ニッサン・オープン

2003年2月20-23日   ★★★1/2

カリフォルニア州ロサンジェルス、リヴィエラ・カントリー・クラブ

どうしても先週、今季トーナメント初出場でいきなり優勝したタイガー・ウッズの動向に注目してしまう。ニッサン・オープンはウッズがPGAツアーで5回出場して一度も勝ったことのないという唯一のトーナメントだ。もしかしたら今回はやってくれるかもしれない。


と思ったら、苦しみながらも折り返し点まではなんとか射程距離にはつけていたが、3日目のパッティングが悪すぎ、この日2オーヴァー73で通算イーヴン・パーに後退、自らチャンスの芽を摘んでしまう。先週のビュイック招待で勝てたのは、やはり3日目にショットに苦しみながらも要所要所のクラッチ・パットをことごとく決めていたからだったが、今回は同じ3日目がまったく異なる展開になったのが痛かった。結局、3日目を終わった時点でトップは11アンダーのチャールズ・ハウエル3世。3打差8アンダーで久し振りに首位に絡むニック・プライス、そのすぐ下7アンダーにK. J. チョイがつける。


最終日はフロント9を終わった時点で、ハウエルがスコアを伸ばすわけではないが、それでも11アンダーのまま踏ん張り、依然後続に3打差をつけたまま折り返し点を過ぎる。若いくせに肝が据わったような安定したゴルフで、これはこのまま行くかと思われた。


しかしそのハウエルがそれから崩れだす。まずリーチャブルの10番パー3でまさかのボギー、11番パー5でバーディを奪い一つ返すも、12番パー4、14番パー3でもボギーを叩き、その時点でプライスと、この日5アンダー66でスコアを9アンダーまで伸ばしたマイク・ウィアーと共に3人が9アンダーで並ぶ。勝負はまったくわからなくなった。


プライスはその後崩れ7アンダーまで後退、結局勝負は9アンダーのままレギュレイションを終えたハウエルとウィアーのプレイオフになった。18番パー4は二人ともパーで上がり、プレイオフ2ホール目の10番パー4を迎える。ウィアーはフェアウェイ・ウッドでティ・オフする安全策を選ぶが、ハウエルはこれまで通りドライヴァーで1オンを狙う。先ほどやはりドライヴァーで1オンを狙って逆にボギーになってしまったばかりだが、プレイオフだからといって自分のゲーム・プランを変えない頑固さは、プロらしくていい。


しかしそのティ・ショットは2段バンカーの手前につかまる。しかも角度が最もグリーンを浅くしか狙えない位置で、手前も奥もバンカーに囲まれたグリーンを、30ヤードのバンカー・ショットという、ゴルフで最も難しいショットで狙わないといけない。こりゃきついわ。


しかしハウエルはこの最高に難しいバンカー・ショットを、きちりとピン奥6フィートに寄せる。実況のジュディ・ランキンも思わずグレイト・ショットと叫んでいたが、確かにあれは見事だった。これで流れはハウエルに傾いたか。しかしまず、8フィートにつけていたウィアーが先にバーディ・パットを沈める。そしてハウエルが6フィートのバーディ・パットを左にはずした時点で、ウィアーのボブ・ホープ・クラシックに続く今季2勝目が決まった。ウィアーは最終日、7打差をひっくり返した。7アンダーで3位には、プライスと共にフレッド・ファンクが入った。新人ばかりが勝った昨年と違い、今年は中堅からヴェテラン、ビッグ・ネームが活躍している。


ところでウッズは、3日目で優勝のチャンスを逸しておきながら、最終日は6アンダー65のベスト・スコアをマークし、終わってみれば優勝スコアの9アンダーにたった3打差の6アンダーで、チョイと共に5位タイまで順位を上げた。本当に3日目が悔やまれる。







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