一人で勝手にノミネートして授賞して盛り上がる個人的アカデミー賞の第9回。
作品賞 (Picture)
アルゴ (Argo)
クラウド・アトラス (Cloud Atlas)
ダークナイト・ライジング (The Dark Knight Rises)
ロウレス (Lawless)
ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 (Life of Pi)
レ・ミゼラブル (Les Miserables)
ゼロ・ダーク・サーティ (Zero Dark Thirty)
「クラウド・アトラス」は明らかに失敗していると思うが、これをやろうとした意気に打たれる。「ダークナイト・ライジング」はシリーズの掉尾に敬意を表して。「ロウレス」はまた新しいヴァイオレンス描写を開拓、「ライフ・オブ・パイ」は意外にして堅実、「レ・ミゼラブル」には泣かされた。
しかし年代こそ違え、アメリカと中東のきな臭い関係を描いた二つのドラマが今回の顔だ。「アルゴ」はエンタテインメント寄りで、「ゼロ・ダーク・サーティ」はシリアスな軍事ドキュドラマ。どっちが趣味かというのが選択の分かれ目。「アルゴ」は最後の空港でのサスペンスがいかにも作り過ぎなのが気になった。私が選ぶのは、「ゼロ・ダーク・サーティ」。
監督賞 (Director)
ベン・アフレック「アルゴ」
ポール・トーマス・アンダーソン「ザ・マスター (The Master)」
ウェス・アンダーソン「ムーンライズ・キングダム (Moonrise Kingdom)」
キャスリン・ビグロー「ゼロ・ダーク・サーティ」
ジョン・ヒルコート「ロウレス」
トム・フーパー「レ・ミゼラブル」
アン・リー「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」
クリストファー・ノーラン「ダークナイト・ライジング」
ウォシャウスキー姉弟「クラウド・アトラス」
すべて力のある者たちばかりだが、コスチューム・ドラマからアポカリプスSFまで一作で提供したウォシャウスキー姉弟にあげたい。
主演男優賞 (Actor)
ホアキン・フェニックス「ザ・マスター」
リチャード・ギア「キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け (Arbitrage)」
ヒュー・ジャックマン「レ・ミゼラブル」
クリストフ・ヴァルツ「ジャンゴ 繋がれざる者 (Djando Unchained)」
デンゼル・ワシントン「フライト (Flight)」
ヴァルツって主演だろ?
主演女優賞 (Actress)
ジェシカ・チャステイン「ゼロ・ダーク・サーティ」、「ロウレス」
ジェニファー・ロウレンス「世界にひとつのプレイブック」
巷ではロウレンスが本命で、私もそれに異議を挟む気はないが、「ゼロ・ダーク・サーティ」と「ロウレス」の二本で主演、ついでに「ママ (Mama)」もあるチャステインに一票。実は昨年の助演女優賞もチャステインにあげているのだった。
助演男優賞 (Supporting Actor)
ハビエル・バルデム「007 スカイフォール (Skyfall)」
フィリップ・シーモア・ホフマン「ザ・マスター」
サミュエル・L・ジャクソン「ジャンゴ 繋がれざる者」
エドワード・ノートン「ボーン・レガシー (The Bourne Legacy)」
リチャード・パーカー「ライフ・オブ・パイ」
マイケル・ピーナ「エンド・オブ・ウォッチ (End of Watch)」
ほとんどマジでパーカーと言いたいところだが、ほとんど本人の演技ではなくCGが圧倒的に多いはずで、性別も定かではないため、残念だが諦める。ここは胡散臭さではピカ一だったホフマンに。
助演女優賞 (Supporting Actress)
エイミー・アダムス「ザ・マスター」
ジェシカ・ビール「トータル・リコール (Total Recall)」
アン・ハサウェイ「レ・ミゼラブル」
メリッサ・レオ「フライト」
スーザン・サランドン「キング・オブ・マンハッタン」
まったく太っていない、というか普段から痩せ気味のハサウェイは、それなのにこの役のために25パウンド体重を落としたそうだ。それであれだけ歌えるのか。身体壊さないようにね。
脚本賞 (Original Screenplay)
ウェス・アンダーソン、ロマン・コッポラ「ムーンライズ・キングダム」
マーク・ボール「ゼロ・ダーク・サーティ」
ニコラス・ジャレッキ「キング・オブ・マンハッタン」
ライアン・ジョンソン「ルーパー」
クリストファー・ノーラン、ジョナサン・ノーラン「ダーク・ナイト・ライジング」
クエンティン・タランティーノ「ジャンゴ 繋がれざる者」
新しいタイム・トラヴェルものを開拓したジョンソンに。
脚色賞 (Adapted Screenplay)
ウォシャウスキー姉弟、トム・ティクヴァ「クラウド・アトラス」
私にとっては文句なしにこれだ。
外国語映画賞 (Foreign Language Film)
実は昨年、よく利用していたアーティな小品をよくかける劇場が閉じてしまって、いきなり外国語映画を見る機会が減った。というか、ほぼなくなった。4月に「別離 (A Separation)」を見て以来、外国語映画からはとんとご無沙汰だ。近々のうちに「愛、アムール (Amour)」が近くに来なければ、クルマで1時間かけて遠征しなければならない。
新人賞
デイン・デハーン「クロニクル (Chronicle)」、「ロウレス」
「クロニクル」だけだと主演には弱く、「ロウレス」だけだと助演にもう一つという感じがするが、しかし彼に言及しておくのは必要かと思ったので独自に賞を新設。