことを抜きにしても、これだけ勝てないのは不思議としか言い様がない。ウッズはこれだけ調子が悪くても、それでも今年のワールド・チャンピオンシップのマッチ・プレイのチャンピオンなんだぞ。フォーサムでは最初の方ですぐ3アップとリードしておきながら、簡単に挽回されてしまう。それでも17番パー3で追いついて、やっとオール・スクエアに戻したと思ったら、18番でミッケルソンがほとんどOBのティ・ショットを打ってペナルティがついてしまい、万事休す。まったく噛み合ってない。結局ウッズ/ミッケルソンはここでもクラーク/ウエストウッド組を相手に1アップで負けてしまう。監督のハル・サットンも大誤算だったろう。


特にミッケルソンは、こんな大勝負があるのに、ライダー・カップ直前に契約ゴルフ・クラブをタイトライストからキャラウェイに替え、それに完全に馴染んでないのが叩かれまくっていた。ミッケルソンはよくパターを調子や気分に応じて替えたりしているので、私はクラブを替えることが完全に間違いだったとは思わないが、それでもあんな大一番というところでOBのようなショットを打たれると、がっかりせざるを得ない。それで結果が出せなければ、やはり叩かれるのがオチだろう。おかげでサットンも怒って、土曜の午前のプレイはミッケルソンは外された。しょうがあるまい。


その他のフォーサムも、ジェイ・ハーズ組がヒムネス/トマス・ルヴェイ組を3&2で破ってやっと一つ勝ち星を上げた他は、モンゴメリ/ハリントン組がラヴ/フレッド・ファンク組を4&2で下し、ガルシア/ドナルド組がケニー・ペリー/シンク組を2&1で破った。これで午後はヨーロッパ3ポイント、アメリカ1ポイントで、初日を終わってヨーロッパ6 1/2ポイント、アメリカ1 1/2ポイントと、なんだか既に勝負あったような気がする。過去、これだけの大差をひっくり返した例はない、というか、ここまで差がついたのが史上初めてなのだ。前回、やはりアメリカで開催され、アメリカが最終日に劣勢を挽回した大逆転劇の時さえ、初日終わった時点ではヨーロッパ6ポイント、アメリカ2ポイントと、まだ4ポイント差だった。それが今回は既に5ポイント差だ。サットンは我々は今日歴史を作ったとかジョークめかして言っていたが、内心おだやかじゃないだろう。それにしても、勝てないウッズ/ミッケルソンもそうだが、それよりもぼろぼろに見えたのがラヴだ。とにかくショットが決まらないパットが決まらないと、まるでいいところがなかった。明日になれば風向きは変わるだろうか。



第2日

フォーボール

前回は2日目の午前はオールタネイト・ショットでプレイするフォーサムをプレイし、午後にフォーボールだったのだが、今回は初日同様、午前がフォーボール、午後がフォーサム・プレイ。そのフォーボールで、今度は打って変わってアメリカが攻める。いち早くウッズ/ライリー組がクラーク/イアン・ポールター組を4&3で破ると、シンク/ラヴ組もモンゴメリ/ハリントン組を3&2で下し、フューリック/キャンベル組はポール・ケイシー/デイヴィッド・ハウエル組に2&1で破れるも、ハーズ組はガルシア/ウエストウッド組と分け、ハーフ・ポイント拾う。ラヴは昨日と打って変わって好調で一安心。ウッズも今回、やっと1勝だ。これでヨーロッパ8ポイント、アメリカ4ポイント。


フォーサム

フォーボールでアメリカ勢が優勢だったので、午後もその調子でなんとか盛り返して最終日を盛り上げて欲しいところだが、また失速する。ウッズ/ラヴは前回のベルフリィでも組んで、ウエストウッド/ガルシア相手にベスト・マッチを見せていたのをよく覚えている。さらに今日はラヴの調子もよさそうだし、二人共もう一勝してもらいたいと思っていたら、ハリントン/マッギンリー相手に最初2アップにしておきながら、そこからまた挽回されて4&3というわりと大差で負ける。本当に、強い者同士が組んでもペアのマッチ・プレイとなると必ずしもその強さが二乗されるわけではないというのが頭ではわかってはいても、にわかには信じがたい。なんでこんなあっさり負けてしまうんだ。


唯一の安心材料は、今回非難の矢面に立たされているミッケルソンが、今度はトムズと組んでヒムネス/ルヴェイ相手に4&3で勝ったことだが、しかしフューリック/ファンクがガルシア/ドナルドに1アップで破れ、今回わりと安定していたハーズ組もクラーク/ウエストウッド相手に5&4といいとこなく負けてしまったことで、結局午後は負けが込んだ。これでヨーロッパ11ポイント、アメリカ5ポイント。前々回アメリカが大逆転劇を演じたザ・カントリー・クラブの時ですら、2日目終了時点で10ポイント対6ポイントと、4ポイント差だった。それが今回は地元で6ポイント差で、これをひっくり返すには、最終日のシングルスで12人中9人が勝たなければならない。どう見ても現実的じゃないよなあ。せめて勝てないまでも、最終日はいい勝負をして盛り上げてもらいたい。



最終日

シングルス

最終日のシングルスは、アメリカ側はいきなり最初にウッズ、次にミッケルソン、3番目にラヴと、世界ランキングの高い順に持ってきて、とにかく最初にリードしてチームの志気を高めようという作戦だ。実際、シングルスが始まって最初の方はアメリカが押し、いきなり最初の6マッチでアメリカがリードした時は、これはもしかしたらもしかしてまた劇的な勝負を見せてくれるかもと期待する。しかしここでも誤算はミッケルソンで、ガルシア相手に最初こそ2アップとリードしたもののすぐにひっくり返される。結局ウッズはケイシー相手に3&2で勝ったものの、ミッケルソンは3&2で破れ、ラヴもクラークと分けた。続くフューリックはハウエルを6&4で下し、キャンベルもドナルドを5&3で破ったものの、ウエストウッドはペリーを1アップで下し、モンゴメリがトムズを1アップでうっちゃた時点で既にヨーロッパ勢は得点過半数の14 1/2ポイントに達し、カップ保持を決めた。その後は結局消化試合なわけだが、それも5マッチ中4マッチをヨーロッパ勢が制し、最終スコアは18 1/2対9 1/2と、ダブル・スコアとなるヨーロッパの完勝。近年競ることが多かったライダー・カップにしては滅多にない大味な勝負になった。それにしてもミッケルソンは当分叩かれるだろうなあ。







< previous                                    HOME

 
 
inserted by FC2 system