北京五輪と重なった今回の全米プロ、タイガー・ウッズがいないこともあり、どうしても注意は五輪の方に向いてしまいがちで、メイジャーといえども今回ばかりは集中して見ているわけではない。そしたら3日目は悪天候のため上位陣はティ・オフすらできずに日曜に順延になったため、安心して五輪中継を見る。それにしてもマイケル・フェルプスは強いなあ。


さて、2日目終了時点ではただ一人アンダー・パーの1アンダーで首位に立っていたのはJ. B. ホームズ。ホームズは第3ラウンドもイーヴン・パーで回るが、それを上回ったのがヘンリク・ステンソンとベン・カーティスで、二人が第3ラウンド終了時点で2アンダーで首位に立つ。


最終ラウンドはしかし、1番パー4と2番パー5でバーディ、イーグルと3つスコアを縮めたセルジオ・ガルシアがいきなり首位を脅かし、中盤、その時首位に立っていたカーティスに追いつく。そしてこの二人に絡んできたのが全英の覇者ハリントンで、カーティスも最後の最後で脱落し、勝負はガルシアとハリントンの争いになる。わざわざアメリカまで来て昨年の全英の再現だったのか。


勝負の要となったのは16番パー4、17番パー3、18番パー4の最後の3ホールで、ガルシア3アンダー、ハリントン2アンダーで迎えた16番で、ガルシアは第2打を池に落とす。ハリントンは安全に行き過ぎて難しい15フィートの左曲がりのパー・パットを残すがそれを沈め、ガルシアはボギーで二人とも2アンダー。17番ではハリントンがカップまで15フィート、ガルシアが10フィートの絶妙のティ・ショットを放つが、またこの距離を沈めたハリントンに対し、ガルシアはパー上がり。これでハリントン3アンダー、ガルシア2アンダーと逆転。


18番はハリントンがティ・ショットを右バンカー、ガルシアが右ラフに打ち込む。ハリントンは刻んでいき、ガルシアは2オンを狙うもグリーン手前バンカーに捕まる。ハリントンのラフからの130ヤードの第3打はまたまたグリーン上でカップまで15フィート残す。ガルシアのサンド・ショットもカップまで8フィート。プレイオフに持ち込みたくないハリントンはパー・パットを沈め、全英に続きメイジャー2連勝。ウッズがいないとはいえ、ウッズ、ミッケルソン以外でメイジャーで連勝できるゴルファーがいるとは思わなかった。


ガルシアはその後パー・パットを外し、カーティスと共に1アンダーで2位タイに終わり、またメイジャー初制覇はお預け。1オーヴァー4位がステンソンとカミーロ・ヴィジェイガス。2オーヴァー6位にスティーヴ・フレッシュが入った。今年はウィンブルドンでナダールが優勝、ユーロ2008でスペインが優勝、ツール・ド・フランスも優勝はスペイン人で、これは勝つのはガルシアだなとほとんど確信を抱きながら見ていたのだが、勝負は終わるまでわからない。







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第90回全米プロ選手権

2008年8月7日-8月10日   ★★★1/2

ミシガン州ブルームフィールド・タウンシップ、オークランド・ヒルズ・カントリー・クラブ

 
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