放送局: ショウタイム

プレミア放送日: 6/26/2000 (Mon) 22:00-0:00

製作: ヴィアコム・プロダクションズ

製作総指揮: デニス・レオニ、ロバート・アイスル

製作: ケヴィン・ドネリー

監督: ジーザス・サルヴァドル・トレヴィノ

脚本: デニス・レオニ

撮影: アンドレス・ギャレトン

編集: クレイグ・ヘリング

音楽: ジョゼフ・ジュリアン・ゴンザレス

美術: ジョン・イヴァコヴェリ

出演: マイケル・デロレンゾ(カルロス・サンチアゴ)、ニコラス・ゴンザレス(アレックス・サンチアゴ)、ルース・リヴィア(ヨランダ・サンチアゴ)、モーリシオ・メンドーザ(ミゲル・サンチアゴ)、マリソル・ニコルス(ヴィクトリア・サンチアゴ)、トニー・プラナ(ロベルト・サンチアゴ)、エリザベス・ピーナ(ビビ)、ダニエル・ザカパ(ルーベン)


物語: L.Aに居を構えるサンチアゴ家は、祖父の代からボクシングに打ち込んできたラテン系一家。次男のカルロスが世界挑戦にもう一歩というところまでこぎつけ、一家の長、ロベルトの意気は上がる。しかし殴られた次女ヴィクトリアの仕返しに相手の男をしたたか殴りつけたカルロスは、世界挑戦への切符を手にしたその夜に銃撃に遭い、半身不随となって世界への夢を断たれる。三男のアレックスは医師を目指して勉強していたが、父の夢を実現させてあげたい一心で学校をやめてボクサーに転向する決心をする。長女のヨランダはこれまで自分を犠牲にして家族のために尽くしてきたが、誰もそれを気にかけてくれず、職場で気になっていた男性が別の女性と食事しているのを目撃したのをきっかけに、感情が爆発する。サンチアゴ家の伯母のビビはロベルトに、自分の夢のために家族を犠牲にするのはやめろと諭すが、一方で、自分のためにカルロスが撃たれたのを知っていたヴィクトリアは、一人深夜に男を呼び出して会う算段をする‥‥


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ペイTVとしてはHBOに次いで業界2番手のショウタイムは、加入者獲得の手段として、現在黒人やラテン系を主人公にしたドラマ・シリーズを放送、エスニック視聴者の取り込みに腐心している。元々ショウタイムの放送するシリーズは、「アウター・リミッツ」や「スターゲイトSG1」等のニッチェ層を狙ったSFが多く、最近「ソプラノス」、「セックス・アンド・シティ」、「Oz」と、話題作を連発して波に乗るHBOには、やはり一歩も二歩も及ばないという感じが強かった。エスニック路線はSF路線に変わるショウタイムの顧客獲得戦略というわけだ。


そういう、なんとなく付け焼き刃的なドラマという気がしていたから、この「リザレクション・ブールヴァード」も、実は最初あまり見る気がしなかった。ふんだんに予算をかけて製作するHBOのドラマ・シリーズに較べ、ショウタイムのドラマはどうしてもチープという感じがするし、これまでにも印象に残った番組がほとんどない。今回もこの「リザレクション・ブールヴァード」に引き続いて、翌々日は黒人視聴者層をターゲットにした、同名映画を基にした新シリーズ「ソウル・フード」がスタートしたのだが、両方とも大した番組には見えない。ちょっと敬遠しようかなと思っていた。それが前言撤回して見てみようかなと思ったのは、「リザレクション・ブールヴァード」がショウタイムのシリーズとしては例外的に番組評がよかったからである。そうか、結構面白いのか。ならば見てみようじゃないか。


基本的にこの番組の出演者はほとんどが無名である。ラテン系としてはわりあいよく知られている方のエリザベス・ピーナが一枚クレジットで名が出ている他は、FOXの「ニューヨーク・アンダーカヴァー」のマイケル・デロレンゾ、CBSの「刑事ナッシュ・ブリッジス」のチーチ・マリンが特別出演しているくらいで、後は少なくとも私の目には全員初お目見えである。しかし、結論から言うと、それが番組にリアリティを付け加えるのに一役買っている。どこにでもいるラテン系一家に見えるからこそ、なんとなく本当にありそうなことに見える。実際、私の知っているラテン系の奴って、本当にあんな感じなのだ。その点、流石にラテン系が製作陣に名を連ねているだけあって、その「感じ」は充分出している。


番組の主人公一家、サンチアゴ家は、代々ボクシングに打ち込んできた家系である。そしてロベルトの長男カルロスは、そのサンチアゴ家の夢をかなえて世界チャンピオンになるのも夢ではないと期待されていた。しかし妹の痴話喧嘩にかかわったことから銃で撃たれ、カルロスはボクシングの夢を断たれることになるのだが、その代わり、兄カルロスの、そして父ロベルトの夢をかなえるべく、医師になるべく勉強していたアレックスが、新しくボクシングの道に進む。


この展開って何かに似ているなと思っていたら、そうそう、「ゴッドファーザー」なのだよ。もちろん舞台は違うが、番組の軸となるアレックスの役柄が、「ゴッドファーザー」でアル・パチーノが演じたマイケルとそっくりなのだ。二人とも、家族(父)のために自分が志していた目標を諦め、父が望んでいた道へと進み、そして実は自分でも知らなかったことだが自分にその才能があることを悟り、どっぷりとその道に浸かっていく。


一方はイタリア系、一方はラテン系であるが、共に家族を第一に考え、家族の絆が何よりも大事だと考えている。プレミアで、殴られたヴィクトリアの仕返しに相手の男を袋叩きにするカルロスなんて、「ゴッドファーザー」でタリア・シャイアを殴ったその旦那を許せなくて何倍も熨斗をつけて返していたジェイムス・カーンを彷彿とさせる。最大の違いは、家族の核となる父の存在感の違いだが、これは一方がマーロン・ブランドだから誰もあのカリスマ性は真似できまい。いずれにしても、家族を軸とした物語の展開の仕方がそっくりなのだ。


もちろん、多くの者が映画史上ベスト1と考えている「ゴッドファーザー」と「リザレクション・ブールヴァード」がタメを張ると言うつもりは毛頭ないし、いくらなんでもそのレヴェルにまでは達していないのは明らかなのだが、よい番組作りを目指していたら必然的に似てしまったのだろうなと、私は好意的に解釈している。それに、いつの間にやら肝っ玉母さんを演じるようになったエリザベス・ピーナは、私が現在最も過小評価されていると感じている実力派監督ジョン・セイルズの知られざる傑作、「ローンスター」に準主演していたこともあり、贔屓にしていた。


しかしほんとラテン系の女性って、ちょっと目を離すとぶくぶく太るな。うーん、この番組でヨランダを演じるルース・リヴィアは、今人気のスペイン女優ペネロペ・クルスとジェニファー・ラヴ・ヒューイットを足して割ったような顔立ちで結構気に入ったのだが、彼女も今にこんな風にぶくぶくになっちゃうのかなと、いらぬことを考えてしまった。それともう一つ、余計なことだがサンチアゴ家のルーベン叔父(ボクシングのせいでパンチ・ドランカーになっている)に扮するダニエル・ザカパが、ブルース・スプリングスティーンそっくりなのだ。私は彼が画面に映る度に、唖という設定にもかかわらずいきなりギターを持って何か歌いだしそうな錯覚にとらわれて困った。






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リザレクション・ブールヴァード   ★★★

 
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