タイガー・ウッズが3日目終了時点で首位に3打差、その他フレッド・カップルス、デイヴィッド・デュヴォールもほとんど同じ所におり、もしかしたら最終日ドラマティックな展開を見せてくれるかもと思った期待は見事に裏切られ、最後、追い上げるジャスパー・パーナヴィクを振り切ってカーク・トリプレットが1打差でツアー初優勝。ウッズもデュヴォールも精彩なく、最後数ホールでパーナヴィクがもしやと思わせてくれた他は、ツアー未勝利の名前を聞いたこともない有象無象が入れ代わり立ち代わり上位に顔を出すかまびすしい展開。顔を見ただけでは名前を思い出せないゴルファーをこれは誰だったっけと考えている間に終わってしまった。


トリプレットはいつも結構いいところには顔を出しているが優勝経験はなく、どちらかというと地道に長い間日陰のツアー街道を歩む、いわゆるグラインダーと呼ばれるゴルファーの代表格。そういうゴルファーにもたまには勝たせてあげなくてと思うのだが、私は彼が一昨年のオリンピック・ゴルフ・クラブでの全米オープンで予選落ちした時に、最終ホールで投げやりになってまだ動いているボールを止めてパッティングをしたおよそスポーツマンらしからぬ姿勢を見て以来、彼のことは好きではない。ジョン・デイリーもよく同じことをするが、ああいう元々無茶苦茶なゴルファーが無茶苦茶なゴルフをするのを見る分にはほとんど気にならないのだが、普通のゴルファーがただ単に忍耐をなくしただけのゴルフをするのを見るのは、ただ見苦しいだけで見ていて実に不愉快。そういうわけで私は最後の方は追い上げるパーナヴィクを応援していたのだが、トリプレットが勝ってしまった。ま、そういうこともあるでしょう。


ところでウッズは、3日目の15フィートからの4パットという信じられないゴルフを見ても、本調子でないのはありあり。これで3日後に迫ったワールド・マッチ・プレイちゃんとやれるのだろうか。昨年の第1回のワールド・マッチ・プレイでも強豪はほとんど初戦か2回戦くらいで負けてしまって後半は盛り上がりに欠けたからなあ。ライダー・カップやプレジデント・カップの例を取るまでもなく、マッチ・プレイが最もエキサイティングなゴルフ・フォーマットであることは今やすべてのゴルフ・ファンは知っている。今年のワールド・マッチ・プレイは是非ともいい勝負を見せてもらいたいものだ。







< previous                                    HOME

 

ニッサン・オープン

2000年2月17-20日  

カリフォルニア州ロサンジェルス、リヴィエラ・カントリー・クラブ

 
inserted by FC2 system