初日: フォーサム

なんと、前回の不調を払拭するように、初日のフォーサムはアメリカ・チームが5-0でリードする。インターナショナル・チームは1ポイントも上げることができなかった。なんてったってなあ、まず、グレッグ・ノーマンがもう以前のノーマンでない。残念ながらこういうゴルフが続くなら、彼はもう2度とツアーで勝つことはできないだろう。一緒に組んだスティーヴ・エルキントンも以前のエルキントンのような切れがない。ヴィージェイ・シングも調子が悪く、同組のアーニー・エルスに助けられていたとはいえ、タイガー・ウッズ、ノタ・ビゲイ3世のペアには歯が立たない。ウッズ/ビゲイも本調子とは言えなかったんだけどねえ。明日のフォーサム/フォーボールにはもうノーマンは出すべきではないだろう。だいたい、なんで前回5戦全勝の丸山茂樹を出さないんだ? ノーマンを第1組に出すくらいなら、丸山/マイケル・キャンベルで勢いをつけた方が絶対いい。明日はインターナショナル・チームに頑張ってもらいたい。



2日目: フォーボール/フォーサム

午前中のフォーボールはインターナショナル・チームが挽回する。これまでの不動のペアだったノーマン/エルキントンも昨日の大負けが効いて初めて別々になる。すると、ノーマンは昨日と打って変わって要所要所を決めだす。昨日の崩れ方はあれは何だったのというくらい別人のようなゴルフで楽勝。丸山はカルロス・フランコと組んでウッズ/ビゲイ組と対戦。どちらを応援しようか迷ったが、中立で見ることにする。丸山はできがよくないが、それ以上にウッズ/ビゲイが噛み合わず、調子のよいフランコ一人の活躍で丸山/フランコ組が勝ったという感じ。ウッズは滅多に見ない天ぷらショットまで打ってたからなあ。それでも250ヤード以上は飛んだように見えたけど。アメリカ・チームは結局最終組のミッケルソン/デイヴィス・ラヴ3世組が勝ったのみで、午前中を終わってアメリカ6-インターナショナル4と、接近して面白くなる。


午後のフォーサムは今度はアメリカ・チームが挽回。丸山/フランコ組と対戦したポール・エイジンガー/ロレン・ロバーツ組は、確実にグリーンに乗せるエイジンガーのショットをロバーツがほとんど1パットで沈め、逆転勝ち。エイジンガー/ロバーツ組は最も理想的なフォーサム・ゴルフを見せていた。丸山はこれで6勝1敗と、プレジデンツ・カップで初めての負け星を喫した。ウッズ/ビゲイ組は午前中の不調が嘘のように午後は完全復帰。シング/エルス組を完膚なきまでに叩きのめした。シングとエルスはぐうの音も出なかったという感じ。まったくいいところがなかった。しかし、それにしても今回はシングのできが悪い。彼が決めたパットというのは今回ほとんどないんじゃないだろうか。おかげでシング/エルス組は今回まだ勝ち星がない。なんといってもシングの不調が今回インターナショナル・チームが差をつけられている最大の要因だ。これでアメリカ10-インターナショナル5と、一時は接近したスコアにまた差がついてしまった。やはり勝負は競らないと面白くないから、明日もやっぱりインターナショナル・チームを応援することにしよう。



3日目: フォーボール

三度アメリカ・チームが圧倒、4-1でインターナショナル・チームを下し、これでスコアは14-6。アメリカはあと2.5ポイントで勝ちだから、ほとんど勝負は決したようだ。去年のライダー・カップのように、ほとんど負け越しても最終日のシングルスで逆転したアメリカのような例はないではないが、ここまで差がついてしまっては逆転はほとんど無理だろう。でもしかし、シングルスはプロ・ゴルファーとしての意地がある。インターナショナルも諦めないで明日は勝負を盛り上げてもらいたいものだ。それにしてもアメリカ・チームは、唯一の負け星がウッズ/ビゲイのペアだったのが意外。ウッズは頑張ってたんだけどねえ。ビゲイがTVに映してもらえないくらいできがよくなかった。相手は二人のスコアのいい方をとるわけだから、ウッズが二人相手に戦っているようなもので、これはさすがに勝ち目はないか。それでも最後、ポイントを返して盛り上げていたが。シングはレティーフ・グーセンと組んで今回初勝利。しかしエルスはまだ勝ち星がない。



最終日: シングルス

勝負は既に決したも同然だったために、興味はチーム・ゲームとしてではなく、個人として見るマッチ・プレイに絞られる。果たしてエルスは負け続けるのか。ノーマンは復活するのか。なぜカーク・トリプレットとスチュワート・シンクは勝ち続けているのか。シングは意地を出してウッズに一泡吹かせてやるることができるのか。丸山の調子は?と、まあ世界の一流が集まっているから勝負の行方は決しても他に見るところはいっぱいあって、それはそれで面白い。今回は両チームのキャプテンのピック -- アメリカのエイジンガーとロバーツ、インターナショナルのロバート・アレンビーとエルキントン -- が、ちゃんと期待に答えて活躍していることにも感心した。キャプテンのピックがこれだけ決まるのも珍しい。


シングルスで勝負として面白かったのはやはりウッズ vs シングか。この二人はカップの行方が決してもシリアスにやっていた。最後にはウッズが今回調子のよくないシングを17番ホールでうっちゃったが。また、勝負師という点では、いつも勝とうという意志が見えるトム・レーマンもエルキントン相手に1アップで負けたとはいえ最後に追い込んで盛り上げた。しかしノーマンはなあ。昨日までとうって変わって調子の悪いシンク相手に、ボギーだらけのゴルフで楽々と勝たせてしまうし、丸山もジム・フューリック相手に5&4と全然冴えなかった。それよりも何よりも、今回5戦全敗のエルスの心中はいかなるものだろう。エルスより調子が悪いようにしか見えなかったシングですら1勝はしているのに、今日はデイヴィス・ラヴ3世相手に前半こそ対等に戦っていたが、後半はずるずると後退していった。とにかく今回はエルスとシングの不調がインターナショナル・チームの大敗の最大の理由だ。結局最終スコアは20.5対10.5と大差がついてしまった。アメリカ・チームは去年のライダー・カップの劇的な勝ち方以来、チームとしてよくまとまっているという印象を受ける。ここ当分負けそうな気がしない。







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4回プレジデンツ・カップ

2000年10月19-22日   ★★★

ヴァージニア州ゲインズヴィル、ロバート・トレント・ジョーンズ・ゴルフ・クラブ

 
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